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氷上の日の丸・日本にささげる詩・・・2011世界選手権エキシビション フィナーレ

氷上の日の丸
                       
                       
 2011World GALA Finale 世界選手権エキシビション フィナーレを地上波TVで見た。

 地上波の映し方の優先順位には疑問を持った。エキシビジョンの合間にすでにみた試合内容や世界選手権に参加しなかった選手の演技まで入れ、更に、フィナーレ直前に他国の選手のインタビューなどにたっぷりと時間を使っていた。つまり放映時間は十分長くあったにもかかわらず、開催国の日本への心を放映しなかったのである。
 エキシビジョンフィナーレで、日本選手を中心に構成・演出され、日の丸まで出現したことをまったく映し出さない姿勢が、これは本当に日本のTV局なんだろうか、間違ってよその国のTV局を見ているのだろうかと思ってしまった。

 ロシアが世界選手権会場の変更に快く応じてくれてわずかな期間しかなかったのに、開会から閉会式まで、常に日本を意識して演出をしてくれていた。なぜそれを入れないのか。世界が広く大きな気持で見つめてくれているのにそれを映し出さない狭さが残念であった。


◎地上波ではこの場面は削られていたが、実際はこうなっていた。

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まず、安藤が登場。この広角で見ると、すでに日本の国旗を明らかに意識した赤い円形が映し出されている。
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 次に高橋と小塚が登場。

 フィナーレの中で日本選手3人を中心に赤く丸いライトが照らされる。その周りを他の国の選手が円く輪になって滑る。
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                                           ( 動画より一場面を引用)
 青白いリンクの中央に赤(透明感があってやや紫がかっている)の円がライトでつくられ、そこに安藤・小塚・高橋がまず登場し、それを他の国のひとが囲うように回る。この中心部の赤は、ちょっと遠くから見れば、リンクを旗の外郭として中央に日の丸の赤が表されていることがわかる。日本人と日本の国旗を中心とした演出になっていた。氷上の透明感のある美しい日の丸はロシアの気持ちだ。


 有料のJスポーツを見た人はこの日の丸など、内容をありのままに見れたはずなのだが、地上波では全く日本や日本選手を意識したところは見れなかった。(アナウンサーは、とってつけたかのように、先ほど日本選手を中心にした演出がありましたといって、日本選手が写らないところからフィナーレを放映した。また一瞬、日の丸のようなと言った時にはその氷上の円が見えないように観客席にカメラが写り、確認できない…そんな放映の仕方ってどうなんだろう・・・。)


 更に、こうした思いやりある大会の最後に安藤美姫がロシア語と英語で感謝の挨拶をしたという話が伝わってきている。そういう姿もみることができない日本のTVって・・・。
 おもえば、昨年の世界選手権男女とも高橋・浅田と世界チャンピオンが出現したにもかかわらず、表彰式もじゅうぶん放映せず、エキシビジョンの放映もないというのが同じ局だった。

 これまでの長い積み重ねのおかげで層も厚くなり男女とも世界一を常にめざして素晴らしい成果を出しているフィギュア大国、日本。
 これから苦しい時代が続くであろう日本だが、日本にはこんなに勇気を与える素晴らしいスポーツがある・・・you tube などで見ると、世界各地のTVの方が拍手の音もはっきりと聞こえるし、アナウンサーの言葉ももっと真理を突いていて素直に日本の実力を謳ってくれている。今回は被災した日本に心を寄せてきてくれている。選手もそれに真摯にこたえている。というのに、それを伝えないTV放映・・・・・・。

 せめて、こうした勇気を与えるスポーツ、これこそスポンサーや株主を意識せず放映できるNHKが放映してくれることを切に願う。
◆動画主様、お借りします。


 フィナーレ最後の日本にささげる詩・・・これが ロシア連盟からのメッセージとして世界に紹介された。
でも、地上波TV局しか見ていない日本人はこの詩を知らされていない。せっかくの言葉を知らないままというのは国際親善上おかしいだろう。だから、下に引用する。

~~~♡~~~~~~~♡~~~~~~~~♡~~~~
 『日本にささげる詩』   

地球がいたみでうめき声を発した
自然の強さに全世界がショックを受け

あらゆるものを水は深海に流した

しかし、何があっても太陽は東から昇る
地震と津波は光には勝てない

われわれの神様が
地球の皆のいのちを保ってくれることを祈る

桜が咲く公園はたくさんあることを
白樺が咲く公園はたくさんあることを

鳥が春の歌を歌えることを
旗が勝利の祝いで挙げられることを祈る

こどもたちが大人たちへと願う
友の皆さん 手をつないで

われわれがこの地球において
ひとつの家族になっていることを忘れないでほしい
                          (ロシア連盟からの詩 引用)
~~~♡~~~~~~~♡~~~~~~~~♡~~~~
  
  スパシーバ、ロシア!
           ありがとう、世界の人たち、
                  また、日本の選手たちは勇気をもらってソチに行くことだろう。 

◆ 2011年フィギュアスケート世界選手権・・・日本の東北大震災と津波の影響でそれこそ、選手も関係者も目標を失ってたいへんだったろう。その中での被災地への思いを込めて精一杯頑張って夢と復興への力を与えてくれた選手たちに感謝したい。   

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by miriyun | 2011-05-03 12:07 | Comments(8)

安藤美姫*魂の叫びレクイエム*翻訳版・・・2011世界選手権エキシビジョン

安藤美姫・・・魂の叫び・レクイエム
 
安藤美姫のエキシビジョン演技は指の動きが何とも繊細で美しく惹き付けられる。
そして、アンコールに答えたモーツァルトのレクイエム
・・・思いがこもっていて以前に見た時より深く深く表現されて、心うたれた。
             こころが奥底から揺さぶられたレクイエム(鎮魂歌)で、
                   イタリアの解説者も絶賛していた。

