2007年 01月 27日
穴居住宅の様式ができたのは12~13世紀だという。イスラームの勢力に追われ、身を隠した。穴は深さ7~8メートルもあり、その穴が中庭となっている。このあたりの岩は石灰岩で、掘りやすいというのもこの住宅が広がった一因である。 ベルベル人はここに住むうちに生活の知恵を生かしていくこととなる。竪穴の中心部は中庭にあたり、作業をしたり、家族が憩う場でもある。しかし、夏は直射日光が厳しい自然の力を送り込む。したがって、その竪穴から今度は横へと部屋を掘削する。自分で掘るのであるから、家族の人数やライフスタイルに合わせていくらでも部屋を作ることができる。 ↑半竪穴で開口部をつくり、そこにテントも置いた発展型民家 竪穴にはしっくいが塗られ、防水をしている。各部屋からは更に二階に当たる上層部が掘られていることが多い。そこは倉庫になる。その個室の入口でお父さんがお茶を入れてくれる。できるだけ高い位置から入れるのがいいとされる。 生活面に注目してみよう。 調理鍋の置き場・・・何しろ岩を掘れば好みの棚になる。 お母さんは石臼で粉をひく。4人の子を持つこの家ではお母さんは毎日たくさんの粉をひく。 調理台ももちろん岩を削ってつくっている。台にのっているのは乾燥帯ならどこでもおなじみのサボテンの実だ。うちわサボテンの実だが、おいしく貴重な食糧ともなる。 ★そしてなによりも直射日光が部屋には当たらず、夏は外気が40~50℃になろうとも、地下では涼しい。逆に冬はあたたかく過ごせる。それが穴居住宅の最大の特色なのだ。 ◆実はマトマタは1969年に大洪水にみまわれ、大きな被害がでた。これ以後チュニジア政府は被害を受けたマトマタの住民のために新マトマタの町をつくり、地上での家作りを推進した。しかし、もとの生活環境を求める一部の人々は再びここへ戻り、穴居生活を続けているのだ。 それほど、地下の生活は、居心地がいいということなのだ。 応援クリックお願いします。
by miriyun
| 2007-01-27 09:34
| チュニジア
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Comments(12)
こんにちわ。
たしか、中国の北部の乾燥地帯にもこのような竪穴の中庭を持つ住宅があると聞きました。 気候が厳しい地域では、結局同じような生活様式になるんですね。 しかし、この竪穴が大洪水に見舞われたら、完全にアウトですね。 では、また。
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土に漆喰って、ある意味では最高の住環境ですね。
下の記事の日干しレンガの家も、多分暑さ対策には効果大でしょうね。 日本にも土壁の家、ありましたよね。高温多湿の夏には多分木造やコンクリよりずっと快適。 そして漆喰を塗ったお城や武家屋敷も残っている…あるブログで教わったのですが、日本の家から漆喰の壁が消えたのは、木造の家には漆喰が塗りにくいという事もあるみたいです。石やレンガ、そして土壁の上に塗った方が馴染むのだそうです。 テレビで建築家が、戸建のお宅を漆喰壁で作って、漆喰は最高の素材と言ってるのを聞いた事があります。今の日本でも、そういう家が作れるんだなあと思いました。漆喰の塗れるような家に住みたいものです。
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miriyun at 2007-01-27 23:03
雄平さん、チュニジアはふだん雨が極端に少ないのですが、たまに大雨。そして大洪水へ直結してしまうんです。排水なんてことは一切考えたことのないところの洪水・・・こわいですね~!
また、中国にはどんなつくりなんでしょう。いずれにしろ乾燥帯でないと考えられないことですね。
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miriyun at 2007-01-27 23:09
ぺけさん、木造の家にはしっくいが塗りにくい・・・なるほど!!
だから、こんなに世界で愛用されているものを日本ではあまり使わなくなってしまったんですね。 自然の土としっくいの呼吸する家、住んでみたいものです。
中国の乾燥地帯にも同じような竪穴に中庭の家がありますね。窰洞(やおとん)といいますね。私は竪穴式の窰洞は実際には写真だけで見たことがありませんが、乾燥した山に横穴を彫った窰洞は楡林で見ました。
ここは毛沢東が長征の末、たどりついた延安に近いところです。そのうちブログに写真をアップしようと思います。
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miriyun at 2007-01-29 02:32
ransyuさん、やはり中国にあるんですね。どんな感じなのか興味あります。
ブログへのアップを楽しみにしておりますね。
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tai
at 2008-10-25 16:01
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レポートで写真を使用してもいいですか?
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miriyun at 2008-10-26 09:08
taiさん、学校のレポートですか?原則、学校の生徒さんのご利用はこうして連絡さえいただければかまいません。出展を明らかにして書いてください。いいレポートができるといいですね。
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mai
at 2017-11-07 21:43
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miriyun at 2017-11-08 08:19
maiさん、学校のレポートで、出典を書いていただけるのでしたら、どうぞお使いください。
世界には、その土地にあった形で暮らすための家がいろいろあります。 ただ珍しいでなくて、その土地に住まわざるを得ない人たちの歴史や気候や風土の条件を調べた上で、 いかに工夫をしているかを考えてみてください。 よいレポートが出来ますように!
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karin
at 2017-12-15 12:36
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こんにちは。
突然なのですが、レポートにここの写真などを引用させて頂いてもよろしいでしょうか。
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miriyun at 2017-12-16 10:45
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