写真でイスラーム  

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2008年 04月 18日

クイズの答&古代アラビア文字

 アラビア文字の元になったのではないかといわれる文字はいくつか存在する。イスラーム以前のアラビア半島の文字につぎのような文字がある。

クイズの答&古代アラビア文字_c0067690_65716.jpg


 これはイエメンに残る古代の南アラビア文字(正確には南アラビア地域で使われた古代文字)である。現アラビア文字の元になった可能性が研究されていたが、今はエチオピアの文字への影響を持った文字とされている。(アラビア文字の起こりについてはまた、後日述べる予定)
直線的で岩に彫るのもかくのも定規が必要そうだ。


 直線的な文字は現代アラビア文字の中にもある。

クイズの答&古代アラビア文字_c0067690_75774.jpg

 これはいつの時代も使われて今でも、盛んにデザインされる。何しろ真四角の中などにきっちり入れるには良い文字なのだ。

          クイズの答えは・・・・
                   ☆クーフィー体

意味は、ムハンマドの祝福  
読みは、バラカートゥ・ムハンマド

 あまりにも直線的なデザインなので、葦ペンや竹ペンでは書けない。定規で輪郭を書き、なかを塗ることになる書体なのである。唐草風の葉の紋様をつけたものもあり、何とおりものクーフィー体が存在する。
                        
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by miriyun | 2008-04-18 07:08 | Comments(10)
Commented by ぺいとん at 2008-04-18 07:17 x
サバーフル ハイル!(使ってみたかったです。) 
『雨の朝』などという言い方はするのでしょうか、しないですよね・・・・ 

古代アラビア文字から随分形が変ったようにも思えるし動きが出たと言えばそうも思えるし・・・初めてハングルを見たときのような印象です。
Commented by orientlibrary at 2008-04-18 11:19
古代のアラビア文字、初めて見ました!感動です。
最初の文字というのは、どこのものも共通するものがありませんか?そこから流麗に発展していったのかなあと想像が広がりました。クーフィー体はタイル装飾のカリグラフィーとも相性が良く、幾何学的な美しさがあって、高度な文字の美だなあと感心します、
Commented by Azuki at 2008-04-18 17:06 x
クーフィー体、ほんと幾何学みたいでかっこいいですね。が、古代アラビア文字のほうが親しみがわきます~^^石だから直線的になるのかなぁといろいろ考えてしまいました。彫るの大変そうですものね、○がキレイに惚れてることがすごいと思いました。
Commented by yokocan21 at 2008-04-19 05:10
何も知らない私は、アラビア文字は最初からああいう形だったんだ、と思っていました。この古代文字から見ると、今のアラビア文字は凄い進化を遂げているんですねぇ。
このクーフィー体は、モスクでよく見かけますけど、以前のハサンケイフの記事でmiriyunさんに教えて頂かなかったら、装飾だと思い込んでいましたよ。こういう書体を考え出すって、なんて想像力豊かなんでしょうねぇ。
ところで、アラビア文字の書体は、書かれる場所や物によって、変わってくるということなんでしょうか。それとも時代によって違ってくるんでしょうか?
Commented by miriyun at 2008-04-19 09:32
サバーフン・ヌール!ぺいとんさん、
 『雨の朝よ!』 という挨拶あってもいいですよね。
 でも、砂漠地帯はまあ、ほとんど雨が降らないし、降る時には雷と共に恐ろしいほどふります。イエメンなど山岳地帯はけっこう雨が降ります。これは自分の印象ではさわやかに雨の朝よ!といいたくなる雨ではなく、午後に突然もくもくと黒い雲が湧き出てスコールのごとく激しく降り始めるという感じです。
 ですから、やはり挨拶用語としては、光・バラ・ジャスミンなどきれいなものが使われていルト思います。
Commented by miriyun at 2008-04-19 09:38
Orientさん、文字は最初、岩や骨の上にぱらぱらと書かれ始めました。
 後にはきちっと型が決められ整ってきます。その後、長い時を経て更に流麗になっていったり変化するものです。そしてそれがそれぞれいいところがあると書体として生き残っていくように思います。
Commented by miriyun at 2008-04-19 09:41
Azukiさん、文字の岩への彫りが最も発達していたのはエジプトのヒエログリフと思います。でもこの文字も直線的なわりに味わいがあってけっこう好きなんです。
 だから、Azukiさんがこちらのほうが親しみがわくとおっしゃるのが良くわかります。
Commented by miriyun at 2008-04-19 10:02
yokocanさん、アラビア文字の変化はイスラームの発展と共に大きく変化しました。ダマスカス・バグダッド・カイロ・イスタンブルなどが世界の中でも有数の科学・学問の中心であったころ、その用途に応じて、その道の達人がより洗練された文字を考えだし、そして実用文字として建築物・タイル・ステンドグラス・つぼありとあらゆるところをキャンバスとして発展していきました。一言では言い切れない発展をしてきていて、これも調べつつ特集していきたい題材です。
 ちなみに、クーフィーは現在のイラクのクーファで生まれた文字です。イラクは近年の戦争・混乱がなければメソポタミア文明の中心地としての重要性はもちろんですが、アラビア書道の歴史があるところとしても意識しています。
Commented by caffetribe at 2008-04-19 17:19
古代アラビア文字、魅力的ですね。『神々の~』に出てきそうな暗号のような雰囲気を感じます。彫られているのが、岩というのがそそられます。
後日の紹介期待しています。
実は、『クーフィー体』にも興味を持っていました。昨年はじめて実物をみたのですが、13世紀の作と言われている、コンヤのモスクより発見されたパジリク絨毯を除く最古の絨毯郡のボーダー(周り縁)にこの、『クーフィー体』で綴られたモチーフがあり、これらの絨毯がクーフィーボーダーと称せられているのです。貴重なお話ありがとうございました。
Commented by miriyun at 2008-04-20 12:57
caffetribeさん、13世紀のクーフィー、その頃にはもうクーフィーはさまざまに発展していたでしょうし、どのようにモチーフになっているのかみてみたいですね。絨毯によくナスタリーク体で工房名が入っていますが、クーフィーはもちろん織り手としても直線的なのでやりやすいのではないかと思います。
 古いアラビア文字はどれか読んでからご紹介したいと思っていたのですが、考えたらイスラーム以前の単語もわかっていないで読むことはできないとわかりましたので、よめないままのご紹介回となってしまいそうです。


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