![]() 昨日のことしはじめての大雪のあと、今朝は一転して暖かい日差しとなった。空も明るい。 花をいただいたこともあり、いつもの玄関先も一気に春めいた。 壁には以前に紹介したイスラームの歴史。 それだけでは違和感があるが青の花が混ざるといい空間になった。 アラビア書道を学んだ延べ人数からすると世界の中でも有数ではないかと思われる日本。 イベントやワークショップでアラビア書道に触れた人も多い。 アラビア書道の持つ雰囲気は日本書道のようにモノクロの世界に固定されてはいないし、読める人はその意味を文字と共に味わい、読めない人は心地よい一定の流れやリズムのある文様として味わう。 そして、それは渋い和の香炉とあっても似合うし、華やかな生花と共にあっても似合う。 もちろんキリムや絨毯、銀器にタイルがあればそれと呼応して雰囲気を出す。 小さな額にいれたお気に入りの文字は壁のアクセントとして存在感があるだろう。 額にいれることによって生きてくるのがこうした文字だ。 書のインテリアもまた楽し・・・。 ![]() ↑ 一日一回、ポチッと応援していただけると励みにもなります
昨日、夜も明けきらぬうち、富士に向かう途中のキオスクで並んだばかりの新聞を買った。
朝日新聞の日曜版「Globe」を読みたかったからだ。新聞を手にバスに乗り込み、じっくりと読んだ。 1.Globeにおけるアラビア書道 書の冒険は紙面8ページのうち、実に4ページにわたっての特集だった。二部建てで、 「異分野との出会い」が一つ。そしてもう一つの表題は「海外で書は」だった。その海外の漢字文化圏でないところの書道として、西洋カリグラフィーとともに載っていたのがアラビア書道である。。 ≪アラビア書道を語る・・・本田孝一教授≫ ![]() 西洋のカリグラフィーと、自然の流れと勢いを重視する日本の書道。アラビア書道はその中間にあたる。葦や竹のぺんで、書家の手から生み出されているが、きわめて精密。自身も10世紀以上の先人の積み上げてきた型に敬意を表すが、踏襲するだけでない。 炎熱の砂漠の文化に基づくので、日本のように自然と一体化はできないし、自然を征服もできない。~中略~その結果、自分の内面に自然に変わる支えをみつけようとし、そこにイスラームの発生を見、またアラビア書道では抽象的な文字の中に第二の自然を見つけ出そうとする営みと言える。 アラビア書道は単なるアートではなく神の言葉を書く文字なので神聖さを持つだけのうつくしさがもとめられ、そのために書家は一生を捧げる。 10世紀に書法を確立したイブン・ムクラの言葉を持って言葉を締めた。 『書道は技術である。肉体という道具で表される魂の技術である』 (以上、Globeの「書の冒険」特集より新聞の一部引用) 2.BS朝日『世界は今』における書の冒険 新聞の発行と同じ、昨夜BSで新聞とそろい踏みの特集があった。 2時間にわたる番組の中で半分近くを書に関する内容の濃いものとなっていた。 ≪フォント・・・スティーブ・ジョブズ≫ アップル創始者のスティーブ・ジョブズ氏のスタンフォード大学における有名な演説の中にもあるエピソードから取り上げており、導入がよかった。 スティーブ・ジョブズ氏はリード大学を中退後カリグラフィーの講義を別にお受けその時に文字の美しさや文字間隔について学んだ。これが後にアップル・コンピュータ開発における美しい文字をつくって入れようということになっていった。 *これをフォントと言っており、その後は世界各地でそれぞれの文字についてのフォントが次々と生み出されていくことになった。現在のPCでもフォントを押せば100くらいのフォントがダ~ッと出てきて選ぶのに迷うほどある。 そういえば、アラビア語の本田孝一教授もかって依頼を受けてアラビア文字のフォントをつくって提供していたと聞いている。 ≪アラビア書道・・・本田教授≫ ![]() まず、アラビア書道で「いま、世界で」と書かれたものが紹介された。 その伝統にのっとりながら革新的な作品や書き方がたくさんの映像と画像で紹介された。 全部絵11作品以上が画面に登場していたが、その一端をTV画面から拾ってみる。 ![]() 青の砂漠 ![]() 新作の一部のようだ。 ![]() 祈りのピラミッド他 ・・・・イスタンブルのユルドゥズ宮殿での作品展 (以上4点はTVを撮影した写真) (・・・・これらの画像を詳しくご覧になりたい方は、この下の作品集のタグで見ることができるのでクリックしてみてください。) ◆なお、日本の書道との共通点については・・・ アラビア書道の技法はきっちりとしたものがあるのだが、その書く気持には書き手の気合や精神など日本の書道に通じるところがあるという。 