エメラルドの宝剣…トプカプの宝物

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  全長35cm。柄に3個の大きなエメラルド、鞘の先端に小さなエメラルドが1つ輝く。そして金の地に花のミニアチュールがエナメル七宝で描かれている。最初は気づかなかったがこの剣には更に細工がある。3つのエメラルドのついた柄の頭部分に時計が埋め込まれているのだ。贈り物として作られたもので、これ以上の工芸の粋を集めたものはない。 

 この華麗さを誇る剣は、オスマン朝のスルタン、マフムト2世(1730~1754)がイランのナーディル・シャー(1736~1747)からの贈り物に対して、返礼の贈り物としてつくらせた。

 〈サファビー朝の摂政だったナーディルはサファビー朝のシャーを退位させたあと、アフシャール朝を打ち立てナーディル・シャーを名乗った。ペルシア史の中の梟雄であり、第二のアレクサンドロスとも言われる。短期間にアナトリア東部からイラン、中央アジア、インドにおよぶ広大な領域を支配下にいれ、オスマン朝をも破り、ペルシアの力を示した。〉

 当時の情勢からすると、豪華すぎる贈り物には意味があったオスマン朝のスルタンにとって、豪奢な贈り物でその国力・高度な文化背景を見せつけることは、勢いのあるナーディル・シャーと戦争をすることよりずっと安上がりだと考えてのことだったと言われる。
 
 しかし、オスマンからの贈り物を持った使いがペルシアに向かって出発したあとで、ナーディル・シャーが直前に家臣によって殺害された。贈り物を渡す相手がいなくなったため、エメラルドの剣はトプカプの宝物殿に収められることになった。
 世界一の贈り物を受け取りそこなったアフシャール朝はこのあと衰えていった。

一振りの短剣が語る歴史がここにある・・・。
                            歴史好きな方、応援をよろしく  
by miriyun | 2007-07-23 01:40 | トルコ | Comments(4)
Commented by ぺいとん at 2007-07-23 07:12 x
ボ~~っとしていた目が覚めました! 
35センチですか!!3.5センチでもいくらかな?などとつまらないことを考えてしまいました。 
これを作った人も名もない職人さんだったのでしょうね・・・。
Commented by Azuki at 2007-07-23 20:01 x
エメラルドおっきすぎですっ。きれいに残っているものですね。権力を見せ付けるため、こういうことで芸術家や職人が腕を磨いていくことになり発展していくのでしょうね。あぁ、見てみたいです。イランの銀行の地下の宝石も見てみたいです~
Commented by miriyun at 2007-07-24 03:17
ぺいとんさん、信じがたい大きさのエメラルドを、さりげなく使ってますよね。繊細な花の絵とちゃんと調和しているところがすごいと思います。
Commented by miriyun at 2007-07-24 03:22
Azukiさん、これだけのものを調和させる力ってすごいと思います。それにしても劇的な運命の探検ですよね。
 イランの銀行が保管しているのは、もっと大きさ・量ともすごいです。あれがあれば、イラン国民何があってもしばらくは困んないじゃないと思うような宝石です。


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