写真でイスラーム  

mphot.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2014年 03月 20日

エブル…顔料の引きの芸術

顔料の引きのライン 
イスラームの工芸は実に多様であるが、アラビア書道にかかわるものとしてはテズヒーブ・エブル・ー・金彩などがある。

中でも、エブルは他のアートと同じように顔料を使いながら筆やペンで描くのではなく、引きの芸術という一面がある。

もちろん、その前にバッタルという顔料を均一に散らすのがあり、実はこれが基本であり重要ということが難しく、馬の毛の筆先のついたバラの枝で出来た柄---これがトルコで使われるエブルの道具だが、手首をやわらかく使ってトントントンとリズミカルに均一に顔料絵の具を溶液上に散らすことの難しさよ。

とても緊張した手首はぎこちなく、大きな絵の具だまりを作ったり、手前の方には絵の具を落とせなかったり---。経験が多い人や手首の柔らかい人が綺麗に散らしているのを見て内心落ち込む。

バッタル手強しということで基本から学ぶ必要性を感じた。



エブル…顔料の引きの芸術_c0067690_71321.jpg

さて、今回作ったエブルだが、きれいな色の層になるはずがまだらだったり、最初の絵の具の散らばりが少なくて白い部分が目立ったりしているがちょっとだけ--。


エブル…顔料の引きの芸術_c0067690_713440.jpg

こちらは、自分のイメージを作品化したもの。
形も好きだが、顔料が引きに引かれて細くほそくなり消えていく。引きがつくるアートだ。

                                       
                                                    
                                               一日一回、ポチッと応援していただけると励みにもなります   
   


by miriyun | 2014-03-20 07:02 | Comments(6)
Commented by 谷間のゆり at 2014-03-20 21:52 x
水の上に絵の具を散らしてそれを引いて模様を作る手法をやってみたいと思いながらいまだに実行できません。
漆を浮かせた上にある薬品を(忘れてしまいました)たらすと面白い模様が出来て其れを器に移し取るという手法を習った事があります。
水の作る模様に惹かれる人はどこの国にもあるのですね。

高橋さんの記事楽しく拝見しました。
努力を惜しまずに努力しながら其れを表に出さない高橋さんに惹かれます。
Commented by jasmine-boo at 2014-03-21 11:04
どちらも、とってもとっても綺麗だと思います!私は好きです。

先日、こういう模様で細かい柄の蝶々のネイルアートを見せてもらいました。小さな爪の上で描くなんてすごいと思いました。
Commented by miriyun at 2014-03-21 21:19
谷間のゆりさん、漆を浮かした上の文様、だれでも取り扱えるものではないだけに貴重な体験をされていますね。
どんな文様なのか見てみたいものです。
大輔さんの記事も読んでいただいていると伺うと嬉しくなります。
ありがとうございます、また書きますね!
Commented by miriyun at 2014-03-21 21:24
jasmine-booさん、エブルはトルコ風の言い方ですが、マーブリングとしてヨーロッパでもそしてかぷちーのでも、
そしてネイルアートでもと言うことで引きのアート広がりありますよね。
いろいろな広がりを楽しんでいます。
Commented by petapeta_adeliae at 2014-03-21 21:34
マーブル画は去年だったかTVでどのように作られるのかを
知りました。櫛で引いて図柄を作るとありましたが、
日本でも経験できるのでしょうか?
Commented by miriyun at 2014-03-21 23:18
ソーニャさん、年に一度東京ジャーミイのバザーでのワークショップのほか、トルコ協会での教室、また個人でも教えてくださるところがあります。
以前だとトルコに行ったときに体験してこようかと思ったものですが、
だんだん機会が増えてきてうれしいです。


<< クイーンエリザベス騒動記(3)...      クイーンエリザベス騒動記(2)... >>