異分野との出会い 新聞の方にもTVにもこれからの書道の方法手段に「さまざまな可能性を求めてのいくつかの事例が示されていたのでここでも紹介しておこう。 ≪書×写真≫ 香港のベニー・アウ氏の街角の写真と漢字を組み合わせたアート。 ここでは四角い窓で口という漢字を表し、周りに他の部分をつけることでもじにする。漢 ≪書×インテリア≫ 英語を現代のインテリアに合わせておしゃれに描く。キャレ文字という。確かに床の間のない部屋にあう書道は飾りやすい。 ≪漢字の中に英単語が組み合わせてある書道≫ 書道家、国重友美さんが考案した、漢字の中に英単語が隠れているとうアート。 ≪書×パフォーマンス≫ 映画に書道ガールズというのがったが、あれがドいうも全国大会をするほどに盛んになっているという。書道パフォーマンス甲子園というのが開催されている。書道のかたちをやぶって、しかし斬新で活力のある。高校生ならではの生き生きとした文字が歌や音楽とともに描き出される。 日本の書道を学ぶ成人が160万人もいるそうだ。その中心はなんと60代。このままで行くと若者の書道離れがはげしい。学ぶ費用の他に書の段が上がるほどに作品展の出品料から謝礼など費用も上に行くほど大変だ。書離れを食い止めようと費用の低減などいろいろな工夫をしはじめているという。 いずれにしろ書の世界はPCの時代にあってもまだまだ大事な精神性を表すものである。 これからもその精神性を伴いながらも旧習を破っていかなければならないのだろうと感じさせられる特集であった。 ![]() ⇒ ⇒応援クリックお願いします。
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≪本田孝一氏Web作品展≫・・・ アラビア書道家・本田孝一氏の作品を紹介する特集。 ![]() Web作品No.21 「スパイラル・音信」 (Spiral Tidings) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ・内容:『コーラン』 、「蜜蜂章」10-18節 Holy Qur'an , Surah an-Nahl 10-18 ・書体:ジャリー・ディーワーニー体 ・大きさ:縦100cm×横60cm ・制作年:2011年 ・材質/技法:(文字)レタリングゾル(彩色)アクリル絵具 ・撮影:M.K. * (転載等は固くお断りします/No reproduction or republication without written permission) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆ここから下は、鑑賞の参考までに個人的に書かせていただいているものです。人それぞれに異なる感性で感じ取ってイメージをお楽しみください。 深き青の中に青白く浮かび上がる貝が存在する。 永遠(とわ)を生きる貝はその貝の衣にコーランの言葉を紡ぎだす。 薄絹のように言葉をまとった貝が 静寂の海から星月夜を望む 巻貝は無言のままだが、 その言葉は、音の振幅となってやがて地上に伝わりくる ![]() ◆この作品の巻貝の周囲の青の色をあらわしたかったが、とても一言で表現できる色ではなかった。 いくつかの色が濁ることなく使われ、透明感のある姿が神秘的でとても美しい。 また、次第に幅が狭まっていく横のラインが並んでいる。 静かな画面の中でこのラインこそが音信というイメージを高めていく。 このデザインの中に普遍的なものがこめられており、その前に立つとそれが柔らかな振幅となってつたわってくるのだ。 ![]() ↑ 一日一回、ポチッと応援していただけると励みにもなります
ここのところ、砂漠の植物と動物について書き繋いでいる。
砂漠は動植物にとってぎりぎりの生存をかけて生命をつないでいるので、そこには進化と適応を成し遂げたものだけが生き残っていくのだ。 当然、水が減り自然環境が厳しいところほど、その姿を変えていくことになる。 同じアラビア半島の砂漠とはいえ、自分が見てきたUAEの砂漠は、砂漠の周辺部にあたる砂漠であり、砂漠の中の砂漠であるルブアルハーリ砂漠での植物の様子などは知りようもない。 ところが、サウジアラビアの砂漠を仕事場としてこられた本田孝一先生(アラビア書道の師です)より アカシアについての拙文に連なる砂漠のアカシアのお話をいただいたので、掲載させていただく。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 本田孝一先生寄稿* ルブアルハーリのアカシア ![]() 私のスケッチしたのはアカシアの原種ではないかと思います。アラビア半島の砂漠にはいたるところにこの木が生えていました。これをスケッチしたのはルブアルハーリー砂漠ですが、高さ2,3mにもなり、砂漠地帯で生えている木といったらこれしかないといっても過言ではありません。 