2007年 05月 19日
タージマハルはヤムナー川のほとりに建てられた。シャー・ジャハーンはそこの土地を選び地ならしして基盤を作り、現代の大建築家にも思いも及ばぬほど壮大な建築群を一点のすきもないように作り上げた。政治そのものよりも更に熱き思いでこの建造物を作ったに違いない。 ここに行くと真っ白なタージだけに目を奪われてしまいがちだ。しかし、タージマハルは門とタージマハル・モスク・迎賓館と四分庭園を組み合わせた大建築コンプレックス(複合体)なのだ。 ◆ 広大な敷地へは東・西・南の門から入る。そしてタージ・マハルの正面にある正門をくぐると前出の水路の先にはるかタージ・マハルがある。南が正門であり、日本で言うところの南大門に当たる。 しかしこの正門も赤砂岩に白大理石を組み合わせ、入口のアーチの上には準貴石による花模様の象嵌がなされている。 この模様はタージ文様と私の心の中でかってに呼んでいるのだが、この花の雰囲気でこの建築コンプレックス全体がやわらかく飾られている。この建築のテーマを表すかのような模様なのだ。 ・・・・この建築のテーマは「愛しさ」だろうなと思う♡。 中には権威を示したかったのだという説もあるが、この建築群全体への細やかな気の配り方と、後に述べる川と宮殿の位置から考えると、やはり后への愛おしさというテーマの存在抜きにタージ・マハルを語ることはできない。 ☆ また、この正門のアーチ上部のカリグラフィーにはクルアーンが象嵌されている。その最後の句は次のように書いてある。
いかにも正門にふさわしい章句ではないか。また、四分庭園と廟に至る道で楽園をイメージしていることがわかる。 大悟している魂とはシャーにとっては亡くなった后のムムターズであり、ここをくぐる良民でもあるのではないだろうか。 ◆ さて、縦・横300mの四分庭園を歩きながら見る角度を変え、時に立ち止まり見ながら行くと印象が変わってくる。日のさし方、私のように雨にぬれた表情を見ることになるかもしれないし、何しろ様々なタージが見えてくる。小さくかわいらしく見えた建築がまもなく稀有な規模の建造物だとわかってくる。高さ66メートル、4隅に建つ塔の大きささえ近くでは驚異的だ。 ←タージより正門をのぞむ 水面に映る姿はタージから正門を見てもある。 正反対にある赤砂岩の正門はタージと同じようにその一部を映し出しているのだ。 タージの左、西側にはモスクがある。これもタージの花とカリグラフィーによって装飾されて美しい建築物だ。隣がタージでなければこのモスクがもっと知られたであろうが・・・。 タージの基壇には靴は脱ぎ、はだしになって上がっていく。大理石と赤砂岩の石畳が冷たく心地よい。 ↑タージの東側には迎賓館がある。 そして、タージの北にはヤムナー川が流れている。洪水に負けないように高くしっかりと作られた基壇の上からここでUターンする川の全貌を見渡すことができる。もちろん、迎賓館では心地よい涼を感じ、またタージの見事さ、夕日を背にした西のアグラ城を見ることができる。なんて心にくいつくりなんだろう。 タージマハルに興味を持たれたらポチッとお願いします。
by miriyun
| 2007-05-19 10:49
| インド
|
Comments(2)
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ransyu
at 2007-05-22 04:04
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本当はこのタ−ジマハルに行きたかった。日程の都合で難しく、その原型といわれるフユマ−ン廟に行ったのでした。
もう一度インドに行くとすればミリウムさんのこの記事を参考に是非タ−ジマハルを訪れたい。
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miriyun at 2007-05-23 02:17
ransyuさん、タージは一見の価値ありです。それも天候がよい日にじっくり見たいものです。これほどの建築群が皇帝の思い一つで出来上がったということが驚異です。
一番素晴らしいのは満月の夜だといいます。ただし、夜に入場できるかどうかはわかりません。 |
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