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2013年 02月 09日

”月光”をいかに滑るか・・・高橋大輔

1.衣装考
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衣装については最近見たものでは映画『レ・ミゼラブル』を思い出した。フランス革命前後の貴族や紳士の服装だ。クラバットと呼ばれるハイネックのネクタイ、その上に蝶結びをしたり、金の留め具をしたりしておしゃれをする典型的なヨーロッパの服装であるから、同じ時代を生きたベートーベンも着ていたであろう服だ。

 時代がかったハイネックのクラバットに銀のスパンコール、濃い青の飾りは色的には十分高橋に似合っていた。気品漂う貴族の青年のような姿も見られてよかった。ただ、時代そのものであるだけにかたさは否めない。その時代の青年が月光に舞う感じだった。
 このようにベートーヴェンをイメージするやり方もある。

 あるいは、月光というピアノのさんざめくような幻想的ソナタだけをイメージするなら、もっと、透明感・光・風・煌めきがあってもいいようにも思う。
 そうすると流れを出せる半透明の柔らかい布が袖などにあってもいいかな~! つまり、衣装はとても似合っているけど袖だけでも柔らかさを出して動きがより強調されるようにするか、他の衣装も是非試してほしいような気がする。何しろフィギュアは動の世界なので動いてみて美しい衣装がいい。

2.月光
 ”月光”はフィギュアスケートでは定番の曲と言われる。じっさい先日行なわれたヨーロッパ選手権ではSPでオーストリアのヴィクトール・ファイファ選手が月光で滑っていた。リッポンも南里君も滑っていたし、ジャッジも知り尽くしている曲だけにそれに如何に要素を配置しオリジナリティーを出しながら演じていくかにかかっている。

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 演技の時が来て、リンク中央へむかうところだが、この1年間たびたび見てきたようなオーラはちょっと少ないような・・・。しかし、目は新しい衣装にくぎ付け。かっこいい!

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スタートの構えから、1~2小節ほどで顔を反転させて動き出している。道化師とは異なる静かな出だしだ。

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まずはクワド。高さは出ていたが、ステップアウト。


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ステップ前のタメのところが高橋らしいところなので、
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           呼吸と手と表情と背中でも、これからまだまだ魅せていかれるところであり、様子がわかってくると観客の声援が多いところにもなる。


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ジャッジのすぐ目の前のスピン、近すぎて覗かないと見えにくそうだ。
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雑駁に拾ってみた場面の一部。彼は実際に練習で出している演技の全部が表せているわけではない。
もっと滑り込み、ジャンプも飛べてくると流れがよくなり、ステップももっと鮮やかに緩急をつけてくるはずだ。

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演技を終えて正面。
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横から・・。

3.振り付けからまだ1か月・・・4大陸選手権SP 
◆早速出ていた動画お借りします。

 2013 四大陸選手権・・・例年よりも全体に技術的レベルが高い。日本だけでなく各国での若手の力もあちらこちらで見えてくる。ミーシャ・ジーくん、すごいステップだった。佐々木彰生と二人で踊り狂ってみてほしい。中国もアメリカも若手の伸びが著しい。なにしろ、アボットが出てこれないくらいだ。
 カナダのレイノルズのジャンプに正確さが出たら誰もかなわないほどのジャンプ力だ。しかも、FSの振り付けは選手の個性を生かすのが得意の宮本賢二さんだ。

 次々と展開されるグランプリシリーズでは出ていなかった新人たちの力は、昨年の日本人選手たちが一気にせりあがってきた力と同じような勢いを感ずる大会だ。今年のような年はだれもかれもがオリンピックを思い力を蓄え、それを見せてくる年なのだ。

 そして、高橋はライバルたちのいいところを見据えて、それに対する目標をつくって伸びていかないといけないと自分に言い聞かせているというが、自分が成長するためとはいえ、すごいプレッシャーを自分自身にかけているのだなあと心配になった。(昨年もオフに休みもとらず、正月は深夜までモロゾフの振り付けを受け、練習と試合ばかり・・・、休まる時がないような)

 しっくりこなかったSPを月光に変更してみたのだが、ジャンプの4回転回っていたがステップオーバー、更に得意の3Aが転倒などがあった。点数が82点で残念な結果でも、実は昨年のコロラドスプリングスでの4CCデモ82点だった。あのSP傑作の”Garden~”でさえだ。だから、新プロで演技した82点は自分としては上出来と思っている。

 期待値が高いからこそ、前の方がいいとか、モロゾフではだめとか、いろいろな意見が出てきている。だが、そもそも大ちゃん新しいプログラムの初めってボロボロになるタイプで、試合をこなしながらあげていくものなのだ。今回は途中変更であるため試合といってもこの4CCと次の本命世界選手権、そして国別対抗戦の3試合しかないため、余裕がなくて始まる前から固さが表情に現れていた。
 発表の場での確固たる言い方とは別に実際の試合会場でのプレッシャーはいかばかりかであろう。
初めての試合というのは高橋にとっていつもかけのようなものだったのではないだろうか。

 それでも先を見つめて詰めて詰めてとやっていく。

 だから彼はすごいのだが、だからと言って休みを全くとらないといつか心がゆとりなく固くなってしまうことがあるかもしれないから、意識的に休んでほしいなと思っている。

4.”月光”をいかに滑るのか?