地平線が砂丘ばかりで覆われている砂漠で遠くからでも背の高い一本の木が見えました。 砂漠では蜃気楼で遠くのものがものすごく高く伸びて見えるのです。まるでそびえたつ細い塔のように。 ベドウィンのガイドは遠くからも目ざとく見つけると私に運転するジープを猛スピードでそこへ近づくよう指示しました。 バースト!! そこが付近で唯一の影があるところで、その木の下で休むことができることを知っていたからです。 近づくとそれほど背の高い木ではなくがっかりしました。2mくらいしかない灌木でした。 しかしそこで灼熱の暑さを避け、休憩ができるので私は急ブレーキをかけて木のそばぎりぎりにまで 着けてジープを止めました。するとどうでしょう。 物凄い爆発音。それも一回ではなく4回ほど。バン!バン!バン!バン! 車輪のパンクです。それも全部の車輪が一度にバーストしたのです。車体はガタと沈み込みました。 急いで降りて見るとその木の枯れた枝が地面に敷き詰められたように重なっている中に乗り上げた車輪が、今度はプーっと音を発ててしぼんでいっているのです。(無残!) ![]() この図をよく見ていただくと爪楊枝よりも長くて堅いとげが枝から無数に出ているのがわかります。 私は知らないでそれに車輪を乗り上げてしまったのです。とげの鋭さはジープの車輪のゴムまで貫くほどの硬さだったのです。ベドウィンは苦笑いをしていましたが、彼らはラクダを駆ってそこで休むことはあっても車のことは知らなかったのです。 ラクダの足の底は自動車の車輪のゴムよりも硬いのです。 私たちはそこで休憩するどころではなくなり、幸い車に積んであったパンク修理のキットを使って4輪のパンク修理に汗だくになってしまったのです。それは半日かかりました。砂漠では車と出会うことは一日でほとんどなく、もしパンク修理ができなかったら私たちは砂漠の真ん中でどうなっていただろうかと考えるとぞっとしました。 ラクダとアカシア この木は西アジアの乾燥熱帯地域には、本当によく見かける木です。このようにとげが多いのが特徴です。 ところでこの木の葉をラクダは物凄く好きなのです。とげの間にある小さな葉を食べるのですが、食べているのを見るととげをものともせずバリバリ臼歯で砕いているのです。ラクダはこの木を見つけると必ず近づいて葉を食べます。夜寝る時も綱でこの木の幹に繋いでおくとラクダは一晩中、葉をむしりながらもぐもぐ食べています。(・・ラクダと一緒に、ジープの入らないような砂漠の奥地を旅をした時の経験より) ラクダには特に餌(キャメル・フード)をあげなくてもこの木さえ見つければいいのです。 砂漠に燃え立つサムルの木 さて、その木の名前をベドウィンに聞くと、サムル(Samur)の木あるいはタラフ(Talah)の木といっていました。 辞書を見てみるとアカシヤの一種ということです。 また特に目につくその木の特徴として、とげの他に花が挙げられます。それも現在見る形と違っているようです。花は黄色い小さなボンボリの様な形で木一杯につけます。春になると(2月のはじめ砂漠に雨が降ると)木全体がまっ黄色に染まるのです。それは壮観です。 今まで肌色の砂だけの世界に突如レモンイエローの塊が燃え立つのです。しかしそれも長くは続きません。2,3日でしぼんでしまいます。また香りはあまりなかったように記憶しています。 サムル(タラフ)の樹の下で 最後のこのサムル(あるいはタラフ)の木は神聖な木と敬われ、『コーラン』の中にもあります。 「勝利(アル・ファトフ)の章」18節。 「彼らがあの樹の下であなたに忠誠を誓った時、~~~」というように叙述があります。 預言者ムハンマドが教えを広めるため反対派のメッカのクライシュ族と戦っている中で、同行の信者たちと生死を共にして戦おうと誓いを互いに立てたという伝えられていますが、それがメッカの西25キロほどのところにあるホダイビーヤという地に生えていた大きなサムル(タラフ)の木の下で行われたということです。その木は後世に切られて今ではその場所も分からないといわれています。 その後イスラム軍はメッカ軍と休戦条約(フダイビーヤの盟約、628年)を結び、勝利を収めたということは有名な史実です。 (・・・ここまでスケッチ及びお話について許可を受けて掲載しています) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ルブアルハーリ砂漠といういまだ見ることの叶わぬ土地の、植物から動物、そして歴史まで含まれる気になる分野のお話だった。 ◆ ムハンマドがその樹の下に座ったというアカシアの樹はなくなったとはいえ、その地名は今でも現存する。 中東・イスラーム地域は地名一つ見ても歴史の遺物でいっぱいだ。