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2008年 07月 24日

のびるのびる…金の話(2)

金はのびても性質が変わらない。   

◆金箔
 金は延性がある。延性とは金としての性質が破壊されることなく細長く引き伸ばせる性質のことである。どんどん薄くしていくことができるこの特色をめいっぱい使ったのが金箔というものだ。
のびるのびる…金の話(2)_c0067690_8492513.jpg

 しかしこれではどのくらい延びているのかわからない。
じつは、これは1gの金の粒をのばしてのばしていくとこうなる。うすさは10000分の1mmという薄さで、もちろん紙よりもずっと薄い。金箔はふつうはこの薄さなのだ。

 1gの金の粒がどの大きさまで延びるのか。江戸時代の俵屋宗達の名作「風神・雷神図屏風」でたとえるならば、
のびるのびる…金の話(2)_c0067690_8483987.jpg

 この図のように金箔を貼ってあるうちのきりぬいた正方形部分、これで約60cm×60cmである。
 これが1gの金が無理なくこれだけ伸ばせて実用的に使われる。
 あまりにも軽くて大きくするとすぐにくっついてしわくちゃになるから、通常109mm四方の大きさを上等の手漉き和紙に一枚一枚挟んである。これを一枚ずつ竹挟みでそっと挟み、息を止めて貼るのが金箔である。必要に応じて10000分の5mmぐらいまでの厚みのを使う。

◆ 同じように金の伸びる特性を糸にしてみる。
1gの金から金糸をどれだけ取れるのだろうか。
                     金糸は3000mにもなる。

☆こうした金の特性を使って、どれほど世界の多くの工芸品や絵画が飾られてきたことか・・・。

                                       
                                                    
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by miriyun | 2008-07-24 04:08 | Comments(2)
Commented by ぺいとん at 2008-07-29 02:06 x
小学生の時に先生が耳かき一杯くらいの金を畳一枚くらいまでに薄く伸ばせると教えてくださりとても驚いた記憶があります。 
この吹くと飛んでしまう薄さ、目指す場所に綺麗に置くのはすごい集中力が必要ですよね。 
食用(というか飾りの)金箔一かけでさえヒラヒラ動いて難儀しているくらいですから。 

うんと小さくなって3000mの金の糸で編まれた繭の中に入ってみたいな~♪
Commented by miriyun at 2008-07-29 12:13
ぺいとんさん、金の糸は実に繊細で繭からとった生糸のようでした。だから金糸の繭玉できそうです。金の繭の中でねたら金の眠り姫が生まれそうです。
 ところで、ぺいとんさんの先生のほうが60cm四方よりもずっとインパクトのある表現です。この表現で覚えておくようにしたいと思います。
 とてもわずかな空気のゆれでくっついてしまうくらいですから大きい金箔は作ることはできますが、扱いが難しくなってしまい、109mmという大きさが限界なようです。


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