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2017年 08月 12日 ( 1 )


2017年 08月 12日

蝋の話(1)王家の封蝋

1.蜜蝋とは・・
 ろうそくは世界中誰でも知っているものだが、最初に使われたのは蜜蝋(みつろう)、ハチの巣の枠組みを作っているのは働きバチの蝋分泌腺から分泌される蝋成分であり、それを煮溶かせば蜜蝋となる。
 世界で最初のろうそくは蜜蝋であったが、何しろハチのつくるものであるから手に入れにくいものであった。
 融点は摂氏62ないし65度なので、純粋な蜜蝋は溶けやすい。

2.シーリングワックスとしての使われ方
今、CS チャンネル銀河で放映されている「オスマン帝国外伝」の中から例を見てみよう。

c0067690_9523257.jpg

第一宰相の机に置かれているものに注目した。
この左端のろうそく。物流の拠点を抑えていたオスマン帝国であるので、インドを中心として蜜蝋の産地からの流入はゆたかにあっただろう。したがって、中世宮殿生活の必需品であるろうそくは当然蜜蝋と考えられる。

ドラマの中では、これらの道具の扱いは描かれていないので、この辺は推測を交えて。
ろうそくの裏に隠れている銅の壺とおそらくは長い柄の金属スプーン。
更にその手前の箱には何やら赤いものが置かれている。蜜蝋をスティック状に固めたシーリングワックスである。形ははっきりしないが、脇に蜜蝋を削るための道具が置かれている。

そのスプーンに蜜蝋でつくったシーリングワックスを削りいれ、それをろうそくの火であぶる。

ここからは「オスマン外伝」の中の画像を引用。
c0067690_9524038.jpg

削った蝋に火がつき、とろとろに溶けてくる。

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それを、印よりもやや大きいくらいに手紙の上にこぼす。

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蜜蝋がやわらかいうちに、刻印を押し当て手紙の中での自分の身分と名前の証明とする。

そして、他人に開けて見られないための封蝋としても使われ、羊皮紙や紙を丸めてひもで結び、その上に封蝋として同じように印を押した。
 当時の手紙は王や貴族が自分の家令を用いて、相手まで手紙を届ける仕組みだが、途中で開けられたらすぐにわかるように封蝋をしたのだ。

 以前に古代文字のところで紹介した
粘土の封筒 
印章の使い方
に記したが、メソポタミア文明において、楔形文字の印章を粘土板の手紙に押して壊さないと見られないように工夫したのと同じしくみである。

 素材が粘土板から紙や羊皮紙になり、
  粘土の上に刻印する代わりに溶かした蜜蝋の上に刻印することにしたのだった。

それにしても、今歴史物を扱うチャンネルが増えて、「オスマン外伝」「クイーン・メアリ」「ヴィクトリア」など、その中に出てくる日常生活で使われていたものがとても興味深い。
   
                                          
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by miriyun | 2017-08-12 10:36 | Comments(6)