”月光”・・・プログラム自体は、高橋大輔らしい選曲で彼の情感とピアノを表すことができるという繊細さがいい。何しろ、大ちゃん自身がこのプログラムが気に入っているのだから、
 滑り込みと自信とジャンプの成功があれば、あとは自ずと大輔風”月光”が生きてくると思う。

 高橋大輔は、世界選手権で”月光”をいかに滑るのか?
あとは時間との勝負になるが、今回かいま見た後半のステップは自分の頭の中でも把握しきれていないほどすばやい動きでしかも音にあっていた。

 実はステップは何度も繰り返してみている。かって各国の選手たちがやってきたプログラムも見てきた。そしてまた高橋に戻ってみたとき、この速いピアノのタッチをステップであらわせるのは彼だけではなかろうかと感じている。

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  スケーティングが生きてくるとこの目がさらに曲想に染まっていくのだろう。

 高橋大輔がこの”月光”を身体で奏でてくれるまでの間に、
     繰り返し曲をイメージして待つことになりそうだ。


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by miriyun | 2013-02-09 12:34 | Comments(4)
Commented by Maria at 2013-02-10 18:52 x
高橋選手 残念な結果となりました
応援する者としても身が引き締まります
1. そうですね 私もこの衣装をみると月光の中でピアノに向かい
 作曲するベートーベンの姿が目に浮かびます
 近くで見ると中の衣装には月光を思わせるスパンコールが光り
 遠くから見る程地味な印象ではないことが分かりますし
 上着の色合いも月明かりの夜の静寂(しじま)を
 感じさせる色合いで 品の良いものだと思うのですが
 “道化師”も黒のコスチュームなので
 上着をとったスパンコールで月明かりを感じさせるもの…
 などが良いのでは…などと思っています
3.若い選手の台頭は喜ばしいことではありますが
 成熟度のある…
 芸術性(当然裏打ちする技術が必要な)の高い演技の評価が
 その価値に相応しい評価を受ける様に願っています
4.選手としての最後の一年 このままでは終わりませんよね
 彼の血肉に潜む全ての力が最後の競技に向かって放出するよう
 それを堪能したいと 彼と彼のスタッフの戦いの果て
 勝利を期待しています!
Commented by miriyun at 2013-02-12 03:08
Mariaさん、FSは本当に残念なことでしたが、そのくらいでへこむくらいならこれまでの試練で負けてしまっていたでしょう。
固い強さではないのですが、何を言われても自分を信じて貫いていく
しなやかでありながらばねのような強さがありますよね。
だから、へこんだあとのたくましいこと・・・これも演技を見る上でのドキドキしながら毎回驚かされるところです。
今回もそんな感じで行くと思います。へこんだ次が世界選手権なのはちょうどいいのかもしれません。
月光はまだ完成した姿を知らないだけにすごく楽しみです。
Commented by きっしー at 2013-02-18 09:37 x
始めまして。いつも興味深く読ませていただいてます。

モロゾフには「高橋大輔に滑らせたい!」ずーっと温めていた」プログラムがあって、これはきっとその1番だったのでは?それで今のプログラムがしっくりこない、イマイチ点が出ない、、となった時、ここぞとばかりに出してきたのではないでしょうか?でも、悪い話じゃないとチーム高橋も思ったのでしょう。滑りこめば、すてきなものになりそうですよね。

衣装はかっこいいけど、やっぱりもう少しヒラヒラさせてほしいなあ、、、。
Commented by miriyun at 2013-02-19 03:57
きっしーさん、ようこそ!!
モロゾフコーチ、そうですよね~!見ないようにして、でも意識しているのが
現れてしまい、その子t路から大輔ならこれをとか思っていたであろうことは
感じられます。道化師もそうした曲だったのに離れてしまったので、他の選手に振付けたりしていました。
シェイリーンと曲の範囲を決めるときにさりげなく気になる曲を入れていたのかもしれません。
でも大輔選手も言っているようにモロゾフコーチはスケートについての情熱は純粋なので、
思いが深いほどいいプログラムを作ってくれそうですね。


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