          こうした素晴らしいエキシビジョンであった。

≪イタリア語 翻訳字幕付き  安藤美姫のエキシビジョンとアンコール感動のレクイエム≫


                              (再生してから右下↑の角の白い四角に黒窓が3つついているマークを押すとコメントなしにしてみることもできます)
◆今日のスケーティングには人を惹きつける感動がこもっています
心と魂で滑っているというか、
スケーティングを通して何かを伝えたい、という思いがひしひしとかんじられますね。 
息をのむ演技でした。

スケーターがかもし出す緊張感によって、会場に素晴らしい雰囲気がつくりだされるのです。
ただ、純粋に氷上のスケーターのスケーティングによって。

ブラーバ!(ブラボーの女性形)、美姫 安藤!
あなたは終わることのない感動を与えてくれました。

彼女は心の中で
日本と共に滑っていたことでしょう。
                         (イタリアのアナウンサーと解説者の言葉より一部引用)

~~~~~~~~~~~~~
これを見て本当に素晴らしいと追認識させられた。
   日本語への翻訳者の方に感謝!
             投稿者の方に感謝!

♡そして、もちろん
       ブラーバ!! 安藤美姫!




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by miriyun | 2011-05-03 09:26 | Comments(0)

高橋大輔と四大陸選手権2011

1.高橋大輔*フィギュアスケート4大陸選手権  

 タイペイで四大陸選手権の男子ショートプログラムが行われた。
久々に高橋大輔がパーフェクト演技ができ、世界選手権を来月に控えて上向いてきた勢いを感じた。
 
 トリプルアクセルをはじめ、コンビネーションジャンプ、単独のトリプルもきれいに飛んで「エル・マンボ」を氷上ではじけるように熱く踊った。 

  日本語版よりも画質はよくないし、中国語なので解説で言っている意味は分からない。
でも最初解説の女性がが適当に笑いながら何か言っていて、時折、ナイス!と言っているのだが、その声のトーンがかわってくるのだ。う~ん、これはこれはっ!という感じになってくる。
 言葉はわからなくともこんな雰囲気を感じ取るのが好きだ。 (でも、意味の分かる方がいらしたら教えてください)

 はじめて、ドーナツスピンも入れた。
 久しぶりにジャンプもステップも波に乗ってなめらかだった。いや、この人の場合、その言葉では表現が足りない。曲想ももちろんだが観客の心までもわしづかみにして、初めてこのひとらしさがでてくるのだ。

〈2/18男子ショートの結果〉 
1.高橋大輔        83.49
2.ジェフリー・アボット  76.73
3.羽生結弦        76.43     (小塚はジャンプの失敗で6位)


 高橋大輔が男子に初めてオリンピックの銅メダルをもたらしたのはちょうど1年前だった。さらに1か月ほど後にはトリノでの世界選手権で第100回世界選手権チャンピョンになっている。
 バンクーバー・トリノ、までは大けがの後で緊張感が続いたが次のシーズンになったとき、それだけのモチベーションを維持できなかったという。
 それが、日本選手権で変わった。

2.なんとハイレベルな日本選手権!・・・かってないほど、世界に誇る選手がたくさん!! 
 日本は活躍してきた国なので、男女とも3人までの世界選手権出場枠を獲得している。

 他の国からすればうらやむような3名という枠であるが、実は日本選手権に出る選手、男子で考えるなら、高橋の他、グランプリファイナル3位で日本選手権1位の小塚、グランプリファイナル2位の日本選手権2位の織田、新生ジュニアチャンピョン・羽生が元気がいいし、いい意味で気も強い。無良・町田・南里だってかなり4回転もしくはアクセルを飛ぶし、スケートのすべりや表現だってなかなかのものである。日本だから厳しいが、他の国にいたらば選手権代表を争えるであろう。

 世界選手権出場は日本選手権で3位まで入賞が原則(他にも要件はあるが・・・)だ。
日本選手権のショートで小塚・羽生・織田が3位までに入り、高橋は4位となったとき、つまり世界チャンピョンが出場できないかもしれないという事態になってはじめて高橋の気持ちに火がついて、フリーでは万雷の拍手が起こるような演技で日本選手権3位で滑り込んだ。

 日本選手がばらばらに出場する世界グランプリシリーズで勝つよりも、、日本選手権で勝つのが大変ということになる。女子についても復調した女王浅田真央、同じく安藤美姫、そして鈴木明子・庄司・石川・西野・、ジュニアからの村上佳菜子・今井など層は厚い。

 昔はテレビに映らないところはボロボロ転んで大したことはないという認識だった。今このように日本に世界をけん引する選手がたくさんいるような日本ではジュニアやその下にも優れた選手の層が厚く、テレビに出ていない選手たちもなかなかの技術を持っているのだ。先日の紅白戦で若い世代も出ていたが、12歳くらいの男の子も中学生くらいの女の子たちも高度な技を見せていた。基礎的な力を持ったうえであとは急成長の村上のように思い切りの良い、人を惹きつける演技をできるかであろう。

 この中で勝つのは高橋でさえ、本気を目覚めさせなければできなかったほどだ。若い人たちにとってレベルの高い人たちがいることはものすごく刺激になっているはずである。
 また、これだけ常にしのぎを削り、順位をつけられ、メンタルな勝負であっても、国別対抗やアイスショーなどで見せるチームワークや応援ぶりは微笑ましい。
 他の国からいわせれば、これほどの厚い層がどうして育成できているのか、次々と強い選手が出てきているのか不思議で知りたいところだという。


3.フィギュアの表現力   

 今シーズンの世界の選手の様子は世界選手権で明らかになるのだが、グランプリ選手権などで見た感じではどこの国も表現力がとびっきりよくなってきている。きれいな曲に合わせて優雅に踊っているのが普通だったのが指先まで演技して何かを表す複雑な動きになってきた。
 これは、バンクーバーオリンピックで高橋の「 eye 」と「 道 」が絶賛されたこと、インターネットの世界で、繰り返しその良さを確認できるようになったことと決して無縁ではない。

 表現の可能性を探るならお手本を探すだろう。大昔の選手ではお手本にならない。地面の上の他の踊り(バレエ出会ったり、ベリーダンスであったり)も取り入れ、スケートとしての取りこむ。また、手指や首の動かし方までというと先例のないところは高橋が研究されることになる。その結果、明らかに体の手足はもちろん全身を激しく動かして踊っていく人が見られるようになった。
 4回転はプルシェンコをめざし、ステップは高橋のように表現を重視してくる。

 それもただ真似したら誰々のよう言われてしまうだけだ。やはりオリジナリティー、自分らしさの表現ができることが本物の名を残すことができるスケーターとなるのだろう。

 今夜、4大陸選手権の男子フリーがある。その少し前は女子ショートである。
その行方を見守ろう。
~~~~~~~~~~~~~~  
≪追記≫
(2/19女子ショート)
1.安藤美姫 66.58    2.浅田真央 63.41    3.レイチェル・フラット (鈴木は6位)
 安藤選手、曲に合わせて動くのではなく自分自身を曲の中に溶かし込んでいくような演技に静かな演技の中にも感じるものがあり、観客は安藤の表現する世界を壊さないように、さざ波がおこるがごとき拍手で称えていたのがとても印象的だった。
 浅田選手もフラット選手も情感豊かで、これからの方向性が見えてきていた。
(2/19女子フリー・総合)
1.安藤美姫     2.浅田真央  3.長洲未来
安藤選手・・・滑りこなしている。指先までこんなに表現できる人になったのかと・・・。
浅田選手・・・アクセルも完璧。プログラムを一部変えたのでまだ滑り込んでいないところもあるがジャンプは完璧。最後の方はあまりの美しさに絶句。
長洲選手・・・「私を選ばなかったのを後悔するくらいにいい演技を見せたい」・・と、世界選手権に出られない悔しさをばねに素晴らしい演技をして3位に入り、3人のアメリカ選手の中でトップになった。

