2008年 08月 24日
8月24日・・・北京オリンピックが閉幕した。 ★閉会式 「オリンピックの競技者の義務である本質は己に打ち勝つことだ」というクーベルタン男爵の言葉をNHKアナウンサーが紹介してオリンピックは終わった。そうして己に勝っていった人たちがメダルを取ったり、自己最高記録を出したり、予選であろう自国を代表して初めての選手として活躍したりしたのだ。 TV放映はほとんどなかったが、メダルのない国の人々を讃えたい気持ちでイッパイだ。明日の総集編にはそういう面がたくさん取り上げられるといいと思う。 ◆古代ギリシアからのオリンピックの本質は「戦っている国も戦闘をやめて競技で競う」・・・・この精神が生かされたかというと、グルジアとロシア、中国国内の民族問題等の問題はあったのが大変残念だった。 民族を意識した閉会式ということで上のように中国の少数民族のたくさんの民族衣装で踊っている様子も出てきた。 しかし、 「開会式の民族衣装のこどもがほとんど漢民族だった」という報道。「そんなのは普通のことだ」という漢民族の市民の言葉。「俺たちには関係のない、オリンピックは漢民族の祭典だ」という少数民族の言葉、これらからすると、民族の服を着ている人が必ずしもその民族ではないということもあるかもしれない。50もの民族からなる国であることをうたい文句にするならば、それぞれの民族やその子供たちを呼んで参加させて共に謳歌する・・・その方がずっといいオリンピックになるのだが・・・。それから、9歳の子に歌う形をさせ、歌ったのは7歳の子という。その状態についてもきっちり歌った子のことも紹介して、別の場面でもいいから、例えば閉会式に出演させたり、実はこの子の歌ですと全国に流す番組で紹介してあげるとか、そういう個人を慮る懐の深さがほしいと思った。 2012年はロンドン、警戒は必要だが自国民の言論まで抑えることのない、みんなで伸び伸び応援できるオリンピックに発展していくといい。 ★アラブのシェイカ なお、開会式で旗手を務めた一選手のことを、”映画の1シーンのように印象的な方”と紹介していたが、その選手についてコメントがあり、教えていただいた。 (↑3枚ともNHKTVを撮影して引用) UAEの入場で6人の選手のうち4人までもがドバイ首長国の首長家マクトゥーム一族であるという。そしては何と例の旗手はシェイカ・マイタ 、[詳しく言うと、シェイカ・マイタ・ビントゥ・ ムハンマド・アルマクトゥーム [シェイカはシェイク(首長)の女性形、ビントゥは娘]・・・現首長マクトゥーム家のムハンマドの王女であった。プリンセスはテコンドー選手として参加したが、テコンドーのみならずキックボクシング・空手の実力者でもあり、、自国で各種武道の会長を務めている。 今回は1回戦で敗退したとはいえ、シェイカ・マイタはアラブの女性と気品と社会進出を垣間見せた。 また、6人中4人が王族ということはあまりスポーツというものが盛んでない国の中で、首長一族がスポーツ振興を率先して行っているということかもしれない。 なにしろ、ドバイはUAEの中でも考え方が非常に前向きで、女性の社会進出についても率先して出るように指示していると聞き及ぶ。アバヤを着るところは着る。しかしスポーツウェアでスポーツをすべきことはする。毅然としていて、それでいて柔軟、そういう王女を今回見て、マクトゥーム一族の雰囲気の一端を感じ取ることができた。 ◆かって、オマーン国王が退位後に来日、日本女性が王室に嫁ぎ王女が産まれたがイスラームの国であるだけに女性については他と接触することがなく半分日本人でありながらずっと公の場に姿をあらわすこともその生涯が紹介されることもなかった。日本女性がオマーンに乗り込んで接触してようやくその姿が明らかになった王女である。若い頃はずっと不遇で外にも出られない状態であったという。 それとは明らかに異なるイスラームの時代になってきている。 何はともあれ、北京オリンピックの開会式の演出は歴史に残るものであり素晴らしかった。選手の努力とそこに至るまでにはドラマがあり、素晴らしさを見させてくれた。夢の祭典だが、たくさんの若者がこれに触発されてまた頑張る人がでてくる。そういったことに期待して夢の祭典を見終わった。
by miriyun
| 2008-08-24 23:35
|
Comments(4)
Commented
by
とらとら
at 2008-08-25 08:03
x
AFPニュースというウェブページで、ドイツの動物園のトラの写真がありました。歩き方についてです。記事のタイトルは、「ドイツ、ミュンヘン動物園のシベリアトラ」です。
0
Commented
by
miriyun at 2008-08-25 14:58
とらとらさん、ようこそ。シベリアトラの写真を早速見に行きました。立派な側対歩で、トラも側対歩の仲間入りです!
