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2012年 08月 01日

壮大なる世紀*スレイマンとヒュッレムをめぐる話

壮大なる世紀*Muhteşem Yüzyıl
 2011年初頭からトルコで人気の大河ドラマがある。第10代スレイマン大帝の時代の皇妃になったヒュッレムをヒロインとした話で、時代は最もオスマントルコが繁栄した時代であり、舞台はイスタンブルのトプカプ宮殿のハレムであるのだから面白くないわけがない。
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 題名をMuhteşem Yüzyıl、壮大なる世紀という。

◆大河ドラマの魅力
 それは何と言っても実在の人物で歴史に偉大な影響力を残した人物がごろごろ出てくるということだ。
スレイマンと言ったら、オスマン・トルコでメフメット2世と並んで尊敬される偉大な指導者だ。
皇妃ヒュッレムも実際奴隷として始まりそこまで上り詰めたのだ。

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スレイマニエモスクにあるスレイマン廟への入り口。この中に皇妃ヒュッレムもスレイマン大帝の傍らに眠っているのだから、権謀術策うごめくハレムの中で最後まで力を持っていたのだと想像される。

 ドラマの中では、そのカーヌーニ・スレイマンが中心にデ~ンとしている。なんという俳優かは知らないが、さぞ力のある人がやっているのだろう。日本でいうと渡辺謙がやっているような感じだ。そこに多くの妍を競い、策をめぐらす女性たち、そして外で働く男たちにとっては進化との関係対外的な他国との力関係に芸術や建築面も優れていたスレイマンが有能な人物を使いこなしていくさまなどが出てくるのだろう。


 日本でもNHKで毎年1年間に及ぶ大河ドラマがあり、歴史的人物を取り上げて時の有望な俳優がそれを演じて話題をさらう。それと同じような大河ドラマなのだが、何しろ世界に君臨していったような力のあるトルコの時代であったからきらびやかで、ドラマがある。

 このドラマがあると知った時点で見たいなあ~と望んでいたが、さすがに日本のTV局はアメリカや韓国のドラマは放映しても、トルコのドラマまでは見ていないのか。全く気配がない。働いている人にも見やすい時間で毎週やっていったら絶対に惹きつけると思うのだが・・・。

 ところが、近年の動画時代。ずいぶんと私自身も動画を見ているうちに面白いドラマならばインターネット配信だってあるのではないかと探してみたら見事ヒットしたのだった。


◆TURKWEB.TVとしてyou tubeにのせているので、画質はTVを見ているほどに美しい。
Muhteşem Yüzyıl  第1回

◆第1回の出だし
 マニサにいたスレイマン皇子のもとに足音を立てて何かが近づいてくる。緊張感が走る側近と皇子は身構える。やってきた使者は手紙をさしだし、ひざまづく。
 父王の崩御、すなわち、王子はこの時からスルタンとしての人生が始まる。スレイマン大帝の物語が始まる。

 片や、北の土地の小さなむらに攻め入られ、村の娘たちはさらわれ、奴隷として売られる。
気の強い娘、アレキサンドラも奴隷としてトプカプ宮殿に入ることになる。
 当時だれでもスルタンの寵を得れば側室として部屋をいただき、豊かな暮らしをすることができた。そうしたところで始まる生活。

 途中で出てくるスレイマンの信頼する側近、侍従長イブラヒムが回想する。自分も村からさらわれてきた奴隷上がり、その記憶がよみがえる。彼はスレイマンに心から従っている。スレイマンの力を若いと侮っている他国を抑える方向性でスレイマンとイブラヒムは一致している。それにたいして古老たちは若きスレイマンをあまり買っていないので、反対派である。また、低い身分からのし上がってきたイブラヒムを邪魔にし陥れようと窺っている。


 アレクサンドラはスレイマンの目を引くことをしたり、踊りで魅せたりする。これにより部屋に呼ばれることになるが、部屋に入る前に正妃に邪魔されてしまう。このあたりまでが第1回の話。
 
 
このような長いドラマが延々とある。まだ第2回までしか見ていないが、トルコ語がわからないで聞いていても時代背景をつかんでいればかなり楽しめる。

 そして、ちょうどいい時にコミックスで「夢の雫、黄金の鳥籠 」というのが出始めていた。作者は篠原千絵、以前に「天は赤い河のほとり」という本でヒッタイトとエジプト・ミタンニ王国などの拮抗する中での物語を長編コミックスで描き表わした人だ。それだけに中東の歴史や背景・小物の描写はしっかりとしている。
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 これを読むと細かな演出は違っている。たとえば、ドラマではヒロインは踊りが得意であり、コミックスでは
美しい声で歌い、朗読をする。
 しかし、その時代背景と登場人物がほぼ同じなのでおおよそを掴みやすい。これを読んで、1520~1566年の織田信長よりも少し前の時代だと意識して見れば結構楽しめる。