(2/19男子フリー・総合得点)
1.高橋大輔        244.0
2.羽生結弦        228.1
3.J.アボット       225.71
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出だし、静かな瞳で始まる。最初の4回転に失敗するが・・・、この後のジャンプはお手本のような見事なジャンプをすべて決める。
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       思っても思ってもかなえられない望みを表す。
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          苦しい中からも情熱がしみだしてくるような演技が続く。

    後半の演技は、ジャンプや回る方向などに変更したところが多く、この時期へきての変更は大変だろうと思われる。
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気迫と貫禄、曲想の表現はいつも以上に魂が入ってすごかった。
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                                ↑ 写真はTVをそのまま撮影したもの
                    インタビュー時にはもういつもの普通の青年の顔に・・。
~~~~~~~2/20追記分終了~~~~~~~~~~~~~~~

4.世界選手権の出場枠&ワールドスタンディング
※なお、世界選手権の出場枠にはもう一つの規制がある。
  それは予選と決戦があるということで、ダイレクト・エントリー枠予選から戦わなければならない出場枠というものがある。いずれもメダルの狙える実力者ぞろいの日本はすべて決戦からかといえばそうではない。
 女子は実績の積み重ねがあるので3名ともダイレクト・エントリー、つまり決戦からの出場である。
 だが、男子は違う!
    2名が決戦にダイレクト・エントリー、
    1名は予選からの出場が余儀なくされるのだ。

 だから、日本男子シングル代表3名(小塚崇彦、織田信成、髙橋大輔)は、1名のみ予選から出場することになる。
出場選手については2月19日の四大陸選手権が終了した後の
ワールドスタンディングWorld Standings(世界ランキング)<男子(3シーズンの試合での結果によって決定される(今シーズン・先シーズンは100%、先々シーズンは70%換算)。
    
 つまり、2月19日、今夜の競技の結果を含めて世界順位が決まり、3人の中で最も低いものは予選参加となるのだ。

 ◆ちなみに、2011.02.14現在の男子ワールドスタンディングを見ると、
1.エヴァン・ライサチェク  2.パトリック・チャン  3.織田信成    4.トマシュ   5.高橋大輔
6.S.コンテスティ  7.M.ブレジナ   8.J.アボット     9.B.ジュベール   10.小塚崇彦
となっている。ただし、これは進行中の評価であり、シーズンが終わらないと最終的に比べることはできない。

≪2/20追記≫     
2011.02.20現在のワールドスタンディング(3年間の実績による順位)が先ほど発表になった。

1.高橋大輔        日本    4158点
2.エヴァン・ライサチェク アメリカ   3694点
3.パトリック・チャン   カナダ     3684点
4.織田信成        日本      3635点
5.トマス・ヴェルネル  チェコ       3617点
6.J.アボット       アメリカ       3370点
7.S.コンテスティ    イタリア        3131点
8.M.ブレジナ      チェコ          3103点
9.小塚崇彦        日本           3098点
10.B.ジュベール     フランス         2992点

☆さらに3月の世界選手権での実績が加算されて最終的な順位になる。
   高橋が群を抜いていることがわかる。
   しかし、3年間の成績からなる点数なのだが、先々年は高橋は十字靱帯断裂の大けがでまったく出場していないので0点、ライサチェクも今シーズンは休養して何も出場しないときなので0点、つまり、1・2位の二人は2年分の成績でこれだけなのでやはり他を圧倒していることがわかる。
 (もっとこのような点を見て喜んでいるのはコーチとファンであって、当の高橋は次のことを始めるともう前のことは点数も含めて忘れてしまっているようだ。)

 なお、これらの表を見るときは表の最下部に何日現在の統計であるかがきちんと記載されているので、それを見て新しい順位かどうかご判断を!3月下旬に出る結果が最終的なワールドスタンディングになる。
 今回の数字が直接関係するのは、日本の3人の男子シングル選手がどういう出場の仕方になるかであった。出場予定選手のうち、上位2名、すなわち
1位 高橋・・・ダイレクト・エントリー
4位 織田・・・ダイレクト・エントリー
9位 小塚・・・予選からの出場となる。

         実力者なので予選は楽勝だろうから問題はないが、つくづく日本ならではのハイレベルな枠取りであった。

 *かなり、自分自身の趣味分野のまとめ記事になってしまったが、フィギュアスケート界が、世界がうらやむほど充実してきていることをお知らせしていきたいと思っている。

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by miriyun | 2011-02-19 15:36 | Comments(2)

荒川静香という人物、高橋大輔という人物・・・フレンズオンアイスを通して

 ときおりイスラーム地域というテーマからは離れるが、紹介したい人物像を語りたくなる。
 きょうは、8月末に横浜で行なわれたのに見ることができなかったフレンズ・オン・アイスの放映があった。待ちに待ったという感じで楽しみにしていた。

  見ていて思ったのは、日本のフィギュアスケート界には日本の人物像として紹介するにふさわしい人物がいるということだった。急遽、ここにのせてみる。


荒川静香という人 
 かって、日本の中でナンバー1、世界でも有数のスケーターになった人は数多くいる。それぞれ実況解説やコーチとして活躍されている。解説のうまいへたはあるが日本のフィギュアを世界的レベルに牽引していったその存在が懐かしくあった。

