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サナアのミナレット

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世界には多彩なモスクがあり、ミナレットの形はさらに様々と言える。
 このイエメンのサナアには日干しレンガ造りのおとぎの国のような街の中でもひときわくっきりと目立つミナレットがある。

 まず、建築の基礎は石であり、その上に日干しレンガが積み重なる。四角形を土台として四角推型にカーブがある。
 その上に12面に分かれた円柱が二段がまえで積み重なり、その上にバルコニー、最後に6面に別れた円柱様式、屋根上とデザインの要所は白の漆喰が使われてきりっとした姿を見せると共に、防水が行われている。
 
 イスラーム建築物として
     デザインと材料とすべてに興味深い塔である。

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by miriyun | 2008-03-31 07:08 | イエメン | Comments(4)

『朝の星雲』 Blue Clouds of the Morning…アラビア書道

A Gallery of Arabic Calligraphic Works of Fuad Kouichi Honda
   ≪本田孝一氏Web作品展≫・・・ アラビア書道家・本田孝一氏の作品を紹介する特集
    
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Web作品No.13 
作品   『朝の星雲』
      Blue Clouds of the Morning

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・内容:『コーラン』 「ギリシャ人の章」48節~50節
 Holy Qur'an,Surah ar-Rum(The Romans) 48-50

 この章句は「神は雲を吹き上げ、風を送るお方。御心のままに天に雲を広げ、散らし給う」ではじまる。

・書体:ファーリシィー体(ナスタアリーク体)
・大きさ:縦110cm×横80cm 
・制作年:2002年
・材質/技法:(文字)レタリングゾル、(彩色)アクリル絵具
・所蔵:アジア文明博物館/シンガポール(Asian Civilizations Museum,Singapore)
・撮影:小松義夫

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 『朝の星雲』について

 『朝の星雲』の文字はナスタアリーク体であるだけに、たおやかにしなりながら、リズミカルに太く細く、時には髪の毛筋よりも細く・・・・変化し続ける。

 デザイン的特徴は、昨日から話題としているサバーフン・ヌールをそのまま視覚化したような朝の光である。 光のイメージのラインとそのラインと共にグラデーションとなった空間に清々しい空気が流れる。

48節の続きを見てみると・・・
・・・それから御心のままに天にそれを広げ,粉微塵にそれを打ち砕かれる。するとあなたは,その間から出て来る雨滴を見る。かれは,そのしもベの中,御心に適う者にそれを降らせられる。見るがいい。かれらの喜ぶ様子を。・・・と続く。(日本ムスリム情報事務所聖クルアーン30ビザンチン章より引用)

 *この作品は、作品『夜の星雲』のバリエーションであり、同じ章句を夜のイメージと朝のイメージとで書き分けたものである。アラビアの一日は日没に始まる。したがってこの作品も並べるとしたならば、夜の星雲・朝の星雲となる。
 ただし、『夜の星雲』は先月来アジア文明博物館の所蔵となったので、シンガポールでご覧いただきたい。

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by miriyun | 2008-03-30 12:34 | Fuad Kouichi Honda | Comments(2)

桜花満ち

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                                空を飾る花簪よ・・


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                  野にも山にも
                       そして街にも桜花満ちわたり
                             一気に春が飛び込んできた


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            薄紅のつぼみたちも朝の光をうけてひらきゆく
                     新しい一日がひらきゆく

             サバーフン・ヌール(光の朝よ)!

                            ・・・・サバーフルヘイル(おはようございます)への返事として使われる  
                 ずっと以前に習ったこの言葉、
                     何と素敵な挨拶だろうと思った
                     この朝日の中で、今鮮やかに思い出される

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by miriyun | 2008-03-29 07:46 | Comments(10)

ミフラーブのカリグラフィー…アヤソフィア

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 アヤソフィアはその後半生でモスクとして使われたため、キブラ位置が最初から計算されて作られていない。
 東向きの正教会のアプス中央(祭壇の置かれたところ)に対して、キブラはわずかに南東にずれている。そのため上のステンドグラス3面のうちこの写真に見えている青のステンドグラスが中央なのだがそれとずれているのが見て取れる。


 さて、このように後から付け加えられたミフラーブ(キブラ・・・メッカの方向をあらわすくぼみ)ではあるが、あと付けとはいえ、その祈りの中心部を見るとやはりくぼみとなってそこには何ら装飾はない。

