2007年 12月 26日
16世紀から17世紀にかけて、赤い絵付けが盛んに行なわれた。もとは中国の赤絵付けにあったが、その後日本では酒井田柿右衛門の朱色がかった赤の発色に成功し、トルコではイズニックの珊瑚赤・トマト赤の発色を成功させることになった。 珊瑚赤もトマト赤も赤の発色の原理は同じようで、特に区別されていないようだ。 しかし、ココでは朱に近い色・やや暗い色は珊瑚色として表現していくこととする。 ☆珊瑚赤 細かい線で描かれ着色されている。青いカーネーションと珊瑚赤のアイリスと周辺部の花々をすっきりとまとめている。 やや太めの筆でエイヤッと描かれている。素朴なのに美しいのはタイルの質がほかとは異なるかもしれない。 トプカプのタイルには石英の含有量の多い石を使っているものもあり、高価ではあるが、発色がよく長持ちするという。 ◇ さて、ここまで青・緑・赤のタイルの色を見てきたが、赤だけの特色がある。それは、そう意識して見たり、触ったりしないと気づかないことが多い。 それは絵付けをしたところのうち、赤だけが盛り上がっているという点だ。 そのままではわかりにくいので、斜め撮りにしてみた。 すると、 珊瑚赤だけが浮かび上がって見える。珊瑚赤があるところだけふくらみ、その上に透明釉がかかって固まっているので等高線のようなわっかが浮いて見える。 これによって、青や緑は平らになっているのに、赤色だけ盛り上がっていることがはっきりと確認できる。 ポチッと応援よろしくおねがいします
by miriyun
| 2007-12-26 18:03
| トルコ
|
Comments(6)
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ぺいとん
at 2007-12-27 02:23
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『珊瑚赤』、綺麗な言葉ですね。ここではタイルですが陶器に赤が入れられているのといないのではそれが食器の場合など味が変るとさえ思うのです。
深みや甘さが加わるような感じがします。 どのような全体か想像がつきませんがこのタイルの全貌拝見したいです。私の宝物の湯のみをしげしげと眺めてみましたが等高線は見られませんでした(泣)
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Azuki
at 2007-12-27 03:12
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ほんとにきれいに残りますね~
エイヤッとたぷっとした塗り方が好きです。 ふくらみは粒子の大きさが違うのかもしれないですね。綺麗な色。 私は磁器に関して、微妙な時このふくらみで手書きかそうでないか見分けたりしてます(^。^;)
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orientlibrary at 2007-12-27 09:46
新書で出た『オスマン帝国 イスラム世界の柔らかい専制』を読み始めています。
オスマン帝国、広い!長期!強い! とくに初期の帝国の仕組みつくりと寛容な態度に、イスラム世界の深さと賢さを感じました。 帝国が広大なぶん、貿易や交流も盛んで、ほんとに東西の交差点的な魅力に満ちていますよね。 ただ、ヨーロッパに近いせいか、近世あたりから、いろんな面で個人的にはちょっとキツいテイストになってきますが、、このあたりは好みもありますね。なにしろ「土族」なので、泥臭い方に惹かれる傾向ありで、、 タイルでも、サファヴィー朝とオスマン朝は、「花咲かせ方」が違っていて、面白いです。イランは優美かつ、とことん凝縮していく感じがしますが、トルコは詩的なかわいらしさや物語性がありますよね。絵付けタイルの最高峰だと思います。オスマン朝シリアの染付け風タイルもいいですよ。 が、、これだけの素晴らしい歴史がありながら、現代のものは、産業としてきちんとしているぶん、逆に手描き作品でも量産品に見えてしまうものもあり、、そのバランスが難しいなあと思いながら見ています。
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miriyun at 2007-12-27 13:22
ぺいとんさん、真剣にお持ちの湯飲みまでご覧いただいてどうもありがとうございます。この全貌写真はなくてすいません。斜め撮りに集中していてお間抜けでした。やはり正面から見たのと比べたいですよね。
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miriyun at 2007-12-27 13:29
Azukiさん、ふだんふくらみで見ていらっしゃるんですか~。すごいです。粒子細かさも色の発色に大きな影響があるようなんです。私はもともと詳しくない分野なので勉強しながらやっとすすんでいます。
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miriyun at 2007-12-27 13:36
Orientさん、オスマンの初期はほんとうに開拓精神と覇気に満ち溢れているように感じます。36人ものスルタンが現れて、頭の中がごっちゃになりながら文化遺産や建築物とのかかわりを整理しているところです、
あ~~~~っ!でも自分の家と自分の持ち物の整理のほうが先にしないとまずそう! 花咲かせ方・・・なるほど、素敵な表現です。ペルシアの優美さはこの上ないものがあります。トルコはやはりチューリップと小花で可愛いという表現になりますね。 |
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