 トリノオリンピック女子シングル金メダリスト・・・荒川静香も念願のプロ転向、アイスショーの世界に足を踏み入れ、華やかに成功していることが伝えられてきた。またオリンピックを初めフィギュアの大会では名解説者として言葉に無駄のない明快な解説で好評だ。

 しかし、それだけではなかった。フレンズオンアイスを企画運営するプロデューサーとしての彼女をはじめてみた。彼女のプロ意識、徹底してファンに喜ばれる演出を考え、実行する。
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                                        ↑ シルエットの高橋大輔
 例えば、オープニングでメダリストたちが紗幕のなかにいて、シルエットからまずは観客にワクワクさせる演出も考えた。

 荒川静香はプロデュースのほうに回ってしまって、動くほうは現役の選手達のあとおし程度かと思いきや、
・・・・・・・・・・・・・・・・ちがった!!
 その体の線を見るとわかる。解説者として地味なワンピースとカーディガンで立っているだけでも、なんて美しくなったのだろうといつも思っていた。
 しかし、このアイスショーで見た彼女の身体は現役のスケーターそのもの、金メダリストをさらに昇華させるとここまで美しくなるのか・・・というようなスケートの女神のように見えたのだった。現役を引退したからといって、プロデューサーをやっているからといって余分な脂肪の一片さえ身につけなかった。ジャンプのための筋肉の一筋も衰えさせなかった。トリノのときと同じよう、いやそのときよりももっと内側から光り輝いていた。それこそ、プルシェンコやランビエールのようにオリンピックにだって戻れそうなくらいだ。
 会場確保、チケット、音響、照明、衣装、ありとあらゆるものをスタッフとともに手配し、全体像をまとめていくプロデュサーであることを理由にせず、今でも週に5日は現役選手のようにスケート場に立ち練習しているという。高橋に1曲の構想と振付を任し、そういう体験をすることが将来につながっていくという大事な経験をさせていく。
 そして、彼女は昔の自分を見るのではなく今の荒川静香を見てほしいという。
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 そんな彼女の身体からは鍛えたスケートによる自信に裏打ちされた美が、
            顔からは気品と知性がにじみ出ていた。
      
                 素晴らしい日本人を発見という想いだった!


進化し続ける高橋大輔 

 その慧眼で高橋を見出し、やさしく厳しく見つめ続け、大輔という人物を世界に押し出してくれた歌子コーチがいること。
 アクティブで、広く見つめ平常心で戦い後進を育てることを身をもって教えてくれている荒川静香が姉のように身近にいること。

 この二人は高橋大輔にとって、とても大きな精神的な影響をもたらしている。そして、彼自身のほかの番組でのトーク、歌舞伎役者や水泳の金メダリストであったり、スマップであったりするが、いずれも気負わない大ちゃんトークがでていて、この人の人柄そのもので話していてその素直さが人をひきつけるのだろうなと思った。やさしい大ちゃんである。
 むろん、演技中はその曲想に入り込み、顔も目も指先もオーラを放つばかりに曲を表現する。時には男っぽく、ときにはあまやかに時には泣きたいほどに表現する。
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 こんな高橋だが、今回のアイスショーで6人のスケーターたちのヒップホップを含む曲を企画し、ともに踊った。
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                               ↑ 日本TV、フレンズオンアイスを撮影して引用
荒川に指示され始めて取り組んだがいい経験でたいへんだが楽しかったという。選手としてきりきり舞いするのではなく人としてスケーターとして自然に幅を広げていく。いいことだ!
 
 さて、今シーズンのショートプログラムを発表するというので注目された。振付ができて2週間でもう観客の前で発表するのだという。
 マンボのハッ、ウッ!!という声にあわせての動きは小気味いい。
 完成されたeyeを何度も見たあとなので、まだまだという気はするが、ひとつの振付をそのままにしないで踊りやすく表現を高めて変化させていくのが高橋流なのでこれからこれがどのようになっていくのかが楽しみだ。
 今回は単純な赤の衣装であったが、選手権に向けては自分で最もふさわしい衣装に替えていくはずである。そして今でももちろん人よりも切れがよいが、それ以上に音にスパッと合った切れ味を出してくるものと想像される。
                                    
 長々と書いてしまったが、いろいろなアスリートが活躍する中で、今フィギュアスケートは世界に冠するトップスケーター・クリエイターがひしめいている。日本が世界に誇っていい人材に注目していきたい。

     
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by miriyun | 2010-09-25 15:28 | Comments(4)

高橋大輔・・・振付決まった!

 ラテンでいくぞ!

 フィギュアスケート、高橋大輔選手の今期のプログラムが、北海道の合宿所で発表された。
小気味よい動きとラテンのリズムで絶賛された『eye』につづいて、今期もラテンで行うと言う。

 振付を誰にするか、コーチを誰にするかはどの選手も大きなことで、これがうまくいくかは選手にとって大きなかけになる。
 しかし、フリーについては全開のラ・ストラーダ(道)で、絶賛されたカメレンゴ氏である。モロゾフコーチがライバルである織田のコーチを引き受けたということで、高橋選手はコーチを変えたのだが、カメレンゴ氏にかえるについては、不安はなかったという。もともと彼に頼もうという気は何年か前からあったようだ。そして、ラ・ストラーダ(道)で、絶賛されたカメレンゴ氏である。次回作に当然期待は高まる。
 何の曲なのか、気になるところだが、これからのアイスショーで順次紹介されていくようだ。チケットはますます手に入りにくくなりそうだ。