また、砂漠地帯の樹の存在感は草食動物だけに限らず、人間にとっても非常に重要で木陰で休むことができるならばと人も動物もよっていくのだ。 ◆ルブアルハーリのアカシアのトゲ! 想像してみてほしい。砂漠の植物は頑丈だ。トゲも固い。 その固いトゲの長さがツマヨウジくらいの長さがあるのが、葉のあるところから2本ずつ異なる向きに生えているのだ。UAEのアカシアの比ではない。 枯れ落ちた枝であるというのに4本のタイヤを次々とバーストさせた力・・・唖然とさせられた。 これほどタイヤまでつぶしてしまうトゲをラクダはよけるのではなくて食べてしまうという。 砂漠のアカシアもすごいが ラクダもすごい!! (・・・誰も経験していないようなサウジアラビアの砂漠のお話に、感謝です) ![]() ↑ 一日一回、ポチッと応援していただけると励みにもなります
しばらくぶりにPCにむかいます。
ご訪問いただいた方、ありがとうございました。 2011アラビア書道作品ロビー展開催 ![]() ↑ いつものように雰囲気だけ、あとは会場でご覧ください アラビア書道作品展の中でもとくに長い歴史を積み重ねてきている横浜教室でのロビー展が始まった。 全19点、本田先生のひときわ大きな作品(先生の作品の中では小さめ)を中心に今年も成熟度を高めた作品が並んだ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ◆アラビア書道生徒作品展◆ 日時 2011年10月24日(日)~11月12日(土) 場所 朝日カルチャー横浜 横浜駅の駅ビル”ルミネ”の8階 朝日カルチャーロビー 10:00~20:00(日曜は17:00、最終日は17:30まで) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ テキストがディーワーニーまで進んでいるので、ディーワーニー作品が多い。 気持ちの入った作品群で、それぞれに見ごたえがある。正方形にきっちりと入れた作品。マレーシアで求めてきた紙を芸術的に装丁に組み上げてあったり、自作の絵と装飾紙を組み合わせたり、小紋の和紙を使ったりと変化に富んでいる。額や二重マットできりっとまとめたものもある。写真を使ったものもいくつかある。 写真仕様は実は私は1997年からひそかに使っていた。当時は偶像・写真は組み合わせてはいけないかなという思いもあり、日陰ものに甘んじていた。それでも時々ひっそりとロビー展に出していたものだ。 *作品展の流れ 本田先生・山岡先生ご指導によるアラビア書道はどのように発展してきたのだろうか。 横浜教室は十数年前に朝日カルチャーで始まった。それ以来、常に大勢の参加者があった。 土曜日の教室で、横浜駅の駅ビルであるため大変便利であること、仕事を持っている人が参加しやすい、少々遠くからの参加であっても土曜日隔週なので参加できるので、遠くから仕事の合間を縫ってやって来られる方も多い。職業や体験してきたものが異なるし、また初心者・5年・10年・それ以上の経験者が程よく混ざっているので実に多彩だ。その中でお二人の先生方のお人柄で和やかに進んできた。 ◆ロビー作品展も初期のころにはなかった。作品展がないころ毎回中東のエピソードなども伺いながら楽しく受講したのだが、いつまでも自分の文字が作品にできるものとは思えず、練習は熱心にするのだが、なかなか作品と言えるものをつくるにいたらなかったのだ。 ◆1997年自分の作品を仕事場関係の小作品展に紛れ込ませてみて、これなんだろう、へぇ~、文字なんだという程度の反応ではあったが作品展示の感触は得た。 そのあと、「先生、ちょっと作品を出してみたら面白い反応でした、作品展やりたいですね~」と、お話した覚えがある。こうして、おそらく本田先生門下で初めて大きな作品展を開催したのが、1998年だった。その作品展を『西からの風』、合同作品展になってからは『砂漠の薔薇』という。これは、2年に一度の大作品展で、1998から、昨年の2010年まで確実に回を重ねてきている。 横浜アサヒカルチャーのロビー展に参加したのは、その初めての大作品展の翌年1999年からだった。 こうして、2年に一度の大作品展、その合間に年に一度のロビー展というサイクルが出来上がった。 作品展があるということは作品作りの期限が定められ、確実に自分で飾れるものをつくるということになる。作品展に向けてモチベーションを高めいつもとは違う紙やインクや画材を出してみたり、額やマットを考えたりという変化があってよい。 普段とはちがう集中力で作品に向かうことは、深くアラビア書道の世界に入り込み、自分自身のアートとして表現力を高めていくことになる。