写真でイスラーム  

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2008年 12月 05日

本田孝一氏作品展 in Shah Alam

 Restu財団による国際カリグラフィー展として 『DIVINE WORDS IN THE EYES OF CALLIGRAPHERS』というテーマでの展示が現在開催されている。

 この展示の中心である本田孝一氏の作品には六角形の展示室が組み合わせられた広い空間が使われた。
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  中央にガラス入りのモニュメントがあるので必然的に部屋を回りながら近くで見るようになる。雰囲気はとてもよい。

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 宇宙空間を感じさせる作品も、四分円も関連する作品同士となりあい、デザイン上単独のものは別に飾るなど気使ってあった。
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 奥の部屋に見えるのは赤の砂漠のプリント拡大版。プリント版はこんな大きなプリントがこの施設でできることに驚く。また、手前の光の上に光は光イメージのラインがくっきりとした作品に仕上がっていた。筆同様、作品もまた変化し続けていると感じさせられた。
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それぞれの作品の色に深みがある。本田色の世界が空間に広がる・・・

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 これにも、実はテーマ色の異なる作品が展示されていた。

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これも美しいピンクと金が競演している自然の美しさを讃えるような作品である。

★ 写真をやるものとしては、残念なことがある。ここのスポット照明が作品に近すぎるのだ。コントラストが強すぎて、撮るにはむかない。
  
 本田作品はひかりを強く意識して描かれているように思う。それぞれの作品に光の原点があり、そこから渦巻くように、あるいは空に舞い上がるように文字がうねり流れる。また、光がなす稜線に縁どられた中で、デザイン化されたアラビア文字が主張する。

 作品そのものに光を意識させるものがあるのだから、作品の印象を変えてしまいかねないほどの照明は不要だと思う。たとえば上のピンクの作品は斜め下から右上にゆったりとしたカーブで立ち上がっていく。流れをもち、それをデリケートな金との競演の中で表している。そこに上から強い光があたると上から下への力がその流れを打ち消しかねないのである。カメラは光を人の肉眼よりも強く捉えるのでその傾向がはっきりと現れる。展示を実際に見る分にはこれほどはっきりとは感じられないと思うが・・・。
 個人的にはもっと高い天井から一作品ずつ全体に照らす照明が最も合うのではないかと思っている。しかし、海外では設備の問題もあるし、展示は相手国にお任せの状態なのでなかなか難しい。

☆しかし、見る環境としては静かでじっくりとその作品のもつ世界に浸ることができるのが嬉しい。
     宇宙の深遠を見つめ、
          砂漠の静けさに身をおき、
               風のゆらめきの中へ入り込む・・・

 今までとは異なる展示空間であった。


~~~~☆『DIVINE WORDS IN THE EYES OF CALLIGRAPHERS』☆~~~~~

開 催:2008年11月22日~2009年3月までの予定
入場時間:午前9時から午後5時
入 場:無料
場 所:マレーシア シャー・アラム(クアラルンプールと空港の間くらい)クアラルンプールから車で40分。一般の旅行案内書には載っていない。シャーアラムのブルーモスクは有名でどの案内書にも載っているので、それを目ざしてきて、近くで前頁に掲載した形の建築を探すか、あるいは近くで聞けばわかる。
 RestuのHPによると、場所はセクション10、シャーアラムの「青いモスク」の反対側にイスラームArts Complexがある。 初めての方にわかるように、多くの看板がシャーアラムにあると記載されている。
問い合わせ:その他の詳細に関しては、03-5511 9001/9002/9003かファックスに電話をしてください: 03-5512 3788/3780.
 
 (尚、他の国では予定通りに行かないこともよくあるものです。
 遠くからお出かけの際は特に事前のお問い合わせをおすすめします。)
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by miriyun | 2008-12-05 23:55 | Fuad Kouichi Honda | Comments(6)
Commented by yumiyane at 2008-12-06 22:45
素晴らしい作品ですね。本田さんは画材は何で描いていらっしゃるのですか。
ブログの流れから、東京じゃないよね、と思いながら読んでいましたら、やはりマレーシアですか。残念っ!
今更ながらですが、miriyunさんは写真がお仕事でいらっしゃるのですね。
Commented by miriyun at 2008-12-07 17:46
yumiyaneさん、一作品だけでも、じっと見入っている人が多いくらいなので、たくさんの作品には圧倒されるようなところがあります。日本大使や財団のトップの方が絶賛しておられました。
 これらの作品は上から文字を書くので、水彩はつかえず、アクリル絵の具が主に使われます。色を極めるという感じで、同じ青・赤とあらわされても実はたくさんの色が使われています。
 写真は仕事の一環といってもいいかもしれません。表現の一手法として大事にしています。
Commented by asiax at 2008-12-07 22:46
イスラムのイメージを覆すような大胆な色使いが印象的です。
絵の中に描かれている文字を読みとれるとますます興味がわいてきそうですね。きっとmiriyunさんはそこまでじっくり見ていると思いますが。
Commented by miriyun at 2008-12-08 00:34
asiaxさん、色の芸術と文字芸術が融合するとこうなるんですね~。コーランの言葉ですが、章の名もしくは文言と作品のイメージはつながりがあり、知っていて見るとまた深まりが違ってくるかもしれません。
Commented by りんご姫 at 2008-12-15 17:59 x
本田さんの アラビア書道の宇宙 は 私も持っていまして、彼の描くイスラムの美には、前々から魅了されていました。 マレーシアには先月いったのですが、このサイトに出会ったのが一足遅れで、残念。
もし知っていたら 是非 展覧会に行ってたのですが。
それにしても、ブログの写真、とてもきれいですね。
Commented by miriyun at 2008-12-19 00:29
りんご姫様、ようこそおいでいただきました。
マレーシアに行かれていたのですか。ちょっと行き違いで残念でした。いろいろなところに本田芸術のファンがいらしてうれしいです。
 写真についてお褒めいただきありがとうございました。


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