 しかし、そのくぼみの周辺はそれぞれの地域の特色ある材料やデザインが用いられたりする。たいていまずコーランの言葉をあらわしたカリグラフィーが多く用いられる。



 ★☆カリグラフィーを読もう☆★ 
 
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◆まずは、横書きのカリグラフィー
前半:アッラーの他に神はなし、ムハンマドはアッラーの使徒である

後半:ワ アンナ アルマサジダ リッラーヒ ファラ  タドアウー マア アライヒ アハダン
  すべてマスジドはもともとアッラーのもの、さればここでアッラーと一緒に他の神をあがめてはならない。(アル・ジンの章)

 以上、この二つが、組み合わされていた。

◆そして気になっていたのは、このカリグラフィー
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 形の中に埋め込んだ文字は点の位置などが微妙だ。(短い文なのに語彙が少ない上にバイトゥの点の位置に気付かなかった自分は、師の助言を得てようやく理解したのだった。)
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ワル ヤッタウワフービルバイティル・アティーキ

そして彼らにその古き家(カアバ神殿のこと)をタワーフ(廻ること)させなさい(巡礼章)

*こうして意味を知ってみるとミフラーブにはそれなりのふさわしい言葉を選んでいることがわかる。
 なお、一番下には書家のサインがあるが細かすぎて読み取れない。また、年号はヒジュラ暦で 1260年とある。西暦ならば1844年のことである。
 すると、このミフラーブを今の形にしたのはアブデュルメジド1世ということになる。
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そういえば、アヤソフィアの記念碑的に残されているモザイクのトゥーラは、アブデュルメジドと書かれていた。彼の時代に大がかりな修復が行われたということだろう。
 
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by miriyun | 2008-03-28 11:14 | カリグラフィーを読もう | Comments(4)

デーツ乾燥型&こってり型…ナツメヤシの話(5)

メソポタミア、アッシリアの頃から栽培されていたナツメヤシ、いわずと知れた重要な栽培植物である。コーラン(クルアーン)はもちろん、古くはギルガメシュ叙事詩のころから生命の木とされた。
 その実はタマル:アラビア語(デーツ:英語)というが、種類は何百種類もあるとされ、樹高だけ見ても、数mですぐ目の前にデーツがなっているのもあれば25mもあって写真を撮るにも高すぎて・・・という場合もあった。

 
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                            ↑イランのデーツ
さて、その実はカロリーが高く、ビタミンも豊富であり、しかも保存がきくので乾燥地帯では重要な食品である。乾燥させてこのようにコロコロ状態のものが多い。
 持ち歩いて保存食にしたり、お茶と共に一般的に食される。
 種をぬいてアーモンドやオレンジピールを入れたり、チョコレートがけして高級お菓子にもなる。もちろん加工品も多数ある。
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                          ↑サウジアラビアのデーツ
これは糖分が滲出し、蜜状になったコッテリ型。
 糖分が固まったところがまたおいしい。

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by miriyun | 2008-03-27 07:11 | 食べ物・飲み物 | Comments(10)

泉亭のレリーフ

 イェニ・ジャーミィが一番だといわれるものがある。

 それは各モスクの中庭に必ずある泉亭であるという。
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 モスクによってこのような泉亭であったり外壁にあったりするが何しろ礼拝には身を清めることが必要なのでこういった設備が備えられている。その泉亭なのだがどこがすばらしいというのか最初わからなかった。
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清めの場所なので近寄りにくい。遠くからしか撮れていないが石材に施したレリーフがなかなかいい。特にこの中央部の抽象的なつる草文様であるイスリミ文様がやわらかく彫られている。
 この文様はよくペルシア絨毯を飾る永遠をあらわす文様である。
これとそのほかの文様石材の使い方が優れているのだ。三百数十年を経て、汚れやサビなどの痛みが出てきているができた当時はさぞや美しかっただろう。

 大きい建物では壮大さに圧倒されて小さい装飾は見落としやすいということをつくづく感じたのだった。
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by miriyun | 2008-03-26 15:29 | トルコ | Comments(4)

