星の王子さまの挿絵の味わい

1.キツネの長い耳  
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 星の王子さまに出てくる人間たちよりもずっと大人で哲学的示唆をする重要な役目を持つ砂漠のキツネ。それを作者はツンとがった長い耳を持つキツネとしてあらわしている。
 これは凄く特徴をとらえている。
ボアの絵で描くことを断念したくらいだから、キツネも変なキツネになってしまったと思っている人もいるかもしれないが、実は砂漠のキツネは異様に耳が長いのを忠実に描いているだけだ。
 小型で耳が長くて目がきれいなフェネックを飛行士としてサハラ越えをしてはモロッコに郵便を届けていた作者サン=テグジュペリは、実際フェネックキツネを一時飼っていたらしい。

 (だからと言って、飼おうなどとは思わない方がいい。フェネックは犬とは違う。人間に慣れることもしないし、熱い砂漠で穴を掘って住み、夕刻涼しくなると穴を出てきて獲物を捕まえて生きていく。夜行性だから夜になると動き回り穴を掘る。とんでもなく手がかかるし場所も広くいるので一般人はそんなことは考えない方がいい。

2.ゾウを飲み込んだボアと、ボアのおなかの中から見た絵 

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この二つを書いただけで、もうその絵は良くないよ的に大人たちから言われて、
生まれてからたった2作品で、画家への道を絶たれたという飛行士
それって、作者自身の投影だろう。

 じっさい、人と言うのは幼いころにけなされたりするともうそれは自分にとって向いていないものと思いこんでしまうことが多い。確かにそれによって道が閉ざされてしまった子供もいるに違いない。逆に最初下手であっても褒められ、好きになりのびのびやっているうちに才能が芽を出すこともある。
 示唆に富んだ「星の王子さま」の出だしから、フムフムとしている。やはり子どもにもいいけど大人向けでもある。

3.星の王子さまとバラの花
 テーマへとぐいぐい引っ張っていくもとになる大事な役目を持つ一輪のバラと王子さま
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 世界中にたった一輪しかないというわけではなかったとしても、
その一輪が王子さまにとっては唯一の世話をした大事なバラ
淡々とした簡単な絵だけに、星の絵も小さな火山も、
重力がどうとか考えずに本質を語るのにとても適した素敵な絵だと今は思う。
子どものころはこれがいい絵だと思うには自分の心がちっぽけすぎた。
 
 なお、絵は先日買ってきたチョコレートのカンから拾わせてもらった。。
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実はこれ、すごく欲しくて探したら、通販は全部売り切れ。
  都内のデパートでも売り切れていたという話も聞いて、地元の方がまだ残っているかもと探して、電話予約してかろうじて手に入れた。
 自分のためにチョコレートを買ったのは初めてかもしれない。これも一連の「星の王子さま」効果のよう・・・。

 ◆たったこれだけの挿絵でも今は楽しくて仕方がないが、サン=テグジュペリは大小47の挿絵を描いているという。これはぜひしっかりと挿絵のある本を見たいものだ。


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by miriyun | 2016-02-13 13:50 | Comments(6)
Commented by Mie at 2016-02-14 09:37 x
miriyunさん、はじめまして! いつもブログを読ませていただいている大輔さんのファンです。
miriyunさんのおかげで、フェネックのことを初めて知ることができました。ありがとうございます!
私は地方に住んでいるので、いつもは大輔さん関連のキャンペーン等はなかなかお目にかかれないのですが、今回は地方が幸いして(笑)
ブック型もペンケース型もすんなり手に入れることができました。中のチョコレートもとても素敵で食べるのがもったいないですね。
本の挿絵ですが…私はfolio junior の Le Petit Prince(フランス語)を持っていたのですが、今回大輔さんの朗読と同じ管啓次郎さん訳の
角川文庫を購入いたしました。どちらも47の挿絵が載っています。miriyunさんもすでにご存じだとは思ったのですが…m(__)m
大輔さんが朗読すると文字を追っていただけではわからない物語の深い意味まで伝わってくるような気がします。
それは大輔さんがこの物語を心でとらえているからなのでしょうね。
Commented by petapeta_adeliae at 2016-02-14 17:32
10年以上前にペットショップに行くと籠の中のハンモックで寝ていました。
一度として起きているところを見た事がないのは夜行性だったからなんですね。

子供の頃はこんなに下手っぴなのになんで味わいがあるんだろうか?!と
妙に気になる絵でした。


Commented by hinagesi-k at 2016-02-15 11:25
象を飲み込んだ象の絵、大好きです。
Commented by miriyun at 2016-02-18 17:57
Mieさん、ようこそ!
ずっと前に見たときには浅く見たのでしょうか。
絵もたいして記憶に残っていなかったのですが、
それぞれの本にすべて載っていたのですね。教えていただきありがとうございます。
家にある筈と思っていたのですが、とうとう見つからなかったので
改めて買い求めてみます。
こんな風なアーティストがいて、いろいろなことに挑戦してくれるたびに
こちらも世界が広がっていくような気がしますね。
そして、とても深く心に沁み入ってきています。
Commented by miriyun at 2016-02-18 18:00
ソーニャさん、わぁ、やはりペットショップにいたのですね。
夜行性の動物は本当に昼間は寝てばかり・・・。
そして夜はゴリゴリしたり、吠えたり、どう見ても日本でのペットにはむかないのですね。
テグジュペリはモロッコで一時飼っていたようですが、それは砂漠地帯なので自然体でできたのではと思っています。
Commented by miriyun at 2016-02-18 18:02
谷間のゆりさん、
ありがとうございます。この絵だけは私も昔から好きでした。
それ以外は、どうしてキツネは耳がとがっているんだろうとか自分でも思っていました。
後に自分がそういうキツネを見ることになったので驚きました。


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