コメントをありがとうございました。
UAEのお姫さま、2、3日前にNHKで取り上げていましたね。
6人中4人が王族となると、王族しか代表になれないんじゃないかと勘ぐってしまいますが、このお姫さまは本当に格闘技好きみたいですね。今度は空手の選手として日本に来るとか。 ボランティア活動にも熱心なようだし、この人とかヨルダンの王妃がもっと紹介されるとイスラム女性に対する印象も変わって来るんじゃないでしょうか。 それにしてもオマーン国王に嫁いだ女性がいるとは、今度詳しく紹介して下さい。
Commented
by
miriyun at 2008-08-26 01:27
luntaさん、ドバイは今最も注目されているところの割には人物像が伝わってきません。
たしかにこういったところからでも、少しづつイスラームの女性らしさが知られていってほしいものです。 |
アバウト
カレンダー
記事ランキング
タグ
高橋大輔・フィギュアスケート(345)
季節の風物・日本の光景(317) ★アラビア書道(153) ◆イスタンブル歴史紀行(142) UAE(ドバイ・アブダビ・シャルジャーなど)(139) シリア(86) イエメン(85) ◆料理とお菓子と(85) 本田孝一氏Web作品展(63) トルコ(63) ◆時の話題(62) Fuad Kouichi Honda(58) チュニジア(51) ◆ラクダ(50) マレーシア(49) ◆砂漠・砂漠化・砂・蜃気楼(47) イラン(ペルシア)(44) ヨルダン(43) サハラの情景(43) アラビア語のカリグラフィー(38) ペトラ遺跡(37) ◆各地のモスク・廟・メドレセ(35) 港ものがたり(34) 文様の話(植物文様・動物文様・組紐文様など)(34) 鳥(クジャク・ハト・カモメ・シラサギ・ダチョウなど)(32) ◆子どもたち(32) アラブ・チャリティー・バザー(30) イスラームの工芸(エブル・テズヒーブ・金彩・装丁)(29) オスマン帝国外伝(29) ◆砂漠の植物・その他の植物(28) ◆衣生活*民族衣装(27) ★ライオン紀行(27) 植物の話(葦・ザクロ・綿花・桑・オリーブ・ひまわりなど)(26) モザイク紀行(26) サラディン(26) 王ヶ頭ホテル・美ヶ原(25) ◆世界の家のつくり・材料(25) アル・マハ・デザート・リゾート(25) ◆人々と暮らし(24) 日食・月食・星・虹・幻日・ブロッケン現象・サンピラー(24) アブダビ(23) 絨毯・キリム(23) ウズベキスタン(サマルカンド・ブハラ・タシケントなど)(23) ◆国際協力(JICA・青年海外協力隊・NGO)(23) ◆象嵌(貴石・大理石・貝・金属など)(22) ◆ペトラ特集(22) クローズアップ人物(22) レバノン(21) ◆古代エジプト(21) タイル(21) ◆馬・牛・ロバ・ヘビ・家禽(21) 東京ジャーミー(モスク)(21) 桜(21) オリンピック開会式・他(20) ◆光の技・朝景・夕景(19) シェイク・ザーイド・モスク(19) ナツメヤシの話(19) 映画と史実・撮影地・エピソード(18) ◆ワディ・ラム特集(18) クイズ(18) ローマ帝国(17) 世界のフルーツの話(17) 水生植物(睡蓮・蓮など)(16) ◆レイクパレス(16) イマーム・モスク(16) 猛禽類(鷹・ハヤブサ・梟・鷲)・鷹狩(15) 東日本大震災(15) エジプト(14) ◆ミニアチュール(14) 航空写真(14) ◆飲み物(お茶・コーヒーなど)(14) カンボジア(14) デーツ(13) ミマール・スィナン(シナン)(13) サウジアラビア(12) アヤ・ソフィア(12) ◆ウマイヤドモスク特集(12) ◆トプカプ宮殿(11) トゥーラ・トゥグラー(11) アラビアン・オリックス(11) ブルジュ・ハリファ(11) 佐竹史料館(10) ペトロナスツインタワー(10) ◆結婚式・割礼式など(10) ◆古代文字(ヒエログリフ・楔形文字・ローマ・ナバテア文字他)(10) ◆水の話・水道橋・貯水池(10) ★刺繍・布・織りの世界(10) アラビア書道の年賀状・カード(10) ダマスカス(9) 熱気球の旅(9) 浴場・風呂の話・テルマエ・ハンマーム(9) ◆暦・古天文・科学(9) パピルスの話(9) ◆日本との関連(9) モスクのつくり(ドーム・天井・ミフラーブ・ミンバル・絨毯他)(8) プロカメラマンの話&写真展(8) ◆オアシスとその周辺(8) ミナレット(マナーラ)(8) 武士の文化(8) ◆タージ・マハルとアグラ城(8) 最新のコメント