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (そうはいいつつ自分はどうかというと、 実はめちゃ忙しい時期なもので、ブログも作品もiphoneも停滞し焦るばかりの日々だった。 予定していた作品はとうとう間に合わず、背景とアラビア文字のデザインしたというところだけが取り柄の別作品となってしまった。 それでも、参加しないより一歩進んだかなと思える。やはり、作品展があることは貴重だ。) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ☆ お近くにおいでの時は駅上なので是非お寄りください。 ![]() ↑ 一日一回、ポチッと応援していただけると励みにもなります
イスラーム地域を見つめて
イスラーム地域は、かってはアラビア半島の乾ききった砂漠地帯の町から始まった。 そこからアラビア半島に広がり、すぐに地中海を渡ってチュニジアに入り、北アフリカ全体に広がっていった。 また、インド洋をめぐる交易ルートが古代から発達し、アラビア半島のアデンやドバイにホルムズといった海に面した地域と東アフリカもインドもすぐにつながってきた。現在人口で最も多いインドネシアや多民族のマレーシアなどにも広がって、その気候も風土・習慣も多彩になってきている。 その広いイスラーム地域に接点を持ち、心に引っかかってきたものが写真とカリグラフィーを通してこの文化と深く接点を持つようになった。 写真だけであったら、おそらく自分はイスラームに限定はしなかったかもしれない。 ところが早くからアラビア文字の世界に魅了されたために、自ずとイスラーム地域の文化と自然をライフワークとしていった。それを見える形にしたのがこのブログだったが、それも1500話になった。 今見直すと、アラビア書道を最初から大事なライフワークとか言いながらほとんど自分の作品は載せていない。載せる自信がないのだ。 ~~~~~~~~~~ 先ほどのニュースで見た。女子W杯。ワールドカップで優勝したなでしこジャパンのリーダー、澤さんは英語もわからないで20歳で契約書と辞書を持ちながら単身アメリカに乗り込んでチーム契約をした。この人を中心とするチーム、オーラがあった。最後にはドイツも応援してくれて、被災した日本に最高の勇気を与えてくれた。そのおこぼれで私も勇気づけられた。 フィギュアスケートの高橋大輔選手は怪我をしても、転んでも気持ちを曲げずに4回転ジャンプを飛び続け、曲想をオリジナルになるように表現し続ける。とくに苦しかった世界ジュニア優勝後の修業時代。コーチと二人で世界修行の旅で苦しくて大変な時期を過ごしたという。今、その話が出るとコーチと高橋選手は互いの顔を見合わせて苦笑いするだけだが、そういう時を経て、いま、自然体で自分を語る大輔選手を見ることができる。 自信は最初からある人なんていない。積み上げて行かなければ何もスタートしない・・・。 スポーツ選手ばかりではない。ブログ仲間の方の刺繍の先生も絵画をされる方も、編み物をする方も着々と自分らしさを出し人前に発表しながら溌剌とした作品を発表し続けている。本当に素晴らしい進展ぶりをつぶさに見ることができる。その進まれる過程を見させていただいているだけですごく刺激を与えられる。 ~~~~~~~~~~~ なんだか、写真に逃げていて、アラビア書道作品はもちろん、カリグラフィー解説からさえも遠ざかってしまっていた自分を発見した。何かを変えるきっかけが必要なときになでしこジャパンを見たのかもしれない・・・。 アラビア書道であらわすイスラーム地域* 『川のほとり』 イスラーム地域の範囲は広がったが、その思考の原点には常に乾燥地帯の風土とそこに芽生えた文化があった。 イスラームにおいて天国は川が流れるか、噴水があり、そして、花が咲きみだれ、鳥もやってくるようなところをいう。更に大河ユーフラテスやオロンテス川、さらにナイル川・ヤムナー川・・・。イスラームの人々は荒れ地を歩き、砂漠を越えて灼熱の地獄を抜け出たとき、こうした川を目にした時、何を思ったのだろうか。 そして、ムスリムとして正しく生きた後に、川のほとりの館にある自分を想像したのであろう。 そういった川のほとりを自分のイメージであらわした。 ![]() 夕日の名残の色が残るブルーモメントの空とそれを写す川面 イスラームの国で愛される月が中天に浮かび、そっと文字を照らす 文字も川の流れに合わせて静かに流れ連なる (『川のほとり』2010年ジャりー・ディーワーニー体) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 月は一昨日満月だった。今は欠けはじめて、あと10日と少しで、新月になる。 イスラーム地域ではもうすぐラマダン月に入る・・・。 ↑ 一日一回、ポチッと応援していただけると励みにもなります ↓
