写真でイスラーム  

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2006年 01月 30日

カアバ神殿のキスワ

 カアバ神殿はイスラーム第一の聖地マッカにある。この神殿の形ムカッアブ(立方体)から名が由来する。実際は12×10×h15mの直方体であるが、すぐそばで見れば立方体のように見えることだろう。日に5回の礼拝(シーア派は3回)ここに向かって祈る。また、巡礼(大巡礼八ッジュ・小巡礼ウムラ)の場でもある。
カアバ神殿のキスワ_c0067690_23444451.jpg
←世界歴史シリーズ9「イスラム世界」より引用

 カアバは預言者イブラーヒームとその息子イスマーイールによって建造されたとクルアーンにある。この最初の建造の時に使われたとされる黒石が現在のカアバの盗難の角にある。磨りへったこの石は現在は銀色の長楕円形の金属の内側にはめ込まれている。

 建物の中は630年にムハンマドが偶像を破棄してからは空になっている。この建造物の外側をキスワという一枚布が覆っている。

 カアバ神殿とその領域はムスリムでないとはいれないから直接見る機会はないのだが、テヘラン考古学博物館ではじめてキスワを目にすることができた。
カアバ神殿のキスワ_c0067690_2345567.jpg

            ↑ テヘラン考古学博物館蔵のキスワ 
 以前はいろいろな材質と色の布が使われたということだが、現在は黒地に文字が金色で刺繍されている。これはキスワの中の上部の帯状のところの文字である。
カアバ神殿のキスワ_c0067690_2347488.jpg

            ↑ 2005年の名古屋万博・サウジアラビア館で展示されたキスワ  
 この大きなキスワは神殿の入口の金色の扉前にかけられる部分で、下から中央部のオベリスク型のところまでは分かれるようになっているのだ。たくしあげておいて巡礼者が金の扉も見ることができるようになっている。

 また、金色の刺繍でクルアーンの言葉が縫いこまれている。大きい銀の円形カリグラフィー及びオベリスク型カリグラフィーの下の横カリグラフィーの左右にシャハーダ(信仰告白)の言葉が表されている。
 右には「アッラーの他に神はなし」、左には「ムハンマドはアッラーの使徒である」の語句が含まれていることが確認できた。これだけの大きさに一部の文様を除いてあとは文字ばかりなのであるから、圧倒される。   

 キスワは年に一度、巡礼月(ズール・アルヒッジャ)の9日目に新しいものととりかえられる。13世紀から1962年まではエジプトによって提供されていた。現在はサウディアラビアの巡礼省が管理している。」
カアバ神殿のキスワ_c0067690_23482663.jpg

     ↑キスワの刺繍作製中 
      (サウジアラビア大使館からもらった広報用ポスターから引用)
 このようにキスワの製作は現在メッカ近郊で行われている。この写真のように金糸を使って大きな文字の形に刺繍を仕上げていく。

 一年が経過し取り外されたキスワは、細分されサウディ・アラビア政府から各国のムスリムや団体に無償で配られるという。そのためこうして私たちがキスワを見る機会が得られるのだ


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by miriyun | 2006-01-30 23:42 | 中東について | Comments(0)


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