お気に入りブログ
ヒンズー語ではありません。 中東イベント情報 アフガニスタン/パキスタ... イスラムアート紀行 はなももの別館 部族の絨毯と布 caff... Over the Blue アジアⅩのブログ 旅と絨毯とアフガニスタン トルコ~スパイシーライフ♪ にっと&かふぇ ギャラリーもっこ堂 アートなD1sk 前田画楽堂本舗 森の釣り人 アトリエサフラン トルコ... ツルカメ DAYS ソーニャの食べればご機嫌 - イスタンブル発 - ... わんわんぶー *********
・・・・・・・・・・
イスラームの自然や文化の写真はすべて自分の撮影したものです。ご利用になりたい方は非公開コメントにしてコメント欄に連絡用メアド等記入してください。 ▼△▼Ranking▼△▼ *応援ありがとうございます ◆It is prohibited to use the photograph, the image, and the illustration published in this blog without permission. ▼リンク集(エキサイト以外)▼ ◆こよみのページ ◆茉莉千日香 luntaの大きい旅小さい旅 いち子ばーばのお針箱Ⅱ 旅のミラクル 風と花を紡いで Kの庭 CROKO NOTE 地球散歩 エジプト大好きAnnyのひとりごと エジプト旅行カバン 中東ぶらぶら回想記 Asian Memories ETHNOMANIA 優しい世界の作り方。 のぶヒろぐ~漆喰について日々考える~ シンガポール熱帯植物だより+あるふぁ 実りのとき The Japanese Dubai ************* ☆日本アラビア書道協会(JACA) ☆アラビア書道とその周辺 ▼▼▼▼▼▼ ▲自己紹介▲ ☆写真・・・カメラを通すと新しい視点が与えられます。 ・TV番組や書籍に採用されています。(使用をご希望の方はコメント欄にご記入ください。) ☆文字・・・ヒエログリフ・楔形文字・マヤ数字・トンパなどにはじまった文字への思いは、アラビア書道に昇華しています。 ・アラビア書道 IRCICA国際競書大会 第4回・第5回・第6回いずれも Incentive Prizes 入選 ☆自然・・・イスラーム地域や日本の自然のささやきをひろってきます。ただし、最近はアジア・ヨーロッパなども含めて幅広く書いています。 ☆文化・・・いろいろな地域の文化比較や相互の関連を見ていきます。 ★これらが一つに重なって大きなライフワークになっています。 ☆また、スポーツの世界で稀有の芸術性を体現するフィギュアスケーター高橋大輔選手の魂の演技を見つめ応援しています。 ◆アクセス数(2006年5月ネームカード導入後のカウントで表記) 2017年 700万アクセスとなりました。 ご訪問ありがとうございます! ◆Welcome!! (2009.03.28より設置) ☆最新の来訪国等 ようこそ!(^_^)/ 183か国目マン島 182か国目セントルシア 181か国目マリ 180か国目バヌアツ 179か国目トンガ 178か国目バルバドス 177か国目キュラソー(オランダ領) 176か国目ジブラルタル 175か国目モーリタニア 174か国目ジャージー 173か国目セイシェル ▼▼▼▼▼▼ ◆こちらは自然と文化を一個人が自由に語るブログです。内容に関係のないコメントおよび販売を目的としたコメント、各種中傷、政治的発言等はこちらで削除させていただきますので、ご理解のほど、よろしくお願いします。 ブログパーツ
カテゴリ
全体 自然(砂漠・ラクダ・蜃気楼) アラビア書道 カリグラフィーを読もう サラディン紀行 Fuad Kouichi Honda ヨルダン イスラームの工芸 トルコ 絨毯・キリム シリア 東京ジャーミー(工芸) イラン(ペルシア) 日本の中のイスラーム 食べ物・飲み物 中東について レバノン イスラーム全般 写真館 中央アジア 数字・文字 チュニジア エジプト その他 インド U.A.E. 文様の伝播 マレーシア サウジアラビア 日本 動植物 カンボジア 空・太陽・月・星・雲 未分類 以前の記事
2023年 10月 2023年 09月 2023年 04月 2023年 03月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 08月 2022年 06月 2022年 05月 more... 検索
外部リンク
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||