イェニ・ジャーミィ夜景

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 ガラタ橋のすぐ目の前に見える二本の塔が屹立する堂々たるジャーミィでランドマーク的存在であり、また市民の生活に密着した身近なジャーミィとして存在しているのがイェニ・ジャーミィである。
 橋を渡ってくる車がたくさん往来する中、ライトアップされたイェニ・ジャーミィは威厳のある姿で浮かび上がる・

 イェニは乏しいトルコ語語彙しかない自分にも何とかわかる。「新しい」という意味なのだ。そのつもりで見たら想像よりもずっと重厚な建物であった。

 ◆ イェニ・ジャーミィの由来 
ここは実はけっこう歴史が古い。スレイマニエ・ジャーミィが完成した10年後の1567年、メフメット3世の母后サーフィエ・スルタン(ヴェニス出身、本名バフォ)が建築家タバート・アーに命じて建築が始まった。しかし、メフメット3世がなくなると母后も権力を失墜し、ジャーミィの建築も中断された。その後も資金繰りもできず56年間工事は中断を余儀なくされた。メフメット4世の代になってその母后トゥルハン・スルタンによって命じられ建築家ムスタファ・アーが1663年に完成させた。

 オスマン朝の建築は壮大な建築でありながらスィナンを筆頭に建築年数が短い。その中で100年近くかかって完成し、また着工も完成も母后(ヴァーリデ)が関係した珍しいジャーミィである。そこでモスク名としてはヴァーリデ・ジャーミィとなるべきなのだが、ウスキュダルに別のヴァーリデ・ジャーミィがあったために。「新しいほうの皇太后のモスク 」という意味で「イェニ・ヴァーリデ・ジャーミィ」といわれるようになり、そのうち略して「イェニ・ジャーミィ」と通称されるようになったということなのだ。
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 基本プランはスィナンがシェッザーデ・ジャーミィで使った4本の象の足と呼ばれる「太い柱と4つの半円ドームが中央ドームを支えるようになっている。古典的オスマン建築の最後の巨大建築であった。
 中央ドームの高さは36m、直径17.5m。 
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バザールの隣接地であり、交通の要地でもあるので、礼拝に来る人は絶えることがない。トルコのジャーミィは原則男女の礼拝場所を男性は前、女性は後の柱で隔てられたところというように場所が分けられている。
 一般の人にとっては前のほうに行きにくいので、入口のあたりでちょっと見学してすぐに退散してしまうことになる。細部の装飾も螺鈿細工が美しいはずだが、解説できるほどじっくり見れなかったので残念。

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 夜の古典的オスマン建築は重厚さが倍加する。
 この中庭の一番隅までで行っても 広角レンズ28mmに入りきらない。塔はほとんど入らない。

 また、この塔の周りを飛ぶ鳥たちの泣き声が大きく響いてくる。その割には姿は豆粒のようにしか見えないことでよりその壮大さを実感するのだった。

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by miriyun | 2008-03-25 23:48 | トルコ | Comments(0)

『聖四分円(1)』 The Sacred Quadrant[1]…アラビア書道

A Gallery of Arabic Calligraphic Works of Fuad Kouichi Honda
   ≪本田孝一氏Web作品展≫・・・ アラビア書道家・本田孝一氏の作品を紹介する特集

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Web作品No.12 
 『聖四分円(1)』 The Sacred Quadrant[1] 
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・内容:『コーラン』 「家畜の章」95節ー102節
 Holy Qur'an, Surah al-An'am(The Cattle)]95-102 
 『聖四分円(2)』 との連作。

・書体:ディーワーニー体
・大きさ:縦134cm×横119cm 
・制作年:2005年
・材質/技法:(文字)レタリングゾル、(彩色)アクリル絵具
・所蔵:2009年.イスラムアート美術館マレーシア((Islamic Art Museum Malaysia)
・撮影:小松義夫
* (転載等は固くお断りします)   
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『聖四分円(1)』について 
 四分円の中心からはじまり内側の円の中の円形のジャリーディーワーニー体のバスマラが最初の一文となる。「家畜の章」がその下から6行続いている。

 この作品は青のイメージなのだが、その青の中にかすかにピンク系の色が混ざり、それがより何種類かの青を美しく見せている。

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       黒の空間が
             青の四分円を浮き立たせ
                   その上にえがかれた黒の文字が、今、静かに語りだす・・・

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by miriyun | 2008-03-24 03:56 | Fuad Kouichi Honda | Comments(4)