 ランビエール振付の難曲のクラシックもあるが、のりのよさからショートはシェイ・リーン・ボーン氏振り付けのマンボ・サンバなどをミックスしたラテン系を選んだ。


どこでどの曲を高橋風にしっかりとものにして発表されるにしろ、高橋大輔自身が、これらの曲がいずれもよいプログラムであるといっているので期待が高まる。
 バンクーバーオリンピックとトリノの世界選手権であれだけの表現ができることをみせた高橋であるから、振付のほうも飛びっきり難しいようだ。
 振付師は常に何人かの有力な選手に振付をしているようだが、同じ時期に同じように振付料を払ったとしても、同じだけの振付はできない。振付師にとっては素材が野草か、薔薇か、ランなのか見極めなければならない。あるいはライオンなのかガゼルなのか、はたまたウサギなのかを知って、その能力に応じた振付をするのだ。どんな素晴らしい振付もそれをこなす能力を持たなければ意味がない。


 今の高橋にはランビエールがそうした様にだまっていても振付師がやってくる。希望すれば相手もすぐに返事をしてくれる。高橋という世界的に認められた素材をつかって振付師のほうも自己表現が完成するのだ。だから、同じように振付を頼んでも決して同じようにはならないし、難易度については選手次第ということになる。高橋はもう4回転フリップかルッツで挑戦していくということなので、振付師にとっては自分でも作りはしても実現できなかったようなプログラムを高橋につくることができるのだ。
 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 エピソード集*長光コーチ
 
15歳で日本男子初めてジュニア世界1になった。若手の選手育成に定評のある長光歌子コーチが彼を初めて見出したときの印象。

 すごい子だ。スケートやジャンプが上手な子はたくさんいる。しかし、曲が体の中から聞こえてくるようなのは大輔がはじめてだったという。

 ごく若いころの映像を見ただけでは私などではそこまでわからないが、そのまだまだわからないようなころに見出していくのがコーチの慧眼というものなのだろう。
 長光コーチは才能を次々と引き出していき、関西大学に入ってからはコーチの家に泊めた。けんかはするけど基本はすごくやさしい。そういうコーチとやってきて2007年には世界選手権でとうとう銀メダルを手にした。

しかし、のちに高橋は行っているが、一つの大きな大会を終えるとドーンと落ち込んで立ち上がれない。
特にこの選手権でメダルを取ってから目標を見失いかけている。モチベーションが上らない。そういう状態に長光コーチは気づいていた。そうしたときにトリプルアクセルでおりたったときに靭帯を痛めた。右ひざの前十時靭帯の断裂。MRIで全く写らないほど・・・。


京都病院の原邦夫医師は靭帯をいためたスポーツ選手を数多く見てきたが、フィギュアスケート選手は初めて、彼の場合はやってみないとわからないということはあった。

 長光コーチはやらなければだめな手術であるなら一刻も早く手術して少しでもリハビリを早く始めたほうがいいと考えた。
 そして、さらに、「このシーズンは休めということだったのだ」と捉え、極めて前向きに考えていった。選手生命が~、とか、フィギュアの選手の身体にメスを入れることについてなど本人も日とも不安を持つ中、長光コーチは常にからっとして前向き姿勢だった。

手術後、苦しいリハビリの日々。ひざのぐあいをみながら落ちた筋肉を取り戻す。
 あまりのリハビリの苦しさに失踪してしまった事もある。(このとき高橋は東京にいたらしいということを某TV番組で最近言っていた)、かれが帰ってきたとき、長光コーチは「ガンバレ」とは言わなかった。無理を言うことなく受け入れたのだ。「やめていいんだよ、あとは何とかするから」
  実は、このように落ち込みきってしまった人に「ガンバレ」は禁句だという。
高橋もここでがんばれといわれず、やめていいんだよといわれたことで素の自分に戻って自分を見直し、やはりスケートが好きだと感じ、もう一度立ち上がることになっていったという。
 同じ怪我をしないよう肉体改造に取り組む。また、体が固いこともわかり、股関節や足首など股関節の柔軟性を高めるメニューは5ヶ月以上続いた。担当医師は、「半年間、氷上でないところで地道な土台づくりをし、その土台を支えにしていってもらえれば治療した甲斐がある。」という。
 ケガをチャンスといいつつ不安をぬぐえない・・・
2009年4月、半年振りの氷の上で練習再開。思った以上に滑りやすい以前より肉体改造の成果でこおりをしっかりとらえることができるようになった。股関節の可動域が大きくなったのでステップもしやすくなった。
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 試合初めの固い握手も、試合後のキス&クライでコーチとともに座り、そこでの信頼し、安心している様子、また近眼で得点が見えないのに目を凝らしている大輔に点数を教えるのも歌子コーチだ。
 この信頼関係あればこそ、また、それぞれの専門の人材をあつめ、最初ばらばらだったチーム高橋をまとめていったこのコーチなくしては、高橋のここまでの成長はなかったかもしれない。


 エピソード*振付師と高橋   
 
◆カメレンゴ氏
昨年2009年の7月。カメレンゴ氏は不安を持ちながら高橋選手とデトロイトであった。
2008年のケガの前にすでに振付けられていた『道』。このときすでにカメレンゴ氏は高橋の振付の覚えの早さに驚いたというが、残念ながらこのプログラムは高橋のケガによって一度も日の目を見ていなかった。
いまは世界の共通の認識で名プログラムとされる『道』も、高橋の回復がおぼつかなければお蔵入りになってしまった可能性があるのだ。
 さて、このときイタリア人振付師パスカーレ・カメレンゴ氏は「彼がケガをする前の状態に戻っていてほしいと願っていたが、じっさい見るまではどういう状態かわからなかったのでとても気がかりで不安だったという。

 しかし、このデトロイトでカメレンゴ氏は高橋のすべりのよさにびっくりした。回復振りを確認したカメレンゴ氏はケガのため一度も披露できなかったフリーの演技に磨きをかけることにした。
 
 下半身の柔軟性が増した増した高橋にあわせて、プログラムは以前より難しい内容に変えた。ステップ・・・異なるターンやステップの種類を増やしスピードアップした。高得点になるれレベル4を獲得できる内容にしていった、スピンも柔軟性が増したことによりこれまでできなかった体制が取れるようになりより高度にした。ただ回っていたプログラム中ごろのスピン。時間的にも長くし、また泣くようなしぐさを入れて変化させていった。