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≪本田孝一氏Web作品展≫・・・ アラビア書道家・本田孝一氏の作品を紹介する特集。 ![]() Web作品No.20 『祈りのピラミッド(2)』 The Pyramid of Prayer(2) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ・内容:『コーラン』 、「ヤー・スィーン章」82,83節 Holy Qur'an , Surah Ya-Sin 82,83 「何かを望まれる時、<あれ>とお命じになられると即ち<ある>。 み手に万有の統治権をお持ちのお方に賞讃あれ。あなた方はかの御許に帰される。」 ・書体:スルス体 ・大きさ:縦136cm×横150cm ・制作年:2007年 ・材質/技法:(文字)レタリングゾル・ドローイングインク、(彩色)アクリル絵具 ・所蔵:イスラムアート美術館マレーシア (Islamic Art Museum Malaysia)2009 ・撮影:山岡幸一 * (転載等は固くお断りします/No reproduction or republication without written permission) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (↑ は公式のもので、ここから下は、鑑賞の参考として個人的に書かせていただいているものです。) ◆『祈りのピラミッド(2)』 ◎ 一番下の段に、「何かを望まれる時、<あれ>とお命じになられると即ち<ある>。」がきっちりと台形型におさめられている。 2段目から3段目に「み手に万有の統治権をお持ちのお方に賞讃あれ。あなた方はかの御許に帰される。」 最後の4段目、ピラミッドのキャップストーンにもあたる部分にはバスマラが三角形にデザインされ、もちろん、以前に解説したようにアッラーの文字は頂点に置かれる。 スルスのアリフ(頭にカギのついている文字 ا )はとても難しい文字だ。そのしなりながらも堂々たる文字がどの段にもあり、アリフとラームがたくさん居並ぶ様子が美しい。 また、左下にカーフ ك が3つ並ぶ。この特徴のある文字がこのピラミッドの中でアクセントになっている。さらに各段の左端を見れば、最後にやや斜めにすっとあがるラインをもつワーウ・ヌーン・ラーなどの文字が揃って置かれている。こうした文字の揃いがあるからこそこうしたアラビア書道は美しいのだ。 ◎ 青の『祈りのピラミッド』の天をイメージする鋭角なピラミッドに対して、こちらはゆるやかな角度でたちあがるピラミッドである。 色合いもピラミッド全体をほわっと包み込むような優しさにあふれている。 「即ちある」・「御許に帰される」という文言にある存在感や包容力といったものが、このピラミッドの形と色合いから発せられている。 ~~☆~~☆~~☆~~☆~~☆~~☆~~☆~~☆~~☆ アラビア書道のデザインは書家の自由、装飾の方法も自由なのだ。だからこそ、難しいともいえる。 そして、書法そのものは何世紀もの時を経て美しい形として確立している。 本田氏はその伝統的な書法を堅持しながら自由にデザインし、クルアーンの文言の精神性を大切に表現している。そして、より完成した文字であるために、旧来なら一筆で書けないような文字も技術と工夫で書けるようにしながら、アラビア書道を高めていっている。 そういった氏の作品を紹介させていただき、今回で20作目となった。 アラビア書道がどんなものなのか、近年のアラビア書道熱の高まりは何を魅力としているのか、この”A Gallery of Arabic Calligraphic Works of Fuad Kouichi Honda” のなかに、その答えがあるように思う。 ⇒ ⇒応援クリックお願いします。
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≪本田孝一氏Web作品展≫・・・ アラビア書道家・本田孝一氏の作品を紹介する特集。 ![]() ↑ 画像の上で一回クリックしてください。大きくして見ることができます。(You can click this photo to see a larger image.) Web作品No.19 『開巻章』 The Opening Chapter ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ・内容:『コーラン』 「開巻章」The Opening Chapter Holy Qur'an, Surah Al-Fatihah(The Opening Chapter) 「慈悲深く慈悲あまねき神の名において。