写真でイスラーム  

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2007年 05月 06日

ナツメヤシの話(1)

イスラーム地域でもっとも有用な植物はナツメヤシだろう。
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砂漠にあっても地下の水を確保できれば枯れずに大きく育つ。
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 ナツメヤシの種類は100種類以上あり、高さも10~25メートルほどの差がある。四方八方に大きく葉を伸ばすナツメヤシが育つことで強烈な日をさえぎり、水の蒸発を減らすことができる。だから、オアシスで農業というのは、この写真のようにやしが育った木陰で種々の野菜・穀類・果物を作ることなのだ。
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 まだ青いが、花房の枝にたわわな実がなりはじめた。

 日本では昔、女の子が生まれると庭に桐の木を植え、そのこが嫁入る頃に大きくなっている桐の木か婚礼タンスを作るといわれていたそうだが、同じような話がナツメヤシにもある。子どもが生まれるとナツメヤシを植える。5年で実をならせ始め、一本の木から一年間に80㎏の実が取れる。木を切り倒せば建築材となる。皮をはげばかごを編むことができる。雨の降らないところなら大きな葉を屋根に葺く事もできる。
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ヒトコブラクダの鞍もナツメヤシの木で作る。
 
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 ナツメヤシの実は最初緑で固い。それが赤くなり、次第に黒ずんでくると熟してくる。大事な食糧をこもでかぶせて保護することもある。
 この実を房からはずし、ばらばらにして干すとドライフルーツとしてのデーツになる。デーツは栄養価が高く、長く持つので遊牧民にとってはこれと家畜さえあれば、砂漠で当分生活できる。そういう意味で大変重要な木なのだ。  

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by miriyun | 2007-05-06 00:27 | 自然(砂漠・ラクダ・蜃気楼) | Comments(6)
Commented by ぺいとん at 2007-05-07 00:51 x
先日のバザーで買ってきたサウジのデーツ、とても美味しかったです。 
食べた後で種はしっかりと植木鉢の端っこに植えているのですが芽を出してくれるでしょうか? 
実は干されただけですから種は生きていると信じているのです・・・
Commented by yokocan21 at 2007-05-07 05:09
ナツメヤシの実って、こんなんなんですね。私はドライフルーツしか見たことがないので、面白く拝見しました。
トルコ人もドライのナツメヤシが大好きで、なぜかラマザン期間中によく見かけます。断食明けの食事の前菜によく食べられるんですよね。胃にいいのでしょうか。
木全部が色々と使い道のある木って、興味深いです。砂漠地帯になくてはならない木なんですね。続きも楽しみにしています。
Commented by miriyun at 2007-05-08 03:09
そういえば、加熱したわけではないから生きているんではないでしょうか?芽がでてきたら楽しいですね。
 私もデーツをお茶をいただきながらかじるのがすきで~す。
Commented by miriyun at 2007-05-08 03:12
yokocanさん、トルコ語ではデーツをなんというんでしょう。
 ナツメヤシも葦も、ラクダ・羊も何でも使い尽くすのが、自然の厳しい地域では普通のように感じ始めました。
Commented by TOM at 2008-07-02 09:52 x
はじめまして。ナツメヤシを調べていてこちらに辿り着きました。あんまり面白かったので、勝手に紹介してしまっています。もしまずかったらリンクを外しますのでお知らせくださいね。ナツメヤシ以外の記事も少しずつ読んでいます。写真もきれいだし、切り口もいいです。しっくりきます。ブログそのものにリンクを貼らせていただいてもいいでしょうか?
Commented by miriyun at 2008-07-03 07:10
TOMさん、ようこそおいでいただきました。ナツメヤシはおもしろい題材ですよね。すべてがもれなく使える貴重な木ですね。
 リンクしていただきありがとうございます。こちらからもよらしていただきます。
 こんごともどうぞよろしくおねがいします♪


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