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2012年 12月 24日

心と演技*高橋大輔

 前回、大輔選手の優しさみたいなものをテーマにしたが、今度はその魂について感じたことを。

彼がふだんと変わるときがある
 高橋大輔選手はどうも(彼の時代が)もう終わったと思われることに対して反応するようだ。

 ふだんニコニコして周りの人に細やかに気配りして自らチキンとか言っている高橋選手が変わるときがある。

 その一つが2011年、モスクワでの世界選手権で、左靴のブレードのビスがとれて、途中からの継続の試合、しかし、ビスは着けてもその時靴も壊れていたわけで、かろうじて使っていたスケート靴。だから左足で踏み切るジャンプ(アクセル・サルコウ)が失敗した。そのことをきちんと同時解説をしていたのはBSか、Jsportsの解説者だったか、うんうんと納得できる解説が素晴らしかった。
 今でもこの場面が出てくると、ただ単に失敗したかのようなとらえをしているのが残念だ。

 何とも言えない表情ででビスをつける間、天を仰ぎ、次に下を向いた高橋選手。だれもが彼が気落ちしただろう、歌子先生やチーム高橋の面々や仲間の応援が必要だろうとおもわれた。
 しかし、高橋はそのあとの記者会見でもう「ソチまでやります!」と言っていた。現役続行の宣言を人に相談せずに決めたのだった。
 青空を仰いで晴れ晴れと迷いが消えた顔が清々しかった。
 そして、そのことが現在の素晴らしい進化につながっているのだ。

2010.全日本
 そういえば、モスクワの前にもあった。
あの時もすごかった。GPシリーズ好調で世界チャンピオンの演技らしかった2010年秋。GPFで練習中の事故により不調をきたしジャンプはパンクしどうしようもなかった2010-2011.
全日本のSPでは大きくへこみ、もう今季は3位に入るのは苦しいかと思われた時、不死鳥のように気迫の演技(ブエノスアイレスの冬)でよみがえった。


2012.全日本 ふつふつと・・   
 そして、そういう思いがここでまたそれがあった。

 なんと全日本選手権SPで羽入選手に9点も離されてしまったことをこちらが見ている以上に悔しく思っていたというのだ。単なるくやしさや負けた感ではなく、
次のような言い方をしていた。
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everyでうつった文字を見てびっくりした。

「ここまで(点数を)離されたってことは世代交代じゃないけど・・、」

え~っ?何を世代交代などと弱気なことを口にするの?
ありえない!
    ・・・と心が叫ぶ。

「ちょっと終わったなっていう風に見られるかな・・・みたいな」

傑作を演じたばかりで何をのたまう、やめて~、弱気な言葉は似合わない~




そしたら、次の瞬間、高橋は言った。
「燃えてくるふつふつとした感じがあって
    落ち着こうと思ってもおさえられなくて
            これをぶつけようみたいな・・・」


燃えてくる?フツフツ? ぶつけよう?

わぉ、弱気発言じゃなかった。燃える闘魂だわ~!
ふだんの優しさからなかなか考えにくいけど、アスリート魂すごいわ~
それにしても、だれでもくやしさを味わえば燃えるけど、 その燃えた結果があの信じられないようなFS演技だったのか。

 その燃える思いをいい結果につなげるのは難しいものだ。
エンジンをかけたって、コントロールがしっかりしていなければ爆発して吹っ飛んでしまう。
燃える思いをおもいきり抑えため込んであれだけの演技をしたのかと、改めて驚かされる。

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 そういえば最後の悲哀と狂気を表すコレオシークエンスでジャーンという音とともに両腕を後ろに突き出すのが音よりも早かった。このように音をずらすことなんてなかったのに珍しいと思っていた。
 本人曰く、「テンションが上がりすぎておさえきれなかった」とのこと。
音をはずして先に出てしまって恥ずかしかったがそのまま何とか合わせていってしまったという。
エンジンが爆発しそうに心の中は爆走していたということだ。
そして終わったときの目もまた普段と異なるものだった。
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 なるほど、普段と違うすごい状態だったのだ。
    その中でミスなくすべてのジャンプをきちんと押さえて演技する。
    そして、非公式ながらロングプログラムの世界最高得点192.36点をたたき出したのだった。


  ☆魂を入れる、感情を出す☆・・・・言葉でいうのは誰でもできるが、
     その入れるべき魂が弱かったり、様々なことを繊細に感じ取れない心であったなら、
     どんな素晴らしい振付師がついても高橋大輔のような演技はできないのだ。
 
     高橋大輔―――確たる技術を持ち、さらに努力を重ねる人
        その上にすごい魂があるからこそ、魂を入れ込んだ演技ができるんだ
          人への優しさも含めて繊細この上ない感受性があるからこそ、感情をのせていかれるのだ。

            それに、あらためて気付かされた気がする。

           
  
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by miriyun | 2012-12-24 19:19 | Comments(2)
Commented by ジョー at 2012-12-25 13:45 x
高橋選手は、スター性が抜群にありますね。
引退したら、プロに転向するのでしょうか・・・。

爆笑していただきありがとうございました。
今年もあとわずか、来年もよろしくお願いします。
Commented by miriyun at 2012-12-27 00:02
ジョーさん、これまでこれほどの才能と向上心を持ち、
演技へ魂を入れることのできるスケーターを見たことがありませんでした。
同時代を生きる日本人としてうれしく感じるとともに、
こうして紹介しないではいられませんでした。


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