 自分の場合、トルコ語がわからないのに何を楽しめるか。
言葉のわからないオペラを楽しむのと同じに意味を想像しながら、演技で楽しむ。
 ついでに家具調度・タイルにカフタン・女性たちの衣装・アクセサリ・ハマム・アラビア書道・絨毯、ハヤブサなど目に入るすべてが、「写真でイスラーム」としてはツボにはまったタコ状態なのだ。
 一番上のドラマの壁紙でスレイマンが座っている椅子はトプカプ宮殿の宝物庫にあった貝象嵌の椅子であるし、いたるところにトルコの文化が見え隠れする。

 尚、第2回ではアレクサンドラはスレイマンにその快活さが気に入られ「ヒュッレム(陽気・快活なるもの)」という名を賜る。しかし、そのあとに危機もやってきて、牢に入れられてしまう。~~というような展開で、気を抜けない話が続いていく。
日本語字幕でBSかどこかでやってくれないものだろうか。

                                       
                                                    
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by miriyun | 2012-08-01 19:24 | Comments(12)
Commented by petapeta_adeliae at 2012-08-02 12:53
昼休みに見ています。1時間45分の長編なので半分も見ることが
できませんでしたが、当時の生活が垣間見ることが出来ただけど
も楽しいです。低い地位から歌・踊りの才能で権力者の
寵愛を受けるって多いですね。どれだけ美しく、賢い女性だったのか
気になります。帰宅したらフルで鑑賞しないと。
Commented by miriyun at 2012-08-02 21:36
ソーニャさん、早速見てくださったのですね。
トプカプ宮殿の内部や宝物殿で見たものがたくさん出てきてほんとに興味深いです。
このWebTVの日本語でおおよそのあらすじを書いてあるサイトを見かけたのですが、
今日探したら見つかりませんでした。また、見つかったらこの場所に追記しておきます。
Commented by Lunta at 2012-08-13 18:46 x
「夢の雫、黄金の鳥籠 」見つけました。
昔懐かしい、いかにも少女マンガの画風ながらストーリーはなかなかハード。
TVドラマともかなりお話が重なっているようなので、両方見ればよくわかりそうですね。
これからYouTube見てみます。楽しみ!
Commented by miriyun at 2012-08-14 04:18
Luntaさん、このドラマは人気が出てとても長く続いているようで、Webで見かけただけでも第40回とか続いています。
話しが複雑になると想像だけではきついので、翻訳版が出ないかなと本気で期待してしまいます。
Commented by 山下みのり at 2013-10-05 20:42 x
篠原千絵先生の「夢の雫、黄金の鳥籠 」が好きでスレイマン、ヒュッレム関係を調べておりましたところ、こちらのブログに行き当たりました。ドラマがあったなんて知りませんでした!是非見てみようと思います。
最後に、篠原千絵先生が書いたヒッタイト、エジプトの物語は「赤い谷の〜」ではなく、「天は赤い河のほとり」といいます。
Commented by miriyun at 2013-10-06 01:59
山下みのりさん。ようこそ。
このドラマはだいぶ以前からやっていたものなのです。両方を見てみると尚更面白く見られそうです。
篠原さんのコミック名・・・子どもの部屋にあるのを確認しようと思いうろ覚えの題名を~としたまま、忘れていました。お知らせいただきありがとうございました。本文直しました。
Commented by もも~ちゃん at 2015-09-07 16:18 x
こんにちは。 英語の字幕を見つけました。 トルコで3年にわたって上映したらしく、一回一回が結構長い(80~100分)ですが、あっという間に観ちゃいます。 すっごく面白いです! 皆さんにもお薦めです!

http://mphot.exblog.jp/18294869/
Commented by miriyun at 2015-09-08 05:43
もも~ちゃんさん、英語版字幕で結構たのしめますよね。
トルコ版よりずっと内容がわかります。ただ流れが早いので時々止めながら
確認してみています。
それにしても日本のTVに版権を買ってきてくれないかなと思っています。
ところで、上のURLはこのブログのURLですね。
Commented by ミーナ at 2015-11-01 01:41 x
篠原先生の漫画から興味を持って検索したらここにたどり着きました。わかりやすくまとめてくださりありがとうございます!動画も見てみたいと思います。
Commented by miriyun at 2015-11-04 06:18
ミーナさん、ようこそ!
「夢の雫、黄金の鳥籠 」もだいぶお話が進んできたようで
歴史やドラマとともに楽しめる素敵な話ですね。
コメントありがとうございます。
Commented by russia007 at 2016-06-23 18:13
このドラマは面白くて全て見ました。
そのあとで「壮麗なる世紀キョセム」が放送されて第1シーズンがこの間終わったところです。とても面白かったです。第2シーズンが9月から放映とのことで期待しています。
とくにハリメ・スルタンの娘デリルバ・スルタン役のオイキュ・カリエリさんがめちゃくちゃきれいな人でした。
今はカリエリさんがヒロインの「クゼィ・ギュネイ」を見ています。こちらは現代が舞台ですが、これもまた面白いです。ただし、1回のエピソードが1時間40分ほどあるので結構大変です。
Commented by miriyun at 2016-07-10 22:50
russia007さん、壮大なるドラマですよね。
歴史物は重厚な作りで、調度や建物を初め文化もその当時の様子を見ることが出来るので楽しいです。
でも、やはり日本語字幕がついてBSやCSでもいいから放映してくれないものかと思っています。


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