写真でイスラーム  

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2006年 04月 12日

アラベスクの競演

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 アーリー・ガープー宮殿のテラスは3つの見どころがあると思っている。一つはレザー・アッバースィーのミニアチュール。二つめは天井のアラベスク。木造のテラスにアラベスクを天井いっぱいに競演させている。このつくりをターラールという。

 このテラスは広場に面して3本の柱が6列、計18本の繊細な表情を持つ柱によって天井を支えている。

 ☆その天井を見上げてみよう。
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部分的に見てみると・・・
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 そして、・・・・・・『アラベスクの競演』
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 支える柱の天井よりのところは透かし彫りになっている。そこまで装飾をする?・・・自分は写真をじっくり見直してきづいたのであって、決してその場でなどわかるものではない。でも目がいい人ばかりの時代、そこまで見たのかもしれない。
 シャーはこのテラスだけでも、これでもか、これでもかというくらいに人々を驚かせたがっているようだ。

 ★時は、17世紀前半、日本では徳川家が政権を安定させ、日光東照宮をはじめとしたびっしり装飾が盛んに行われた頃である。その少し前、アッバース1世即位の前年に秀吉の聚楽第が完成している。その格子天井装飾の模様はもちろん異なるわけだが、その天井まで目いっぱい人を驚かせようという気概は共通している。

読んだよ~とクリックで表現してくださると嬉しいです。
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by miriyun | 2006-04-12 07:23 | イラン(ペルシア) | Comments(4)
Commented by orientlibrary at 2006-04-16 00:38
写真はあとでゆっくり見られるのがいいですよね。その場では見えなかったことが見えるし、最近はパソコンでアップにできるのもいいです。この時代は、全世界的にバロック的だったのではないかと思います。情報が今のように発達していないけれど、世界共時性みたいなものがあったと思うこのごろです。
Commented by ek-japani at 2006-04-16 02:40
アーリー・ガープー宮殿の天井も、写真で詳細に見るとこんなに模様だったんですな~!
上のオリエントさんのコメントに便乗ですが、たしかにあとで写真で見直すとまた違った一面も発見できていいですね。
う~ん、とくに天井シリーズ(←いつの間に?)かな~り面白いです~、このエスファハーンのといい、上のブハラのといい。
天井つながりで今度はいずこへ辿り着くのか、密かに続編?期待しております~。
Commented by miriyun at 2006-04-16 08:11
Orientさん、そのとおりです。工芸品を見て分類したりするのにはPCでの扱うにかぎりますよね。アナログ世界好きなんですけど、とくにカメラのシャッター音が・・・。でもスキャンもなかなかたいへんで、今は必要分だけのその場しのぎでやりくりしています。
 全世界バロックですか。あまりにイスラームばかり見ているもので、イスラーム以外が弱くて世界全体を見回せていない自分に気づきました。
Commented by miriyun at 2006-04-16 08:26
ex-japaniさん、一人で楽しむしかなかったマイナーなところを面白いと言ってくださって、すご~く嬉しいです。そればかりか、期待してるとまで・・・。あっ、でも期待に添えなかったらごめんなさい。
 実はひそかにパルミラのベル神殿の天井文様はすごいねと思っているんですが、あまりに低い天井なので一部分しかない。そして、天井には黒かびらしきものがでていて、このままアップしても何のことやらわからない。そんな状態なのです。シリア政府が少し手をかけたら、パルミラの魅力が増えるんですけどね。
 何ができるかわからないけれど、これからもどうぞよろしく。


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