写真でイスラーム  

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2007年 08月 31日

アゼム宮殿…宮殿建築の傑作

 アゼム宮殿・・・オスマン帝国の支配下において、総督であったアサド・パシャ・アル・アゼムは、装飾面において顕著な特色をあらわす宮殿を造ったことで名を残すことになった。
 
 横じま状に組んだ大理石はともすると猛々しくなったり、落ち着かない雰囲気をさせたりしてしまう。とても芸術的とはいえない印象になる。
 それなのに、なぜこの建築が傑作といわれるのか?
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 壁面やイーワーンへの大理石象嵌細工、そして窓辺にも透かし模様が入っている。横じま模様の中で、大胆に入れられた円形の窓や装飾が目に入る。窓ごとのランプも心憎い。透かしの装飾がシルエットとして浮かび上がるしくみだ。

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 そして、イスラームの建築に共通の中庭方式をとっており、、モスクではないがイーワーンがおかれて風格があり、連続性のある建築となっている。
 そして、壁のみでなく足元の石も見事なデザインとなっており、壁面装飾と同じだけの意識を持って島であったり、円形デザインであったり、場所ごとにデザインを変えて、きっちりと隙間なく敷きつめられている。

 そして、中庭であるから当然のごとく泉水があり、木々が緑なすのである。

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    イーワーン方式の建物、泉水(この時、水は入れていなかった)、そして緑の多い中庭

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by miriyun | 2007-08-31 23:16 | シリア | Comments(4)
Commented by Azuki at 2007-09-01 04:06 x
しましまの建物、ちょっと新鮮です。光の演出、教会やモスクいろんな場所でありますが、神秘的?で素敵です♪
透かしの部分も細かそうですね~~~~(@。@) 
    
(復帰されたのですね、お疲れ様です^^)
Commented by miriyun at 2007-09-01 10:46
Azukiさん、デスクトップ本体はマダ戻ってこないのでまだまだ先は長いのですが、何とかノートPCで動く状態にしました。でも、同じ時期に購入したこのノートも実は不調で、デスクトップが帰ってきたら、リカバリすることになりそうです。機械を頼りの生活は苦しいですね~。
 このアゼム宮殿の大理石象嵌はシリアからの歴史なんですが、トルコ風は泉水・天井装飾、イーワーンはペルシアからかというところです。イスラームの歴史と建築の流れを追及していきたくなります。
Commented by ぺいとん at 2007-09-01 14:46 x
新しい物が出るころには旧タイプのものが壊れるようプログラムされているという恐ろしい都市伝説を聞いたことがあります。VISTAが出て来たからでしょうか~?賢い機械ほど取り扱いは面倒ですよね。

四角い窓はレースの飾りが付いているみたいで可愛らしいですね。 
お部屋の中で見るその影はどのように目に映るのでしょう? 
イスラームは日本と同じように光と影の文化、『陰翳礼賛』の世界なのかな~と思うことがあります。
Commented by miriyun at 2007-09-02 08:02
いや~!その都市伝説、今の私は信じてしまいます。怖い話です。以前の電化製品は大事に使うほど長く気持ちよく使えたものですが、今の機械は使わないでも劣化したり、PCですとサポートされなくなってしまったりと消費者はメーカーに踊らされてしまっているという印象です。
 
 ほんとうに光と影、文様のあふれる世界ですね。

 ところで日本は空間を埋め尽くさずに空白が何かを語る芸術とばかり思っていましたが、最近話題の伊藤若冲の空間埋め尽くしの屏風に日本観もわび・さびだけでないという点を知りました。


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