2008年 05月 03日
サナアを見渡す。 屋上にはイエメンの旗がなびく。風が爽快で清々しい。 ところで、この国旗を結び付けている白いものは何なのか。 イエメンの家の上部装飾はどうなっているのか? サナアなどイエメンの西側の地域では屋根の上の屋上側面にも多彩な漆喰装飾ををそれぞれ好みの柄で施す。美しいボーダー状の装飾がたくさん見られる。 また、屋根にこんな「とんがり」をつけることも多い。 カマリア窓に白い漆喰装飾、更にこのトンガリが載ると一挙に1000年の都らしくなる。おとぎの国らしくなる。 王冠のようなトンガリ具合が楽しい。 (建てこんでいるところにあったので周囲のビルはぼかした。) サナアではずっと地震がないという。だjから400年、500年の家は普通で、古くは1000年以上の歴史を持つ家がある。そういった半永久的な家で、人々は何と個性的に暮らしているのだろうか。 イエメンについては、西アジアの最貧国という形容詞もよく聞く。 しかし、この個性を主張する家づくり、そしてこれまで見てきたようなジャンビーアとスカーフの色を合わせたりする色彩感覚、どこのアラブ諸国よりもスカーフを多彩な巻き方をするセンス、そして何よりも人々の笑顔に接すると、『貧』とは何を規準として考えるべきことかと考えてしまう。 彼らの生活から私が見出したのは 『貧』よりも、 日本の武士に通ずるような『品』であった。 応援クリックお願いします。
by miriyun
| 2008-05-03 11:23
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Comments(10)
まるで砂糖菓子・・という印象を持つイエメンの独特な家は漆喰を部分的に施して「装飾」としているのですね。日本で漆喰といえば主に壁をイメージするので面白いです。
それから下の二つ、カマリア窓の記事を興味深く拝見しました。透かし彫りにアラバスターやガラスをはめ込んだ形だったのですね。細かい文様のものは私もモザイクだとばかり思っていました。工程を見て、目から鱗でした。イエメンの文化も奥が深そうですね。
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peque-es at 2008-05-03 20:36
サナアって、こういう所だったんですね。イタリア人の友達が数年間住んでいて…クリスマス・カードの宛名を書く時に、いつもどういう発音なんだろうと思ってました(笑)。彼女もイエメンは、人も土地も、とってもいいところだと言ってました。
豊かさや貧しさの基準、本当にもっと真剣に見直したいです。こんなに奇麗な家、日本のどこかにあるでしょうか? そして古いものや文化を大事にする心も…
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miriyun at 2008-05-03 23:08
さらささん、何しろ日干しレンガなのでつなぎ目を防水するという目的もあって漆喰を使いますが、その白の色を生かして文様装飾しています。ギリシアなどは建築物全体を白くするのが普通だと思うのですが、イエメンは土の色、石の色はそのまま使うのはイエメン風ですね。イエメンの生活文化は味わいがあります。
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miriyun at 2008-05-03 23:24
pequeさん、イエメンの人たち、親切でユーモアもある人たちです。だからしばらく住むにはとても魅力ある国だとおもいます。
日本も古い伝統文化がある国です。この国のように個性が伸ばせるようなものがあるといいです。自分の国も他の国もその文化を受け継ぎ次世代に続ける事ができるといいですね。 決してゆたかではないけれど心がシャントしていることが大事だとおもいました。
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yokocan21 at 2008-05-04 06:10
このイエメンの芸術的感覚って、他にはない素晴らしさですね。建物の装飾しかり、窓辺の装飾しかり、親しみやすい洗練のされ方です。こうして色んな角度から紹介して頂いて、益々イエメンの虜になっちゃいそうです。
1000年以上の建物もあるってことは、日干しレンガの造りってのは、相当に頑丈だってことですよね。先のorientlibraryさんのところでも教えてもらいましたけど、たかが日干しレンガ・されど日干しレンガ。奥の深いレンガです。 ところで、サナアの街って、街全体がこのような伝統的な建物なのでしょうか。それとも、新市街なんてのがあって、近代的なコンクリート造りの建物もあったりするんでしょうか。 「貧」だけど「品」のあるってところ、とっても気に入りました!「貧」なんて誰かが言ってるだけのことで、実際の姿は「品」のある素敵なものってことは、miriyunさんの愛情のこもったレポートで十分に伝わってきます。
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at 2008-05-04 07:39
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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ぺいとん
at 2008-05-04 13:58
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『品』のある生き方、素敵ですね。歴史や伝統を大切に重ねていくことと貨幣経済の発達は相容れないものがあるのでしょうか。
有り余る富を惜しげもなく使っている姿は悲しくも見えることがあります。 それにしても地震がないとは、なんて大きなお恵みなのでしょう。 大きな変化のない暮らしぶりはやはり幸福のアラビアだと思えます。
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miriyun at 2008-05-04 22:48
yokocanさん、日干しレンガというとすぐに崩れてしまいそうな軟弱な家という気がしていました。しかし、地震がなくて、毎年きちんとメンテナンスしていると1000年持つということはすごいことです。薬師寺西塔を作った宮大工のように日干しレンガメンテナンスの技術者がいるんでしょうね。
旧市街の周辺部に通常の外資系のホテルなどが並んでいるところがありました。見える範囲では人々は旧城壁内の伝統的家屋にいるように見えていますが、交通が便利になれば郊外に新住宅が促進されていくことでしょう。これから生活の便利さと欧米並みの生活になって言ってしまうのでしょうが、伝統と心を置き去りにするようなことにはならないようにと祈っています。
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miriyun at 2008-05-04 23:19
鍵コメさま、マーリブといい、先日のサーダといい、以前から危険だといわれていたところではまだまだ反政府勢力による事件が多いですね。旅行者など地元につながりのないものは少なくともこういった紛争地は避けたほうがいいでしょう。
これまでテロはほとんどその危険とされていた地域とアデン沖合いで起きていました。しかし、ここのところ首都のサナアでも事件は起きており、一般のイエメン人にとっては迷惑なこまったことばかりおきています。長い南北イエメンの内戦をこえて統一されたのにこういう紛争が続いていることが残念でなりません。少しでもその国を知れば、こういった事件が起きたときにもあの町は大丈夫だろうか、あの人は無事だろうか、なぜこんなことがおきるのか・・こう考える人が増えていくことが大事なことだと思います。 それにしても、イラク、アフガニスタン、パレスチナ・・・どうなっていくんでしょう。
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miriyun at 2008-05-04 23:49
ぺいとんさん、以前は働きに応じてはお金というものがわたっていくものと思っていました。ところが豊かなものはいくらでも増やすサイクルにおさまり、資源が採れるかどうかで、はたらきがなくとも裕福になり必要以上の贅沢におぼれる。そんな中でも、コミュニティーや家族が崩れさえしなければ、しっかりとやっていかれると思います。
それにしてもイエメンの日干しレンガの家。じょうぶなものですね~! |
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