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それらの成果が2010年の2月のオリンピック銅メダル・3月の世界選手権金メダルとなって現れたのだ。


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                                ↑写真は3枚ともいずれもTVを撮影して引用
これは『 道 』 の中のワンショット。
これだけでどの場面でのステップかわかる方もおられるのではないだろうか。
いくつかTVそのものから写真におさめてみたが、今それを取り出してみると、そのワンショットごとに音楽が聞こえて次の動きが見えてくる。それが、音と一体化してくる演技というものなのかもしれない。


 勇気を持って飛び、この間までライバルだった人物からも学ぶなど、自分の表現したいものを幅広く求める高橋、振付師は自分の振付を生かし表現していく人材を求め、その求めあいが、高橋のところで形を成している。
 日本人、いや欧米人以外が世界選手権男子で初めて最高峰にたった。その喜びと満足感で停滞することなく、次々と可能性を広げている。そんな存在がどれだけ人々に勇気を与えていることか。そういう人材、まれに見るアーティストをこれからも応援していきたい。

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by miriyun | 2010-08-22 15:37 | Comments(4)

高橋大輔・・・ランビエール振付*『アメリ』

 高橋大輔の新境地

ランビエールの振付!?
ついこの間まで競っていた選手同士であったステファン・ランビエールが引退して振付する。

ランビエールは4月に日本のアイスショーのために来たときに、高橋に「何か手伝えることがあったら言ってくれ」というようなことをいっていて、それに対してのちに高橋が応えてスイスにいって振付けてもらったらしい。スイスのフィギュアを伝える新聞で二人がにこやかに並んで振りを写していく姿が取り上げられていた。このふり、大輔はたった2日で覚えてしまったので、エキシビジョンの作品もこの後やってみたということである。
 高橋らしい前向きな姿勢で、かっての競争相手からも学ぶ。そしてランビエールのスピン、高橋とは異なる音の捉え方など大いに学び表現の幅を次々と広げていくのだ。

驚きのニュースであったが、その後、 Dreams on Ice 2010(6.25~27)でお披露目されたプログラム『アメリ』をみていて、あまりにもランビエール色が強いことに驚いた。

 これをいかに高橋大輔風にアレンジしていくのかはこれから何ヶ月も駆けてやっていくのだろうと思っていた。そしたらなんとすぐに変更版が出ていた。




表現力の高橋大輔、
   カメレンゴ氏が『道』を振付けたときも、高橋の振付の覚えの速さと表現の力に驚嘆していた。やはり、振りを覚え、自分らしさを曲想に合わせて刻々と変化させていくところが圧倒的なところなのだろう。かの名プログラムといわれた『eye』も演ずるごとに踊りやすく変化をさせていっている。
 『アメリ』の映画音楽はオリンピックでも下位の選手が二人連続で使っていた。映画そのものはどんなものか知らないのだが、今回のをはじめてみたときは、比較的おとなしめなこの曲で精神性を表していくのだろうとは思いつつ、これでは勝てないのではないかと危惧した。(あとで、Ex用だとわかったので、勝敗は関係ないようだ)

 でもこの進化、やはり表現の天才だと思った。
     これからが楽しみだ。

◆なお、新シーズンに向けて振付をしているところだがショートはランビエール振付とシェイ・リーン・ボーンの振付のと2つを用意する予定だという。試合によって使い分けていくようだ。
 そして、フリーは『道』を振付けたパスカーレ・カメレンゴ氏による振付が行なわれている。

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by miriyun | 2010-07-23 06:12 | Comments(2)

高橋大輔・・・世界に認められたるもの

 芸術・技術について書いているうちに以前より何かに敏感になってきている。
イスラームに限らず、日本に限らず、いいものを見ることが増えてきた。

1.怪我を乗り越えて・・・高橋大輔     
 もともとフィギュアスケートを見るのは楽しかったが、ことに2月のバンクーバーと3月の世界選手権ほど心を捉えたものはなかった。
 2008年に高橋選手は右膝の前十字靭帯断裂と内側半月板損傷という大ケガをし、選手生命が危ぶまれた。それを乗り越えての高橋選手のオリンピックと世界選手権でのすべりと芸術性、あくまで4回転に挑戦していった勇気を見るに及んで、これまでにないほどの高まる気持ちと、偉大な日本人が現れたことに対して心から賞賛したくなったのだ。


◆2010世界選手権 フリープログラム・・・高橋大輔 『道』  イタリア版日本語字幕つき
 今回ほどyou tubeがありがたかったことはない。
誰かが外国版をアップし、誰かが翻訳をつけてくれている。感謝である。


このプログラムを前にするとライサチェクやプルシェンコがいないことを忘れてしまう。
☆技術を磨きつつ、観客と感情を一体化する・・・これがフィギュアスケートです!
(得点が出る前に)
「日本人が優勝する瞬間です!」   (以上、イタリアのアナウンサー・解説者の語句より)

他国のTVは観客席の音を絞っていないのか、会場の盛り上がりがよく伝わってくる。そして、よいものはよいと絶賛しているのだった。

 俳優にも歌手にも、スポーツ選手にも入れ込むことはなかった自分なのに、フィギュアについてはこの2月から6月にならんとする今日までいまだ感動覚めやらぬものが続いている。


2.道
私は、むかしから音楽だけでは何かを感じることが苦手な完全なビジュアル人間だった。
おそらく、ニーノ・ロータのラ・ストラーダ(道)だけを聞いても、ちょっと寂しくてきれいな曲だとは思ってもその曲が印象深く残ることもないだろう。
 しかし、画像・映像などビジュアルなものと一緒になったときは、音楽は私にとってもぐっと身近なものになる。

