写真でイスラーム  

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2007年 07月 17日

トルコのミニアチュールの描き方

 ミニアチュール(細密画)というものは、以前にインドとペルシアのミニアチュールで紹介したように細かい筆使いの中で美の極致を追求するものである。 時にアラビア書道の周辺を飾るタズヒーブだけでも感嘆してしまう。こういうものは書家と装飾を描く人は別であり。文字の素晴らしさを生かしながら、さらに美しく見せる描き方がされている。見事なものだが真似できるものではない。

 しかし、流れを追ってみることはできるので、拙いながらやってみたことをふり返って、トルコ風ミニアチュールの描き方の手順をまとめてみよう。(あくまでも素人でもやってみることのできるミニアチュールと言うことで・・・。)

① ミニアチュールは紙づくりから入る。
絵の具は水性であるから本来にじみがある。しかし微細な線で美しさをあらわすミニアチュールではにじみは絶対にあってはならない。
 色は落ち着きのある色にしたかったら紅茶で染める。その後どうさ引きをするが、ミニアチュールの世界では卵白を塩とわずかな水を入れて水状態になったところを縦横一回だけ塗り、石で磨く。これでつるつるの紙になったところで、きっちりと下書きをする。下書きがしっかりとゆがむことなくかけていることがもっとも大切だ。
 
②オリジナルデザインを作る場合
 紙を8つに折り、中心角45度にする。古典的装飾なども参考にしながら、八分の一の紙にオリジナルデザインを描く。それをトレーシングペーパーで写し、一つのデザインにする。実はこの八分の一の図案を正しく写していくのは大変難しい。トルコの人たちは良くこんなことを丁寧にやったものだ。(これからもう一度この作業をしろといわれたなら絶対コンピュータでやってやる~!!)
トルコのミニアチュールの描き方_c0067690_17263332.jpg

③ガッシュで白からグラデーション色を何段階か作っておく。
それを白から塗っていく。色を描いている紙の上で混ぜることはしない。何段階かの重ねによって徐々に濃い色にしていく。
トルコのミニアチュールの描き方_c0067690_1738115.jpg

 この段階では、ぼけた色でとても飾りに使える感じはない。

④ グラデーションができたら、輪郭線を極細の筆で入れていく。入れるごとに文様らしくなり喜びが湧いてくるところ。(しかし、自分のような大雑把な人間はこの極細の線を美しいラインでと言うのがどうしてもできない。)
トルコのミニアチュールの描き方_c0067690_17381628.jpg


⑤ 周りの飾りまできっちりと入れて完成!
トルコのミニアチュールの描き方_c0067690_1739888.jpg


こうして、トルコミニアチュールの円形の模様ができていく。
 しかし、苦労して作ったが、この丸いのを何に使うかまだ決まってはいないが・・・。   

                                                                                                                                                                                                            
                                       
                                                    
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by miriyun | 2007-07-17 17:51 | トルコ | Comments(7)
Commented by Azuki at 2007-07-17 23:30 x
すごいですね!きれいです。紅茶と卵白を使うなんて!驚きです。黒と線で絵がしまりますね。
Commented by ぺいとん at 2007-07-19 15:32 x
どのような紙を使うのでしょうか? 
夏休みに子供と一緒に挑戦してたくなりました。 
先日からトルコづいているのでまた『わたしの名は紅』読もうと思います
Commented by miriyun at 2007-07-20 16:32
Azukiさん、紅茶も卵白も、絵の技法はやってみるとなるほどということが出てきます。そういえばなんでも身の回りのものから生み出していったのだなあと感心する次第です。
Commented by miriyun at 2007-07-20 16:38
ペイトンさん、紙はケント紙でいいんですよ。パネルに水貼りしてから薄い紅茶水をカット綿などでうす塗りして、乾くともう一度と好きな色になるまでまでやっていきます。卵白も水で薄めてごく薄く塗り、石で磨くとつやが出てきます。
 やってみると手間はかかりますが、それを楽しむつもりがあればできます。
Commented by miriyun at 2007-07-22 08:38
紅茶染めについて追記です。ぺいとんさん、紅茶はは濃く煮出してから使います。それをうす塗りといおうとしているうちにうすい紅茶と書いていました。
Commented by orientlibrary at 2007-07-28 11:24
すごいです。すばらしいです。
ちょっとうらやましいです。(私にはとても描けません)
ミニアチュールの描き方を、臨場感を持って理解できました。
ミニアチュールを見る目が違ってきます。
感謝です。
Commented by miriyun at 2007-07-29 06:03
Orientさん、つくり方がわかると見る目が違ってくる・・・その通りなんです。だから、いろいろ職人さんが物を作ったりするのを見るのが好きです。お役に立ってよかったです。
 もっときれいに書けたら堂々とお見せすることができるんですが・・・。これの難点は、細かい作業ばかりなので目には過酷です。自分の目には無理と判断してやめてしまったのですが、描き方を知ったことはは自分の作品作りや各地の作品鑑賞に今でも役に立っています。


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