アフガニスタンの悲報
 日本人として他国のために農業指導のために打ちこんできたペシャワール会所属の伊藤和也さんが遺体で発見された。
 タリバンがアメリカ軍や政府に手出しできないので、もっと狙いやすいソフト・ターゲット、すなわちNGO関係者や民間人を狙いだしたとは聞いていた。

ペシャワール会
 この会の現代表、中村哲医師は自らアフガニスタンで僻地こそ無医村こそ必要ということで、奥地へと入り込んでいった医師であり、その信念と実行力に満ちた生涯の業績に対して人道のノーベル賞としてのマグサイサイ賞が授けられたのをはじめ、その冷静にして厳しい現状認識と度々おこる非常事態にも常に果敢に立ち上がり対処してきた人物である。
 彼の行動こそが日本のNGOであり、米国のアフガニスタンン攻撃の時、政府の避難命令でやむなくすべての日本人がアフガニスタンを離れなければならないとき、分かれの席で現地の長老は言った。「たとえあなた方がもうこれないとしてもあなた方日本人がやってくれたことを忘れない。」 そして、中村医師は退避命令がなくなると、またアフガニスタンに戻ってさらにその道を尽くしたのだった。

◆アフガニスタンとNGO
 アフガニスタンは今よりずっと緑豊かで美しい国であった。本来の緑の大地がまた復活するようにと動いたのは、ペシャワール会だけではない。
 中田正一は、日本の昔からの井戸掘り技術で、現地調達の材料でできる井戸掘りでアフガニスタンの緑を取り戻そうとした。この技術はペシャワール会がたくさんの井戸を掘るときに使った。そして、中村医師は病気を治すだけではだめで水の問題に本気で取り組んだという。井戸・用水路・・・中村医師のエネルギーなしに現地の人をしてそれらをつくる意欲をおこさせ、自分たちのくらしのための労働に駆り立てることは無理であったろう。そして中村医師の示してきた道に賛同する人々が自らその道を選んで集まってきた。
 ペシャワール会のみならず、アフガニスタンにはいろいろなNGOとJICAが入っている。難民アフガニスタン人が戻ってきて農業をして生きていくためにやらなければならない地雷除去、タリバンに虐げられていた女子教育などいろいろな分野で活躍したNGO・・・・その働きを、命をかけて発信してきた「平和」と「人への愛」を、踏みにじる行為が行われた。 
 
 復活アフガニスタン、再生アフガニスタンを目指していた人、見守っていた人の夢がついえ去るのか? 

◆アフガニスタンに緑を
 伊藤さんも私が見た中田正一氏のアフガニスタンと上総掘りへの情熱を知っていて、動機のひとつとしてペシャワール会にはいった。そして地元に溶け込んで活動していた。
 伊藤さんのお父さんがインタビューに答えておられた。「本人には頑張ったといってやりたい。家族が認めてあげたい。」
 本当にそうだ。よく5年も頑張られた。そして、家族が、友人が、そして日本が認めてあげたい。そしてペシャワール会がもしいったん引き上げたとしても、可能な形で援助を続け、伊藤さんのしてきたことを無にしないように立ち上がってくれればと思う。

 ペシャワール会はもちろんだが、伊藤さんとまじかに接していたアフガニスタンの村人がもっともその死を悼んでいるだろう。そして、世界でNGO活動に励む人々がその死を悼むだろう。


                        すべての宗教や信条に関わらず、自らの気持ちとして
                                                       合掌
    
                                                          
by miriyun | 2008-08-28 00:33 | Comments(8)
Commented by horaice at 2008-08-28 00:46
miriyunさん
本当に悲しいお知らせです。
何を正義に戦っているのか、理解しがたい行為も
きっとその土地の歴史や事情があるのだと思います。
ただ村の人たちのために 自らを捧げていた人がこういうことになるのは悲しすぎます。
ご冥福を祈ります。
Commented by miriyun at 2008-08-28 03:31
horaiceさん、アフガンの人々が大勢、ほんとに大勢で必死になって伊藤さんを探していました。地元でいい働きをしていたんですね。
Commented by kawazukiyoshi at 2008-08-28 14:49
残念な事件でしたね。
われわれにはうかがい知れない悲しさがアフガンにはあるのです。
ある解説者は「狂気の世界」といっていましたが、
もっと知って、解説するべきだったような気がします。
人々が、分かり合える社会にしたいものです。
今日もスマイル
Commented by lunta at 2008-08-28 21:32 x
悲し過ぎる事件です。冷静に語るお父様や中村医師の胸中を考えるとたまりません。
これでまた「アフガニスタンはひどい所」と思われるのも悲しい。
ただし今回は地元の伊藤さんを知る人々が怒り、悲しんでいることをニュースが伝えていることが救いでしょうか。
Commented by orientlibrary at 2008-08-29 09:30
私も何か書かなくては、と思っていましたが、まだ何も書けていません。
ショックでした。
中村哲さんが、遺体に敬礼されていたのを見て、本当に悲しくなりました。
中村さんのおっしゃる「大和魂」は、実践を継続している人にしかいえない誠実なメッセージがあり、その言葉を思うと、あの敬礼がどんな思いでなされたのかと胸が詰まりました。
また「たくさんのアフガン人が亡くなってきた。アフガンもアフガンの人々も恨まない。これからも活動を続ける」という言葉の深さにも打たれました。
ご両親、ペシャワール会のスタッフの方々の胸中を思います。
伊藤さんのご冥福を心よりお祈り致します。

Commented by miriyun at 2008-08-30 09:15
kawazukiyoshさん、ようこそ、コメントをありがとうございます。
アフガン情報、次々と報道されていて、これからの支援の方法などについても模索されていますね。
 でも、治安が悪化といわれてきましたが、まさか突然こんな結果となるとは・・・。
 絶句です!
Commented by miriyun at 2008-08-30 09:54
luntaさん、写真等で地域の人が捜索し長老が交渉するなどの情報が入ってきますが、現地の人々の声を拾ってくるメディアはないのですね。生の声、地元の声を吸い上げてこそのメディアだと思うのです。残念なことになってしまったけれど、地元の人が語る伊藤さんの5年間の様子は、ぜひともご両親にも知らせてあげたいものなのにと思いました。
Commented by miriyun at 2008-08-30 10:16
orientさん、アフガンのできごとは、現地に関係する大勢のNGO関係者の苦悩となっています。いつも冷静な中村医師の背中にその苦悩があらわれているようです。
 苦しんでいる人がいる、それがある限り、その仕事を続けていく覚悟なのでしょう。中村氏の言葉・・・長いこと続けてきた方の言葉は本当に深いですね。
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