2007年 12月 09日
今回は、次のご質問に対する答えとして書き綴ってみる。 *前出のアヤソフィア朝景の撮影時刻 *国による日の出日の入時刻と生活感との違い 1、朝の過ごし方 先日の朝景は日の出が6時59分の時だった。テラスに出るにはレストランを通らなければならない。レストランのオープンが7時といわれていたがそれでは間に合わないので入れてほしいと申し入れしたので覚えている。 日の出の時刻は、事前チェックしている。 このブログの右下にだいぶ前から『イスタンブルの天候』と『日の出日の入時刻』を出しているのはそのためで、ネットカフェでブログを読み出すだけでわかるようにしてある。 上記二点の写真はすっかり写真撮影が終わって、食事に入った時のもの。 このくらい朝の独特の空の色がなくなったり、朝日がぎらぎらしてくるともうカメラは傍らにおいてお休みタイム。 役目を果たしたカメラがいとおしい。 私の朝食は目だけで雄大な景色を楽しみながら、じっくりいろいろな前菜やらパンやら楽しむ。最後のチャイはもう満足としか言いようがない。お茶の味は心の持ちようでもとても変わってしまう。 ポチッと応援よろしくおねがいします お忙しい方はここまで。お時間のある方は次へ ★~~~★~~~★~~~★~~~★~~~★~~~★ 2、日の出・日の入時刻の国による違いについて スペインと日本の日の出時刻があまりにも違うことについてのご質問に対して・・・ちょっとややこしいですが・・・。 ◆ 日の出については、まず緯度の違いが昼と夜の長さに関わってくる。 北緯35.68度の東京は今日は昼が9時間50分であるが、四捨五入するといずれも北緯40度になってしまうイスタンブルとマドリードは9時間19分と9時間23分となる。 ◆そして、この生活感と日の出との違いだが、例えば、今日、2007年11月9日の場合は、次のようになる。 日の出 日の入 経度 東京・・・・・・・・・・・・6:37・・・・・・・・16:27・・・・・・・・東経139.64 イスタンブル・・・・・7:17・・・・・・・・・16:36・・・・・・・・・東経32.68 マドリード・・・・・・・ 8:24・・・・・・・・・17:47・・・・・・・・・・西経3.70 *ご質問のように確かに、マドリードと東京でずいぶん異なる。 それは標準時子午線と実際の経度の違いによる。 ご存知のように日本の標準時子午線は135度で、それに対して東京は139.64、約4.64度の違いがある。だから南中時を12:00とする時刻の考え方からすれば、明石市が12時の時、東京は1時間の約三分の一近くすなわち約19分ほどすすんでいることになる。そうすると標準となる経度にあわさず地球上の位置から決める時刻は12時19分になっているはず。 これを基に考えて見よう。 1.東京とイスタンブルは日の出の発表時刻は約30分異なる。それぞれの国の標準時でなく都市ごとの本来の時刻で言うと、東京の日の出は6:56分ごろ(注意・概算なので正確ではない)、イスタンブルは標準時子午線の通るアンカラからわずかにずれていて1分の違いなので7:16分ごろ。だいぶ近づいてきたが、まだ十数分ほどの違いがある。これは、最初に述べた緯度の違いによるもので、イスタンブルのほうが緯度が4度ほど北にあるため昼の長さが東京より・イスタンブルで31分の違いがあるためである。 日の出 日の入 経度 東京・・・・・・・・・・・・6:37・・・・・・・・16:27・・・・・・・・東経139.64 (約6:56) (16:46) イスタンブル・・・・・7:17・・・・・・・・・16:36・・・・・・・東経32.68 (約7:16) マドリード・・・・・・・8:24・・・・・・・・・17:47・・・・・・・・西経3:70 (約7:08) 2. 次にマドリードだが、ここは西経3.70度にあるのに、標準時を東経15度にあわせている。東経15度と西経3.7度の差は18.7度・・・これは1時間16分ほど太陽の位置との関係を無視して進めてしまっていることになる。本来の太陽を基にした時刻に直すと、 マドリードの日の出時刻は、 8:24-1:16=7:08 日の入は 17:47-1:16=16:31 となる。 これとほぼ同じ緯度のイスタンブルと比べてみると、8分異なる。日の出が8分早く、日の入が4分早いと、昼の長さは4分の違いとなり、マドリードとイスタンブルはほとんど変わらないということがわかる。 まとめてみると 日の出 日の入 昼の長さ イスタンブル 7:16 16:35 9:19 マドリード 7:08 16:31 9:23 ☆ このように標準時子午線としている経度と実際その都市がある位置が大きく異なると、他の土地との日の出や日の入の時刻が大きく異なっているように思えてしまうが、緯度が同じくらいなら、日の出時刻や日の入時刻・昼間の長さなどは同じになるはずなのだ。 東京とマドリードはそれぞれの標準時に対して+19分と-1時間16分の違いがある。 その結果、太陽の見え方に対して、1時間35分の違いとして体感してしまうことになる(実際の時刻で日の出が1時間47分、日の入が1時間20分異なることと一致する。)さらに、夏になり、サマータイムが加わると何と2時間35分の違いとなって感じてしまう。 こんなわけで、両方の土地で生活したり、旅行したりすると、太陽との感覚がおかしく感じてしまうのは当然なのだ。 (注)目的が「なぜ?」ということなので、数値は電卓も使っていない素人のあくまで概算でしかない。正確には各種要因も取り入れた天文台発表の数値と、詳細な緯度経度で考える必要があることをご承知いただきたい。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 以上、拙い説明しかできないのでもうしわけないのですが、日の出を考える一助となれば幸いです。 ポチッと応援よろしくおねがいします