漂白とナチュラル、選択の余地

◆食の安全が問われてからだいぶたつが、冷凍食品を中心にいまも大荒れ模様。そして食の世界は今後どうなっていくんだろう。

 スークを歩くとその国が見えてくる。食生活も見えてくる。だからスークを歩くのが好きだ。
そのなかで、ふと足を止めて見比べたものがある。

それはアンズ
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               ↑イスタンブル、エジプシャンバザール
 ドライフルーツとしてのアンズはオレンジ色や黄色が強い色である。ところがその右隣に同じように並べて値段も同じナチュラルなアンズが並ぶ。

 日本でもいぜんからドライフルーツは漂白しているからこういう色なのだといわれてきたが、そういう色のしか売っていないので誰もがそれを購入する。つまり選択の余地がないのだ。

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 しかしここでは2つ並んだ色や香りをチェックして目的に応じて購入すればいいのだ。つまり正しい情報提供をして、比較して、自分の使用目的に応じて消費者が選択する余地があるのだ。

たとえば、以前紹介したアンズの塔の色はジャムのようなオレンジ色ではない。だから自然色のまま使っているではないだろうか。切り刻んでお菓子に大量に入れたりするにもナチュラルがいい。

 逆に、ワンポイントのデザート飾りにするなら漂白のほうがいい。

こんな風に使い分ける知恵が消費者にもある。

 現在作られている多くの食品について、危険物質は行政的に確実に取り除いてもらいたい。それほど危険でないものについてはこのように正しい情報提示と選択できるようにしたほうがいいのではないかと、つくづく思ったのだった。

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by miriyun | 2008-03-22 11:20 | トルコ | Comments(6)

大天使ガブリエル…博物館としてのアヤソフィア(2)

 アヤソフィアの聖母子像の左右に天使像がある。そのうち右側に位置する大天使ガブリエールはイスラームにとっても馴染み深い。
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                 ↑聖母子像の右側に位置する。
 大天使ミカエルとガブリエルはロシア正教でも門の左右に描かれるなどよく対になって描かれる。そのどちらがガブリエルなのか混同されやすい。
 ミカエルは盾と剣をもつ守りの天使であり、、ガブリエルはそういう武器はもっていない。したがって、ここアヤソフィアでもアプスの聖母子像の左右に天使像があるのだが向かって右側のこの天使がガブリエルと判断できる。

◆大天使ガブリエルとは――

 ユダヤ教・キリスト教・イスラームのいずれでも神の言葉を預言者に伝える役目を担った天使として位置づけられている。

 たとえば、旧約聖書・タルムード・での登場、
また、『ルカによる福音書』ののる受胎告知の天使はガブリエルとされてきた。

 コーランにおいては
ジブリールجِبرِيلとよばれている。ムハンマドのもとに現れたジブリールは「誦め(よめ)」と言う言葉で始まるアッラーの言葉を伝え始め、また、夜の旅の章で、ムハンマドをエルサレムへといざなうのもジブリールである。

 では、すべてはユダヤ教から受け継いだものかというと、さらに遡り、メソポタミアにおけるバビロニアの宗教の中にもうその名前と存在があったという。

「ガヴリーエールという名前や天使の思想はユダヤ人が新バビロニア王国に捕囚されていた時代にバビロニアの宗教の影響によって取り込まれたものだという説を3世紀のラビ・シメオンが唱えた。この説は現代の学者たちによっても広く受け入れられている。」(Wikipediaより引用)


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 ところでガブリエルは見事な大きな羽を持つ。キューピッドのかわいい羽にたいしてこういう大人の天使はさすがに身の丈ほどの大きい翼を持つ。そして右手には金の杖を携える。左手には何をもっているのだろうか、当時の地図のようにも見えるし、キリスト教関係のものかもしれない。(不鮮明で判別できないが描くうえでのルールがあるはずなので、キリスト教のことをご存知の方にヒントをいただければうれしい)

≪追記≫
 鍵コメ様から、参考資料を教えていただいた。
この丸いのを球体として表現してある.何の球体なのかはまだわからないが、それをミカエルがもっている絵もあった。
 また、聖母の憂い顔や視線に受難を示唆するということもわかり、まずは一歩前進できてよかった。
 コメントありがとうございました。とっても嬉しかったです!

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by miriyun | 2008-03-21 09:48 | トルコ | Comments(4)