歴史に残る『道化師』*高橋大輔

シェイリーン・ボーン 醜くてもいいから感情を出して! 
 前の記事でシェイリーンボーンは魂を込めてこそフィギュアスケート作品と考えている人であると紹介していた。⇒振付師は語る(2)シェイリーンボーン

 高橋大輔はグランプリファイナルで、かなり「道化師」を演技できていた。きれいに感情もこもった演技として魅入っていたのだが、高橋自身はきれいに演じようとは思っていないという。

振付師シェイリーン・ボーンの言葉はこの振付けについて言っていた。
これはきれいに演じなくてもいい、
    きれいに全体をまとめるのではなくて、激しくても醜くてもいいから、感情を出して!
・・・と。

 そう、私たちがGPFで見た高橋大輔の演技はドキドキして、感情も出ていて作品としての素晴らしさが誰にも感じられるものだった。でも、これで終わりではないことは高橋本人の言葉からも感じられ、全日本から世界選手権へと変化していくことは間違いがないと感じていた。

 そして、激戦の全日本選手権で、シェイリーン・ボーンが言うように感情を目いっぱい出してきた。その感情はストーリーを含んでのアドバイスも参考にしながら、やはり高橋自身が音楽を感じながらそのメロディをこんな感じかなって想像しながら、高橋自身が感じた感情を一つ一つ出していくという。
だから、演ずるたびに異なってくることになる。
 とくに気に入っている最後のコレオシークエンスは感情が入れやすいしスケールの大きさも際立たせることができる。ディープエッジによる難しいステップを見せている。

 裏打ちされた高度なスケート技術とほとばしる感情が一つになって、それに高橋大輔という存在が加わるとこんな作品になるのかと圧倒された。

 気迫と演技が合致した4分半・・・すごかった!
どの一瞬もすごかった。
 何処を切り取ったら、今回の気迫をあらわせるか、

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この一枚はどうだろう。
 高橋大輔はその時の感情で、演技の中で奥に何かを秘めた笑い方もするし、さわやかに笑いも出ていた。今回はカニオの心の底をさらけだしたような目が特に印象的だった。そして足元はとんでもないディープエッジで滑りながら演じていくった。

 シェイリーンは醜くてもいいからとまで言った。思い切れということだろう。
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結果としては高橋の演技は美しく圧倒されるものだった。
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   指先もこのよう。大ちゃんはほんとは爪も深爪というくらい切ってしまう習慣の指なのだが、演技しているときは実に優美そのもの。
 これが全日本選手権で、国際大会でないので各国の中継が入っていないのが何とも残念だ。
各国がどんな反応するのか見てみたいものだ。 

高橋的どはまりの曲ー『道化師』

 高橋選手にとって、来る日も来る日も1シーズン聞き続けることになるSP・FSの曲はとても大事なものだ。
それが気に入った曲であればなおさらだ。
 そして、今シーズンのすごく重い曲調の『道化師』についてはとても好きで、どはまりの曲だと表現している。

 この曲へのはまり具合、そしてパワフルでドラマティックな振付師シェイリーン・ボーンに、産後であるので遠慮していたが、だめもとでと本人が頼んでみたら引き受けてくれたというこの振付、
 高橋の思い入れが強いだけにこれはまだ完成形でなくてこれ以上さらに進むのか・・・もう、黙ってその演技を堪能させてもらおう。

魂がはいった!! 「道化師」
◆道化師・・・主様、お借りします 


今年決めると言っていた4回転2回とも決めた。



間違いありません、歴史に刻みこまれる名演技です!!
 日本のエースは自らの殻を破りまた一つ階段を上がって見せました。(西岡アナ)
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右アウトエッジにのる。
ちょっと省エネでなく膝にも力を入れている。モロゾフにもにまだ力を入れ過ぎていると言われているらしい。
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ピンクのISUバナーのところまで跳ぶ。
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さらに頭一つ突き抜けて高く細軸で上がる。高い!跳躍力がすごい。
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一つ目の4回転トゥーループきれいに着氷して流れるところ。




きょうはいつにもまして全身から気迫が出て会場を包んだ!( 荒川さん)
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演技を終了して、まだカニオが目に残っている

高橋大輔に戻っていく
コレオシークエンスの盛り上がりは(寒い)札幌を熱くした(西岡アナ)

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歌子先生とキス&クライで
    得点はほんとにあとからついてくるもの、あの一つの舞台芸術のような作品の中に浸って万雷のスタオベと西岡アナの言葉で、もう点数なんてどうでもいい感じになった。しかし、SPにおける手厳しい判定もあったので、一応、ジャッジがどう判断したのか記しておく。
   技術要素点 97.36点
   演技構成点 96.00点
   減点      -1.00点(演技終了のところで衣装の紫の羽が羽が一枚落ちたため)
   FS点数  192.36点   (フリー1位。フリーの世界歴代最高得点(187.96点)を上回る。
                    ただし、国際大会でないのでISU記録にならないが、参考までに。SP88.04と合わすと2位だった)

全くの別格の演技で、しかもこれで満足していないまだまだ修正点がたくさんあるという。
 大輔さん、本当に限界知らず、どこまでも自分の目指す高みに向かっていく。
     なんて人なんだ。
 ファンは大輔選手ならきっとやる。前回すねてどこかに行ってしまった得意技であるトリプルアクセルも元に戻して来てくれるに違いない。できたばかりの黒い衣装はとてもよかったが胸元のタポタポの緩みも美意識の強い高橋大輔がそのままにするわけがないから直してくるだろう。感情もよりだしてくるだろう。
 そこまでは想像していた。

 だが、いつも高橋大輔はそれ以上のところに進んでいく。人には見せない地道な練習とSPで9点差はをつけられた悔しさは、また高橋を高みへと追い立てた。ほとんどトランス状態に近いラストの目、ゾーンに入るような演技を今年はもう全日本で出してきた。
 羽ばたく様に、ひらりと演技の最後に落ちた紫の羽一枚はその力強い羽ばたきの結果だったのだから、まあ、しょうがない(でも、減点対象ではあるから、衣装さん気を付けて!1点差の勝負だったら大変だった)。大輔さんは苦笑いしていたが、その羽一枚さえも映画だったらラストシーンのエンディングの演出のようだった。

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Commented by at 2012-12-24 09:42 x
おはようございます。お久しぶりです。

高橋選手のあの演技。
うまく心を表現できないことがもどかしいのですけれど、
みせてくれてありがとう、そんな気持ちで一杯です
(その場に居たかったです、本当に)。

あれが彼の目指す領域で、そして高橋選手にとって、
ここからがスタートなんですね。

歴史がこうしてつくられていく過程をみることのできる喜びと
高橋大輔という選手を応援できる喜び。

それを今あらためてかみ締めています。
Commented by miriyun at 2012-12-24 13:19
翠さん、高橋選手は他の選手だったら一生に一度は経験してみたいと思うような
総スタオベを幾度となく受けていくのがすごいですね。考える間もなく反射的に会場の観客が一斉に立ち上がった映像がすごかったです。
私もその会場にいたかったです。
同時代を生き、こうして見ていられることそのものに感謝したいです。
オフアイスではほんとに普通の青年という感じでしたが、
今では何ともすごいアスリート魂を持ち、自分を高めることに邁進する姿に尊敬の念を覚えます。
by miriyun | 2012-12-23 08:48 | Comments(2)

*写真を使って、イスラーム地域や日本の美しい自然と文化を語ります。日本が世界に誇る人物についても語ります。フィギュアスケーター高橋大輔さんの応援ブログでもあります。


by miriyun