◆ニーノ・ロータの曲も映画も知らなかったが、今回あまりにも素晴らしいプログラムを見たためにその曲を聞くとそれにあわせて高橋大輔のプログラム『道』の場面ごとの動きが脳裏に再現されるようになった。

 ついにはガマンできなくなって、レンタルショップに行って映画『ラ・ストラーダ(道)』を借りてきた。なんとも古いモノクロ映画であるのに、借り手が多くて、さがしに行ってから二週間待ってしまった。
 貧しいイタリア農民の娘が旅回り芸人に買われて、芸人兼女房としていくが、その娘の貧しさ・純真さが胸を打つ。旅回りサーカス団にも入り、綱渡りの若者との確執もある中で、芸人はその娘を捨てていく、のちに死んでしまった娘を思って慟哭する芸人・・・という現代の映画に比べればシンプルそのものの内容なのだが、ニーノ・ロータ作曲のジェルソミーナの曲が全編を貫いて哀愁漂うものだ。
 粗野な芸人をアンソニー・クイン(アラビアのロレンスのアウダ・アブ・タイ役をしていた俳優。粗野な感じを出すことでは天下一品)が演じていた。粗野な人間だけに最後の慟哭がものをいう。    
 フェデリコ・フェリーニ監督のこの映画は、戦後間もない日本で、一からげにもってこられたイタリア映画のひとつでしかなかったのに、敗戦・貧しさ・身売りなどの背景を持つ日本人の心にもこの曲が染み渡ったようで大きなヒットになったという。
 もちろん、この曲はイタリア人の心はもちろん、当時の多くの国の人々の心に残った。

 ニーノ・ロータはイタリアきっての作曲家であり、尊敬される音楽家であるので、この人の曲は世界選手権で、他の選手も使っている。使うのはどの選手でもできるが、どこまで表現できるかだ。

 素晴らしい曲はどの選手だって使っている。技術は皆が得意とするものを持っている。プルシェンコの4回転で8年間転んだことがないというのはもう超人の域だ。ランビエールの50秒にも及ぶスピンはスピンの王者としての風格と美しさがある。ドイツ人の選手は4回転ー3回転ー3回転というすごいコンビネーションを跳んだ。小塚も4回転をクリアした。

 しかし、曲とは関係なしにひたすらスピードをつけて回ったり助走ばかりが長かったりすると、せっかくの曲も技術も一体化されずにギクシャクして終わってしまう。
 技術はあるんだけど、4分半、あきるなあ~、とかすごいけどあまり印象が残らないというばあいだ。それはなぜだろうか。規定の技術で滑るのがせいいっぱいで、表現までたどり着けないのだ。さすがにどの大会でも最終グループくらいになると表現力に磨きがかかっていて、個性もあって素晴らしい。が、どこまで観客と一体化できるかというと、やはり音楽性が生きてくるかどうかということだろう。

 高橋大輔は表情が曲想にあわせてつぎつぎと変わる。手は指先までもやわらかく動き、それとともに足は複雑なステップを踏む。
 会場もTV視聴者もyou tube視聴者も、
『 eye 』のラテンのリズムと情熱あふれる全身の動きときれのよさににしびれ、
『 道 』では映画を知っている人も知らない人もその情感豊かな世界へのいつの間にか入り込み一言もしゃべらず見入ってしまう。
 怪我をして、手術にリハビリをしている間にも刻々とオリンピックは近づき、つらい月日をただスケートへの思いをためにためて耐えた。それをスケートを滑る喜びとして開放していった。
 それが演技としての表情に加えてスケートを滑る喜びをこめたその表情となり、これによってなおさら観客は高橋と一体化していった。


3.賞賛は国を越えて

 残念ながら、今回は某テレビ局が放送権をもっていたが最後のせっかくのメダル表彰式を写さなかったし、男女とも日本人が金メダルを取ったと言うのにエキシビジョンは放映しない(衛星放送ではあったかもしれないが)し、満足の行くものではなかった。
 インタビューはどの局も同じようなことを繰り返し聞いていたが、イタリアのプリマヴェーラで、日本の応援団が垂れ幕や日の丸を持って応援しているのは当たり前だが、それ以外の観客や世界の国の放送が何をいっているのかということは全く伝えていなかった。

◆◆◆ そこで、スポーツで、競技であるとはいえ、この芸術姓は他の国の国民や解説者にも理解されているのだろうか、それとも日本人だけがいいと思っていて、他の国は冷ややかなのか・・・
 そこに焦点を置いて、4月からyou tubeを調べ始めたのだった。

その結果のうち、日本語訳がついたものだけをお伝えしたい。淡々と語っているだけのように感じたが、訳がついてみると全く想像以上のことをいっていたのだとわかったのだ。

◆スペイン版 ショートプログラム 『 eye 』


いや~!スペインの解説者の言葉、味わってください!
なお、演技終了後の部分的繰り返し映像の中で、歌子コーチの前を通り過ぎる直前の足元のアップをみると、なんとフィギュアスケート靴のつま先だけでステップしているのが写った。トゥシューズでおどるバレリーナを見るようだ。  

 『 eye 』は、宮本賢治振り付け、曲は世界的アコーディオン奏者kobaによるもので、ほとんど外国の有名振付師を使うことの多いフィギュアスケート界で珍しく純日本製の、しかも名プログラム!高橋の音楽の捉え身体の切れのよさが生かされている。

なお、高橋はこのショートを演ずる時にひげを伸ばしている。大人の男っぽさをあらわし、粋で印象的な衣装も実によく似合う。髪型も大人になった。(以前は今に比べるとちょっとやぼったかった)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そして、『 道 』では、曲想に合わせて、サーカスのピエロをイメージする衣装、柔らかでやさしくって、ちょっと悲しい、そんなイメージにあわせてひげもそっている。やるねぇ、大ちゃん!

◎上のイタリア版とあわせて,『道』は3ヶ国を載せるので、
お時間のある方は解説の比較をどうぞ!

◆スペイン版  『 道 』



静かで、低い声でジャンプの解説をしていたスペイン版、途中から何も言わなくなってしまった。
最後のほうでこういった。
 「ただ、だまって見惚れてしまったわ!」(スペイン解説者)・・・:わっ!なんて、正直!(miriyun)



◆ロシア版  『 道 』

(演技終了したとたんに、)
新しい世界チャンピオンです!
 100回目の世界選手権で新たなナンバー1スケーターが誕生しました。
  その名は高橋大輔!
~~~~ 高橋大輔こそが最も強く優勝するにふさわしかったことに疑問を持つ人はいないでしょう!
                                   ( ロシアのアナウンサーor解説者)