神に讃えあれ、全世界の主、慈悲深く慈悲あまねきお方、審判の日の主催者に。 あなたをこそ、我々は崇めまつり、あなたにこそ我々は助けを求めまつる。 我々を正しい道に導き給え、あなたが恵みをお下しになられた人々の道に、お怒りにふれた者や迷える者ではない者の道に導き給え」 ・書体:スルス体 ・大きさ:縦110cm×横179cm ・制作年:2008年 ・材質/技法:(文字)レタリングゾル、(彩色)アクリル絵具 ・所蔵:2009年、イスラムアート美術館マレーシア (Islamic Art Museum Malaysia ・撮影:山岡幸一 * (転載等は固くお断りします) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (↑ は公式のもので、ここから下は、鑑賞の参考として個人的に書かせていただいているものです。) ◆『開巻章』について 文字の内なる力 このコーランの最初の章は、イスラームの世界では数限りなく書かれ、唱えられる言葉である。 その語句をきっちりと二列のスルス体に組んでいる。 コーランは読まれるべきものであり、それだけに韻を踏んでいるところも多く、耳に快く聞こえる。 書の世界でも、同じ流れを持つものが並べば美しい。この作品では『開巻章』の始まりの語句、ビスミッラーに対して二行目の語句に同じ形を持つものがくるように配置されている。決して偶然ではなく、書家の意図によってよりデザインされているのだ。 もちろん、二行の最後の単語も、文字の形が揃えられている。最後の文字であるカーフとヌーンの文字は筆の向きも流れもピタリと揃え、細く、極めて細くおさめられていく。 だが、ただ細くすればいいのではない。細くなる文字においても、内なる力をその細さの中に秘めたまま筆を収束させていく。これがスルス体の正統派文字の力強さになっていくのだ。 青の冴え・黄色の冴え 文字は冴えのある黄色の上にきりっとした姿をあらわす。そして黄色を浮かび上がらす背景の澄んだ青はグラデーションとなっている。とくにグラデーションの明るくなった部分が中央部でふくらみ、ひときわ明るさを増している。そのためスルス体の重厚な文字が神々しいばかりの光によって浮かび上がってくるのだった。 ⇒ ⇒応援クリックお願いします。
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≪本田孝一氏Web作品展≫・・・ アラビア書道家・本田孝一氏の作品を紹介する特集 ![]() ( ↑ 作者の許可を得て掲載しています) Web作品No.18 『青の方舟』 A Blue Ark ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ・内容:「私の家の人々を例えれば、それはノアの方舟のよう。 それに乗った者は救われ、乗り遅れた者は溺れる」(ハディースより) ・書体:ジャリー・ディーワーニー体、上の丸い月の部分はファーリスィー体(ナスタアリーク体) ・大きさ:縦59cm×横108cm ・制作年:2009年 ・材質/技法:(文字)レタリングゾル・ドローイングインク、(彩色)アクリル絵具 ・撮影条件:展示場所での撮影。(2つのスポットライトがあたる中で、色味が正確にあらわせていないことをご承知おきください。) * (転載等は固くお断りします) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 先日の、横浜のアラビア書道作品展に講師作品として出品していただいたものである。作品展も無事終了したので、書の意味とともにご紹介しよう。本田孝一氏の作品のWeb上での紹介の18作目である。 ◆時空を旅する 『青の方舟』 ◆ 空に溶け込みそうな幻想的な方舟である。 まずは、書にしたがって右から見ていく。 ![]() 舟形に沿って線ではなく色使いで形をあらわす。 さらにそこに明るく淡い色をたてに入れたことで、方舟自体が浮遊しているような雰囲気をかもし出す。 その絶妙な色の変化と塗りの方向性にため息の出る美があらわされている。 ![]() はじめてみたとき、この作品の持つ透明感に惹きこまれた。なぜ、これまでと大きく印象がことなるのか。 それは文字そのものに注目してわかるものだった。いつもの黒だけの墨ではなく、ドローイングインクをも使ったことによる透明感が、文字の重ねの美しさとともに、軽やかさを出していたのだ。 また、この書体の特徴である装飾点が青黒の色だけでなく白で入っていることによって軽やかになっている。 