タグ:ろうそく・蜜蝋 ( 2 ) タグの人気記事

蝋の話(2)蜜蝋の色と使い道

1.蜜蝋は食用になる
c0067690_141037.jpg

       ↑トルコのコムハニー(以前の記事で既出)

 日本ではハチミツというと、ハチの運んだ花の蜜を純粋に絞り出したものを言うが、中東や欧州などではハチの巣の六角形につくりあげた小部屋ごと、切り分けて売っていてコムハニーという。
蜜蝋(ビーワックス)は確かに蝋であるが、唯一の食蝋とも言われ、普通に食用となるものだ。

 実際、中東各地で見てきたハチミツ専門店ではこうしたコムハニーばかりを見てきた。もちろん普通の瓶入りもあるが、レストランでもこのように丸ごと出されていると、もはやこれが普通と考えてしまうので、やはり人の食に対しての順応性は高いと思う。

 
2.使い道
ハチミツが、ハチの種が違い、更に採取してくる花の種類が異なることで香りも色も異なるように、蜜蝋も色が異なる。
 鮮やかな黄色をしたものから黒っぽい色のまでいろいろあるそうだ。その色の違いを利用して、いろいろな色のろうそくやピサンキ【イースターの卵をデザインに凝ってえがいたもの)と呼ばれる卵の模様づけまでしているという。
 ブロガーの先輩の「いち子ばーばのお針箱Ⅱ」のなかに、蜜蝋の使い方と色の違いをピサンキに使った例を載せてくださっているのでご覧ください。 
               ⇒   『蜜蝋色々』
  

◆ろうそく屋さんの蜜蝋
c0067690_1410549.jpg

一辺が40cmほどの立方体に固められた蜜蝋。

 ろうそく・クレヨンやワックス(大事な家具などに塗る高級ワックス)、化粧品(とくに口紅)使われているので、私たちはふだん意識はしていないが、いつの間にか蜜蝋にふれている可能性がある。
 ハチには、ハチミツ以外にもロイヤルゼリーや蜜蝋などいろいろお世話になっているものだ。

 口に入れるためのものを取るので、こういう蜜蝋やハチミツをとるときには巣箱をあけたときに、燻煙器で煙を一気に吹き込んで、ミツバチをおとなしくさせて取るのだ。

 そうでないと、ハチミツも蜜蝋・ロイヤルゼリーもみんな安全とは言えないものになってしまう。

3、ハチの子
 蝋の話からは外れるが、燻煙器のことを書いていて、突然思い出したことがある。

 以前に知人の家でこれまでになくハチがたくさん飛んでくるという話が出た。次々と飛んでくるのが目に入る。そうしているうちに知人は軒下のハチの巣ができていることに気付く。大慌てでビニール袋と何かの煙(タバコだったのか、木を燃やしたのか今となっては記憶がない)と殺虫剤を持ってきてハチを袋に追い込んで退治してハチの巣を軒下から取った。

 そのあとどうしようかということになったが、中にはハチの子が見える。ハチミツは搾り取れるほどではない。だが、もう一人の知人が、ハチの子はおいしいんだからと取り出して巣の内側のハチの子を蜜蝋ごと取り出してフライパンで炒めはじめた。

 初めてそんな様子を見て目を丸くしていたが、すっかり火が通って、どうぞと差し出された。ハチミツ漬けだから当然甘く、過熱しているから食べやすい動物性蛋白質という感じで躊躇なく食べたという思いでがある。

 煙と殺虫剤を併用していたが、どの程度殺虫剤が巣の本体に使われていいたのかはわからない。まあ、とくに身体の異常なく淡白な食品として食べたので、殺虫剤は袋の中に追い込んだハチ退治のほうに主に使ったのだろうと思うことにした。

                                          
人気ブログランキング
by miriyun | 2017-08-17 15:05 | Comments(1)

蝋の話(1)王家の封蝋

1.蜜蝋とは・・
 ろうそくは世界中誰でも知っているものだが、最初に使われたのは蜜蝋(みつろう)、ハチの巣の枠組みを作っているのは働きバチの蝋分泌腺から分泌される蝋成分であり、それを煮溶かせば蜜蝋となる。
 世界で最初のろうそくは蜜蝋であったが、何しろハチのつくるものであるから手に入れにくいものであった。
 融点は摂氏62ないし65度なので、純粋な蜜蝋は溶けやすい。

2.シーリングワックスとしての使われ方
今、CS 銀河チャンネルで放映されている「オスマン帝国外伝」の中から例を見てみよう。

c0067690_9523257.jpg

第一宰相の机に置かれているものに注目した。
この左端のろうそく。物流の拠点を抑えていたオスマン帝国であるので、インドを中心として蜜蝋の産地からの流入はゆたかにあっただろう。したがって、中世宮殿生活の必需品であるろうそくは当然蜜蝋と考えられる。

ドラマの中では、これらの道具の扱いは描かれていないので、この辺は推測を交えて。
ろうそくの裏に隠れている銅の壺とおそらくは長い柄の金属スプーン。
更にその手前の箱には何やら赤いものが置かれている。蜜蝋をスティック状に固めたシーリングワックスである。形ははっきりしないが、脇に蜜蝋を削るための道具が置かれている。

そのスプーンに蜜蝋でつくったシーリングワックスを削りいれ、それをろうそくの火であぶる。

ここからは「オスマン外伝」の中の画像を引用。
c0067690_9524038.jpg

削った蝋に火がつき、とろとろに溶けてくる。

c0067690_9524334.jpg

それを、印よりもやや大きいくらいに手紙の上にこぼす。

c0067690_9524599.jpg

蜜蝋がやわらかいうちに、刻印を押し当て手紙の中での自分の身分と名前の証明とする。

そして、他人に開けて見られないための封蝋としても使われ、羊皮紙や紙を丸めてひもで結び、その上に封蝋として同じように印を押した。
 当時の手紙は王や貴族が自分の家令を用いて、相手まで手紙を届ける仕組みだが、途中で開けられたらすぐにわかるように封蝋をしたのだ。

 以前に古代文字のところで紹介した
粘土の封筒 
印章の使い方
に記したが、メソポタミア文明において、楔形文字の印章を粘土板の手紙に押して壊さないと見られないように工夫したのと同じしくみである。

 素材が粘土板から紙や羊皮紙になり、
  粘土の上に刻印する代わりに溶かした蜜蝋の上に刻印することにしたのだった。

それにしても、今歴史物を扱うチャンネルが増えて、「オスマン外伝」「クイーン・メアリ」「ヴィクトリア」など、その中に出てくる日常生活で使われていたものがとても興味深い。
   
                                          
人気ブログランキング
by miriyun | 2017-08-12 10:36 | Comments(5)