道化師の演技に魅せられて*高橋大輔

フリー演技初披露*ジャパンオープン   
今年はまだフリーができていないと言ったのが、約1か月前.
曲のイメージがわかないから振付師にゆだねた高橋選手。モロゾフとも相談の上、シェイリーンから二つの提案をしてもらったうちの一つを選んだという。カナダにわたってシェイリーンに振付、その後モロゾフのもとで練習するためロシアにわたって1か月。

  そう、1か月しかたっていないのに・・・。6分間練習でも充実度が目に見えて伝わってきた。
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背景を消して表情だけに注目。高橋大輔の演技への入り方は、コールがあってリンクを半周するときにもうその演技のオーラを漂わせていたり、あるいは位置について、ポーズをとりスッと目線を落としたり、目が一瞬で変わったりする。その演技への入りや終わって素顔に戻るときの変化にも引き込まれてみていることが多い。

 さて、演技だが、2012年4月にもう宣言していたように、4回転が2回入ってくるはずの試合ということで、会場は静まりかえる。
4回転成功!昨年試していた腰に手を当てる入りではなくなっている。 さらに大きく周回して4回転コンビネーション、2つめの4回転は回転不足になってしまったけれど、一つ目は成功、3アクセルの飛距離と美しさは最高。

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後姿も美しい脚のクロス。バレエを習って立ち姿だけでも美しくなってから、後姿の背も語れるようになった気がする。これは審査員席から見た姿。

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音楽の盛り上がるところ、ジャーンというところで深くひざを折り、目に見える楽譜のよう・・・
客席が流れているので、そのスピード感がわかる。


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さらに終盤、オペラなら声を張り上げて、怒りと哀愁とを込めるところで、両手を震わせて観衆に訴えていく


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最初の方では笑顔だったのが、後半は苦悩と激情が入ってくる


  ただただ、魅入らされる・・・演技の途中では手拍子をするような曲ではない。
      重みのある曲である。最後までスピードに載った演技に観客は手を合わせ息を詰めてみた。


中央で軸が全くぶれない安定スピンから、最後のわずかな音の中で審査員席とは対面の壁ぎわまですっと下がり、
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最後に自分の情念を抑えるがごとく腰のあたりで、ぐっと力を込めた両の手を開いて天を仰ぐ・・・ラストポーズ、

                         大作だ‼
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*シェイリーン素敵だわ。シェイリーンにとって初めての男子フリーの振り付けだというが、まだ完成形ではないと思うが最後の速くて大きく、深いエッジワークのステップがすごい。

オペラは「道化師」の「衣装をつけろ」と歌い上げるテノール歌手の声の響きがクライマックス
・・・スケーターは歌が入らないオーケストラの曲でどう演じていくのか、
         高橋大輔は、高橋にしかできないステップでオペラのクライマックスを演じた。
 


4階席にいてもすごい気迫が伝わってきた

4階席から見ると遥か下方にあるアイスリンク。動きは見えても顔なんて見えない。
しかし、全体像は見えるのでリンクの中でのスピード感や大きい演技かどうかはよくわかる。表情は全く見えないのだが、身体全体で演ずる柔らかさや緊張・悲しみ・慟哭は伝わってくる。高橋選手の両の手をふるわせる演技は巨大なさいたまアリーナの一番遠くの席からもわかる演技だった。
 

動画主さま、お借りします。


◆演技が終わり、
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会場はスタオベとD1SKのバナーであふれる。

キス&クライには選手しかいないが、もちろんその近くに長光歌子先生・本田武史コーチ・モロゾフも来ている。
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今ふと見たTVにモロゾフの喜ぶ姿が写っていた。(everyの特集をやっていたらしい)
 心からの喜びがあふれて、歌子先生とハグしていた。
 *6月の再タッグのときの会見でモロゾフは言っていた。「離れてから活躍する彼に妬ましく感じていた時もあり、また、後半フィギュアの歴史に名を残す大輔をすごいぞと思って見つめていた、何か手助けできないかもと・・・」
 離れている間のモロゾフ、あちらこちらの大会で見かけても高橋の演技を見ていないよというようなそっけない感じでいながら目の片隅で見つめているような不思議な感じがあった。何かもやもやいっぱい思いを持っていることはその不自然な雰囲気から感じ取れたものだ。

 それが晴れてチーム高橋の一員となって、なんて嬉しそうに笑ったことか。
一瞬の姿であったが、モロゾフ、なんてわかりやすい人だ。



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キス&クライはノースアメリカ・ヨーロッパ・日本チームに分かれて選手のみが座っている。
そしてそれぞれのチームカラーのタオルをバナーとして使いつつ汗もふく。
 しかし、無頓着な大ちゃん…このバナーを使わなくてはという意識は高いものの文字の向きまでは見てはいない(^_^;)、真央ちゃん以外みんな文字があっちこっち向いていた。
競技が終わると何ともドジっ子ぶりにほっとしたり・・・

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≪点数忘れていたので追加≫
技術点81.00   演技構成点91.06  Total 172.06   
個人別には競っていないけど、6人の中でもちろん1位(演技構成点9点台がたくさん)

彼はやはり結果というより演技を作品として完成させるためにいかに努力していくかを見据えている。
もちろん点数が出て認められれば自信にはなるが、そんなことを超越してスケーターとして理想の演技に向かっているので、試合中も私的なときもゆるぎないし、どの一瞬を切り取ってもすばらしい。

さあ、これから来年4月まで道化師とThe Strollとミヤソラ(Web上で宮本賢二振付のビアソラのブエノスアイレスの春のことを略してこう呼ばれている)の曲が頭の中を渦巻くことになりそうだ。


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by miriyun | 2012-10-07 23:24 | Comments(6)
Commented by じんじ at 2012-10-08 15:07 x
レイバックスピンは哀愁がありますね。「回転する」のは感情の迷いを表すと、あるフランスのバレ-リナは「椿姫」の演目で語っていました。希望と絶望が入り組み、この後決意するのですよね。
Commented at 2012-10-08 20:24 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by miriyun at 2012-10-09 08:57
じんじさん、、この演技の中で心情に直結する雰囲気のあるレイバックですよね。
感情の迷いを表すということは、ここでレイバックスピンがぴったりで見事にあらわしているわけですね。
教えていただきありがとうございます。
Commented by miriyun at 2012-10-09 09:06
鍵コメさま、やはりご覧になりましたか。
ほんとに衝撃的な新プログラムでした。まだ、本格的にグランプリシリーズも始まっていない時点で、こんな充実度で驚きました。
リンク先がつながっていなかったのでお訪ねすることができませんでした。個人的にご覧になる場合は写真はどうぞおつかいください。ブログなどに使う場合はリンクアドレス教えてくださいね。
Commented at 2012-10-09 22:41 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by miriyun at 2012-10-10 00:34
鍵コメ様、お返事ありがとうございます。
可愛い絵のスタートページですね。アメーバのIDとかとらないと見えないようなので、記事は見れませんでしたが、応援ブログだということはわかりました。どうぞお使いください。


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