by miriyun
| 2007-12-09 10:55
| トルコ
|
Comments(8)
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peque-es at 2007-12-09 13:03
miriyun さん、詳しいご説明ありがとうございました。
確かにスペイン本土は、経度から言うと本来はイギリスと同じ標準時でよいのに、ヨーロッパ大陸に合わせているため、年間を通して太陽時(?)とのズレが1時間あります。更にサマータイムの期間、つまり一年の半分は、日本の太陽と比べると2時間のズレが出る事になるので、特に夏は日本の「日の短さ」を感じます。それは分かっていたのですが、私には miriyun さんのようにきちんと説明できませんでした(笑)。 それとトルコという国が、先日の記事で、もしかすると日本(東京)より北なのかな?と感じたのですが、やはりそうでした。トルコもスペインも、なんとなく暑い国というイメージがありますが、そうじゃないんですよね。 (文字数オーバーしたので、一旦切ります。)
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peque-es at 2007-12-09 13:03
もうひとつ分からないのは、例えばスペインとイタリアなんて、かなり経度が違っているのに、同じ標準時で暮している。でスペインからイタリアに旅行しても、特に日の暮れが早くなるような感じがしなかったんですが、旅行中の感覚なのか、それとも生活時間としての「夜」の来るのが、同じラテン系の国という事で(?)遅いのか…日本も、もっと東(網走とか? 笑)に標準時を設定すれば日が長くなるのにと思ったり、イヤやっぱり、それよりも日本人の生活がもっとゆとりのあるものにならないとと思ったり、私にとっては「タカが標準時」じゃないのですよ、この問題(笑)。
追伸: こんなに朝日の入るテラスで、素晴らしい風景を見ながらの朝食、至高の時間ですね。
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ぺいとん
at 2007-12-09 14:17
x
ここのテラスでアザーンを聞いてみたいです。
レストランの中まで聞こえるのでしょうか。わたくしのお宝アザーン時計は鳴らす時刻をシンガポール時間にしています。東京にあわせたらとんでもない暗闇の中で鳴り響いて困った経験があります。 イスタンブル時刻にしてみようかな♪
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yokocan21 at 2007-12-09 20:18
スルタン・アフメット・ジャーミィを目の前で眺めながらの朝食、素敵すぎます♪アヤソフィアも眼前に眺められるし、このホテル、すごい人気なんでしょうねぇ。
日の出と日の入りのお話も興味深く読ませて頂きました。その国の標準時子午線がどこを通っているか、緯度がどうなのか、がポイントなんですね。ふーむ。ディヤルバクルなんて、東の端っこのようなものなんで、冬なんて日没が早いのなんの。4時で夕暮れです。 ところで、テズヒーブ(というのですね!)の技、ひたすらため息です。私はアラブ文字がわからないので、カリグラフィーは全体で一つの芸術作品としてしか見れないのですけど、こんな私からすると、テズヒーブも立派に主役です。イスラムの繊細かつ優美な芸術、ばんさーい!
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miriyun at 2007-12-10 22:13
pequeさん、イタリアの 日の出07:26、日の入 16:38 と比べるとマドリード日の出 8:24、日の入・17:47は約1時間のちがいですが、夏時間になっても同じサマータイムを使っているので日本との差のように2時間半も異なってしまうというのに比べると、たいした違いに感じないのではないでしょうか。夕刻から夜にかけての賑やかさ夜遅くに夕食が始まり更にダンスやらなにやら遅くまで楽しむ国民性の中ではあまり1時間程度の違いは大きく感じられないのかもしれませんね。
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miriyun at 2007-12-10 22:24
ぺいとんさん、イスタンブルではアザーンは大きな音ではありません。モスクだらけなのでもっと響き渡って毎日アザーンでめざめることになるだろうと思ったのです。2つのホテルともモスクの目の前だったのですが、静かで目覚めるほどではないのです。朝の地平線がやんわり光りだしたところで目覚めていました。
お茶を楽しめる場所です。ただし、夜は中級ホテルにしては高いディナーになっていたので、なんとなく夜景を見に行かないで終わってしまいました。今思うと、見ないことのほうがもったいないことだったと思います。
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miriyun at 2007-12-10 22:28
この朝食はほんとに優雅でした。いい時間と空間を独り占めして最高の景観を眺めていましたので・・・。
ディヤルバクルは4時に日没ですか、さすがに早いですね~! トルコの芸術、今回はいろいろ見ることができました。こういうものを見ることは魂を豊かにしていきます。 |
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