2012年 09月 02日 ( 1 )

ブロッケン現象

王ヶ鼻でブロッケン現象 
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王ヶ鼻で生涯初めてのブロッケン現象にであう。


ブロッケン現象とは

 山岳の気象と太陽がつくりだす現象。尾根の急勾配の谷で山肌に沿って雲や霧がゆっくり這い上がり、稜線で日光にあたって消える場合によく観察される。今回のもそっくりその条件が当てはまった。
 平地でも川から霧が発生するところでもみられる。
*航空機に乗っているときも太陽を背にして、窓外の雲に映る航空機の影を見ると、その影のまわりにやはり虹色の輪を見ることができる。これは光輪(グローリー)というが、場所が異なるだけで、ブロッケン現象と同じしくみの現象といわれる。


 霧や雲に覆われた山の頂きに太陽を背にして立つと自分の影法師が霧に映し出され、同時に丸い虹色の輪が現れる。
 この影帽子は「ブロッケンの妖怪」
 光の輪は「ブロッケンの虹」と呼ばれた。この影帽子と光の輪という二つの現象を合わせてブロッケン現象というのだ。

 昔からドイツ、ハルツ山地のブロッケン山(1142m)は頂上からの見晴らしがいい、そして北海からの風が雨や霧を運んでくる場所だった。ここでは山頂で巨大な入道が光の輪の中にあらわれて人々をおどかした。その人が動くと妖怪もついてくるのだ。
 中世のころから、ブロッケン山は魔女の山として知られていたというが、これはブロッケンの妖怪を見たからそういわれるようになったのか、それとも魔女の山で怖いと思う気持ちが光の技とは考える余裕がなく、妖怪に直結してしまったのだろうか。
 のちにここを訪れたゲーテは色彩のついた影に感動して光と色彩について考えるようになったという。

 また、気になることがある。阿弥陀如来に極楽浄土に導いてほしいという願いで平安時代末期、浄土教が起こり、阿弥陀仏を信仰することが始まった。その時、貴族階級は平等院鳳凰堂などのは阿弥陀堂を建てて、阿弥陀仏をおさめて、いざ黄泉の国への旅立ちの時はその阿弥陀仏の手と自分の手に五色の絹糸を渡し、それを以て浄土へ導いてもらおうと考えた。
 5色にも7色にも見えるブロッケンの虹はその色から阿弥陀仏をイメージさせたのだろう。日本では阿弥陀如来の「ご来迎(らいごう)」と呼ばれ、神聖なものに考えられた。また、影法師は阿弥陀如来が説いたという空中住立の姿に置き換えられたため、恐ろしい妖怪ではなくありがたいお姿としてあがめる対象となった。

 ただし、この気象現象は、太陽の位置と霧の状態、山頂のように開けたところでないと見えないので、いつしかご来光と称して山頂で朝日を拝む習慣に変わってしまったという。

  
霧の流れる中でブロッケン現象の変化を見る
 王ヶ頭ホテルで夜の雨と霧のなか、サーチライトを使ったブロッケン実験を見させてもらった翌朝、
王ヶ鼻へと案内してもらう。ほとんど霧で隠れていた中で、次第に百名山の一部が頭を出したり、上空が青くなって来たりした。

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 しばし、東側の霧のなだれ落ちるような動きや高山植物を見ていたあと、またまた霧が立ち込めてきたので岩場の上に戻る。
 東に太陽が昇ったあと、西に霧が流れている。条件は整っているはずなのだ。
するとそこに異変が見え始めた。  ↑ 中央よりやや左にうっすらと半円がご覧いただけるだろうか。
霧の中にわずかな変化。ふだんなら見逃してしまいそうだが、ブロッケン現象を見ることを目的の一つとしてきたので変化がわかった。

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自分の頭とその周りに一重の虹色がはっきりしてきた。これで確実にブロッケン現象と分かる。
内側が青、外側が赤の並びは普通の虹の並びと同じ。形は円形だが、岩場にかかっているのでそこまでの影法師が大きいのと岩の色で見えにくくなっている。

その後、霧が動いているために、この虹色は薄くなったり消えたりを繰り返す。

そうしているうちに・・・
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虹色が先ほどの一重から二重の円弧になり、色もひときわ鮮やかになった。
   やはり内側が青、外側が赤で、それが二重になっている。普通の虹のように主虹と副虹が逆の並びというようなことはない。

うわ~ォ!
 これを見に来たんだと、内心飛び上がらんばかりにうれしい。
  でも、同じホテルから来た人たちが一組だけ残って見ていたから、そのうれしさを抑えてホテルに向かう。


 しかし、心が浮ついていたのだろう。
植物を撮ろうと横道にちょっと入ったところで、地面と草が湿っていたためズテッと転んだ。恥ずかしい(たぶん、後ろの人に見られた)
レンズフードにべったり土がついたし、足をひねった。
 その痛みで足を引きづったため、朝食時間に十分間に合うつもりで歩いていたのが予約時間にぎりぎりにたどり着くということになった。

 いいことがあったときこそ、浮足立たないようにしよう!・・・今回の教訓
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by miriyun | 2012-09-02 13:06 | Comments(12)