ミフラーブのカリグラフィー…アヤソフィア

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 アヤソフィアはその後半生でモスクとして使われたため、キブラ位置が最初から計算されて作られていない。
 東向きの正教会のアプス中央(祭壇の置かれたところ)に対して、キブラはわずかに南東にずれている。そのため上のステンドグラス3面のうちこの写真に見えている青のステンドグラスが中央なのだがそれとずれているのが見て取れる。


 さて、このように後から付け加えられたミフラーブ(キブラ・・・メッカの方向をあらわすくぼみ)ではあるが、あと付けとはいえ、その祈りの中心部を見るとやはりくぼみとなってそこには何ら装飾はない。

 しかし、そのくぼみの周辺はそれぞれの地域の特色ある材料やデザインが用いられたりする。たいていまずコーランの言葉をあらわしたカリグラフィーが多く用いられる。



 ★☆カリグラフィーを読もう☆★ 
 
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◆まずは、横書きのカリグラフィー
前半:アッラーの他に神はなし、ムハンマドはアッラーの使徒である

後半:ワ アンナ アルマサジダ リッラーヒ ファラ  タドアウー マア アライヒ アハダン
  すべてマスジドはもともとアッラーのもの、さればここでアッラーと一緒に他の神をあがめてはならない。(アル・ジンの章)

 以上、この二つが、組み合わされていた。

◆そして気になっていたのは、このカリグラフィー
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 形の中に埋め込んだ文字は点の位置などが微妙だ。(短い文なのに語彙が少ない上にバイトゥの点の位置に気付かなかった自分は、師の助言を得てようやく理解したのだった。)
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ワル ヤッタウワフービルバイティル・アティーキ

そして彼らにその古き家(カアバ神殿のこと)をタワーフ(廻ること)させなさい(巡礼章)

*こうして意味を知ってみるとミフラーブにはそれなりのふさわしい言葉を選んでいることがわかる。
 なお、一番下には書家のサインがあるが細かすぎて読み取れない。また、年号はヒジュラ暦で 1260年とある。西暦ならば1844年のことである。
 すると、このミフラーブを今の形にしたのはアブデュルメジド1世ということになる。
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そういえば、アヤソフィアの記念碑的に残されているモザイクのトゥーラは、アブデュルメジドと書かれていた。彼の時代に大がかりな修復が行われたということだろう。
 
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by miriyun | 2008-03-28 11:14 | カリグラフィーを読もう | Comments(4)
Commented by yokocan21 at 2008-03-29 06:33
アヤソフィアのミフラーブ、こうもキンキラなものって珍しいと思います。ビザンティンの影響なのか、それとも元々アヤソフィアで使われていた何かを利用したものなのか。私には、教会の祭壇に見えて仕方がないんですが。
モザイクのトゥーラも素晴らしいですね!
今度アヤソフィアに行った時は、miriyunさんのお陰で様々な角度から見学することが出来そうです。嬉しいです♪
Commented by hyblaheraia at 2008-03-29 07:35
はじめまして!シチリアのラグーザという町から拝見しています。
こんな神秘的な文字がお読みになれるなんて素敵ですね。色分けして示された松ぼっくりのような形のカリグラフィーは、下から上に読むんですか?驚きです!
今、ウィキペディアでアヤソフィアについて読みました。重ねられる歴史に圧倒されます。聖母子像のモザイクも残っているんですね。
Commented by miriyun at 2008-03-29 08:27
yokocanさん、本当に金の使用量が他に比べて圧倒していますね。アブデュルメジド1世はドルマバフチェも建てていますし、まだ財政的に余裕があったのでしょうか。この頃は日本もトルコも激動の時代に入る寸前で、まだスルタンの権威も大きかった時代ですね。
 あまりにも金が多いのですが、この大聖堂に後付けするには何しろ大仰にするしかなかったのかもしれませんね。
Commented by miriyun at 2008-03-29 08:36
hyblaheraiaさん、ようこそおいでいただきました。
 アラビア語のカリグラフィーに興味を持っていただきありがとうございます。これは日本の書道同様いろいろな書体があり、また書き方もさまざまです。一定のルールの下に書かれるのですが、このようにある形の中にデザインされたものは複雑に入り組んでいて読みにくいです。
 アヤソフィアのように1個の建築でこれだけ語れるものはないのではないかというくらいの歴史をもっています。まだ、自分自身でも書きかけの内容なのでこれからも続けていくつもりでいます。
 これからもどうぞよろしくお願いします。
 


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