また、文字の上ではきっちりと一定の形の中に納めるジャリー・ディーワーニー体ではあるが、そこからデザインとしてあえてラーやワーウの足を、舟の櫂(かい)のごとく出している。これによって、私たちはノアの方舟のイメージにさらに近づくことができる。 ◆この書の中で、とくに驚嘆した部分について もう一度最初の全体像の船底に当たる部分を見ていただきたい。基底部にあるヤーやファーの文字からの線が長く長くのびて次々と左へと進んでいく。 墨が途切れることもなく、これだけかけるものなのか?また重なってしまうこともなく同じ幅の線が並ぶ。これはアラビア書道経験者ならわかる難しさで、どんなに素晴らしい筆を選んでも決して書ける線ではない。 ![]() さて、こうして優雅な弧を描いた5本の長い線が どこに?収束していくのか。 ☆もちろんアッラーにである。 5本の線が一つに収束し、ついと空高く伸び上がったかと思うと、そこから斜めにアッラーが美しい姿であらわされている。 言葉の意味としても、伝説の物語としても、そしてアッラーに昇華されていく点もすべてが合わさって舟となり、 それが時空への旅立ちをしている・・・そんな作品であった。 <追記>アブラハム・ノア・モーゼ・イエスらは旧約聖書に載っているだけでなく、イスラームにおいて預言者とされる。したがって、いずれもアラビア語名になって、コーランやハディースにそれらの話が出てくるのだ。ちなみにノアはヌーフ نوح という。 なお、作品中のヌーフは舟の右から三分の一くらいの所の上に四角い点が一つあるこれがヌーフの最初の文字の点である。 ⇒ ⇒応援クリックお願いします。 ![]()
書道と装飾の楽しさよ!
朝日カルチャーセンター横浜で恒例のロビー展がきょうから始まった。 駅ビル8階まで、エレベーターで上ると、降り立ったその前方に作品が広がっているので、外来の方でも迷わずにすぐにわかる。 講師の先生方と生徒の作品、あわせて20点が書体・デザイン・色合い・装飾も華やかに居並ぶ。 ![]() ◆書体別 ナスヒー書体 11点 ディーワーニー書体 4点 ジャリーディーワーニー書体 2点 スルス書体 2点 ナスタアリーク書体 1点 昨夜、展示を行なったのだが、いつも思うことがある。書道は教室でそれぞれが練習している。このときはほとんど色味がない。しかし、作品展となると、何らかの装飾を考える。 文字デザインを斬新な感覚でやってこられる方もおられるし、背景にイメージ色や幾何学文様を入れたりする。また装飾部分は親や子が協力してくれたというばあいもあるし、きれいなデザインの紙を装飾に取り入れたり、書に合う装飾をPCでデザインして、そこに書道をされる方もいる。 それぞれの方が持っている背景・・・これまで見聞きしたものや興味を持ったり、趣味にしてきたもの・・・がこういうときに現れてくる。(自分のを見てももろにそれを感じる) こういったことをそれを楽しみながらいつも作品を見ている。 アラビア書道は誰でもひょいと入り込める楽しさがある。そこが初めて見た人をも惹きつけるのだろうか・・・。 心吹き抜ける・・・本田孝一氏作品 一目で本田作品とわかる作品がある。 昨夜はじめてこの新しい作品を見た。 作品から吹いてきた風が心のうちに吹きぬけた。 これ一つのためにでも見に行きたくなるような作品であり、展示する生徒間でもため息がもれていた。 ノアの箱舟を題材としたハディースの句をデザインされたものである。ここのところ美術館向きの重厚な作品を目にする機会が多かったのだが、これはまた雰囲気がまったく異なる。 ☆透明感があり、そして美しい。 ―――― 素晴らしく文字がのびやかなのだ。 ☆そして色! ―――その色のかもしだすイメージの深さ 同じ色の絵の具を使えば誰でも同じ雰囲気が出るかといったらそうではない。 その構想と文字のイメージと合わさってこその色なのだ。 さぞ、先生自身も楽しまれて書かれたのではないかと思う。 また、作品としても新しい境地に入るのではないだろうか。 ぜひ、目の前でご覧いただき、竹ペンの動きをイメージし、またそれぞれの作品の装飾の工夫などをまじかで見ていただければと思う。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ◆アラビア書道生徒作品展◆ 日時 2009年7月26日(日)~8月8日(土) 場所 朝日カルチャー横浜 横浜駅の駅ビル”ルミネ”の8階 朝日カルチャーロビー 10:00~20:00(日曜は17:00、最終日は18:00まで) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ⇒ ⇒応援クリックお願いします。 < 前のページ次のページ >
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