写真でイスラーム  

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2006年 09月 13日

ロレンスの泉

 ワディラムにはそそり立つ岩山がある。灼熱の太陽と、でひびわれ、崩れ、ぼろぼろになって砂になる。もともと険峻な山で、日本のようななだらかな稜線なんてものは存在しない。  

 色はというと、ときに黒く、あるいは青黒く、時に白くはあるけれど、おおむね赤なのだ。中東にあってもとくに奇異な色と台地の広がりよう、残された山の形・・・そういったものが、まるで他の星のもののように見えるので、の光景と表現される。
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 ↑ 崩れ始めた岩山
 このように大きな岩があっさりとわれ落ち、気温の日較差が大きいために割れ尽くして砂になるのが早い。今年の夏も日中は45℃以上になっていても夜明けの少し前には20℃くらいまで下がる。乾燥地ほど日較差は大きいのだ。ちなみに、次の日の夜明けにはテントに分厚い毛布が用意されていたことに感謝した。

 さて、上の写真、よく見ると青々した草がある。こんなところにと思うが、この奥に泉がある。「ロレンスの泉」とよばれ、ワディラムの公式地図にもLawrence's Spring とある。真夏でもわずかにわいている水源地であり、その大事な水はこの岩山の麓に大事に引き込まれている。人工的な水場がつくられている。なぜ、ロレンスかといえば、言わずと知れたT.E.ロレンスがこの地域一体でかつやくしていたことと、映画『アラビアのロレンス』の撮影で利用したことに起因するらしい。
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 どんな水かというと、こ~んな感じ!
 ペットボトルをもっていたら、絶対飲まない。
 でも水なしで砂漠を一日歩いてきてここにたどり着いたとしたら山羊や羊をおしのけて頭からこの水に突っ込んでいくかもしれない。そんな自分を想像してしまった。
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 ふだんはここで山羊が思いっきり水を飲む。(おっと、↓の写真はひげがないので羊だった)
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 そして、車もここで思いっきり水を飲む!?
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 なぜって?熱いんだもの、ちょっと年をとっているもので、エンジンがすぐ過熱しちゃって、ここを通ると水浴びさせてもらうんだ!
                                       
                                                    
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by miriyun | 2006-09-13 23:45 | ヨルダン | Comments(5)
Commented by peque-es at 2006-09-14 12:27
miriyun さん、正に冒険旅行!
ほんと、車なんてすぐオーバーヒートしちゃいそうですよね。
それにしても「テント泊」にはびっくりしました。こんな宿泊施設があるなんて!
昔新聞の連載でベドウィンと生活を共にするルポルタージュがあったのですが…日本と正反対の風土、気質に惹き入れられるようにして読んだのを思い出しました。日本のジャーナリズムが今とはちょっと違ってた時代? 今は新聞取ってません。もしかしたら面白い連載を見逃してるのかもしれないけど(笑)
Commented by miriyun at 2006-09-15 11:41
テント泊の一番の楽しみは満天の星なんですが、これは月を読まないとだめなんです。今回はシリアでの日程重視だったので、ここではちょうど満月、星は見えませんでした。でも朝焼け・夕暮れの微妙な色の変化はこういう自然の中では見逃せません。
Commented by マリリン at 2006-09-15 12:22 x
う~ん力強さを感じる山羊さんの耳はたれてるのですね、うふふ
Commented by マリリン at 2006-09-15 12:24 x
中東の山羊さんはらくださんのこぶのようにお水のむと耳がたぅったりするのでしょうか、、
Commented by miriyun at 2006-09-15 23:10
マリリンさん、そっくりなんだけれど、よくよくみたら羊でした。本文に訂正入れておきました。中東の羊って山羊と見分けがつかないいんです。現地でそのまま見ていても全然私はわからないで困ってしまいます。写真を拡大するとひげがあるかどうか判断できます。このときも両方いるんだけれど写真ではたまたま羊が写っていました。紛らわしくてごめんなさい。


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