 
4.高橋大輔のスケート技術と音楽性    

 あるコリオグラファー(振付師)はいう。
高橋大輔は打楽器の音さえひろって表現する。ピアノの曲ならピアノらしく表現するスケーターだと。

         <追記>
               歌子先生が「この子は音楽の強弱の表現が自然に出来る子でフォルテの時は強く、
               ピアニシモの時は弱くすべる事が出来ます、
               これは教えてできるものではありません、天性のものです。」
               と語っておられた。
               (えるだおばばさまのコメントより追記させていただきました。ありがとうございます!)

そうやって見ていると、外国TVの解説者も全ての音を高橋は表現していると語っていた。
また、世界の人々は、何で日本人である高橋がラテンをあんなふうに踊れるのか(ショートプログラムのeyeのこと)と首を傾げたという。

彼はクラシックはもちろん、ヒップホップさえもスケートで踊ってきた。ありえないようなリズムをスケートで踏むのを人々は信じれないような気持ちで見つめた。大陸選手権ではフリーで2回も4回転ジャンプを成功させて、世界の中の最高得点記録をいまだ保持している。

 そして、今回の世界選手権での世界の評価は?と気になったのだが、イタリア・スペイン・ロシアの放送の様子を知ることができ、ほんとうに高橋大輔は世界ナンバー1だと名実ともに認められているのだとわかった。
 スケートが盛んでない国に在住の方にも見ていただけたら嬉しい。

 世界選手権は今年100回目の大会であった。第100回世界選手権の勝者が初めてヨーロッパ人でなく日本人になった記念すべき大会になった。
 政治・経済であまりにも寂しい話題ばかりの昨今の日本である。
この中で怪我の回復を待って、半回転さえ怖いという昨年の春からの練習を初め、世界への挑戦を雄々しく戦い、優雅に舞った。まだ、手術で入れたボルトが膝にある状態で(何ということだ!)。
 今後は、高橋のようなステップのすべりを世界中が目指してくるだろう。追われる立場になるのだが、しかし、高橋はまだ、これからもさらなる音楽を全身で表現していってほしいものだ。
 
 彼は、単なる選手という言葉ではあらわせない。
 まれに見る天性の感覚を持ったスケートと音楽の表現者だ。

 そして飽きることなく毎日でもその演技を見て心から日本人はここまできたのかとため息をついて一日を終える。そんな一服の紅茶を楽しむかのように深夜に高橋の演技を楽しんでいる。


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by miriyun | 2010-05-30 12:14 | 日本 | Comments(16)