高橋大輔…国別対抗戦*ふなばたを叩いて感じたり…

国別対抗戦2012・・・高橋は歴代SP1位の得点 
 フィギュアスケートでの成績を基に上位6各国の選手が集まってメダルを争う国別対抗戦。
体操競技ではこの国別の団体戦はものすごく盛り上がり、緊迫する。フィギュアではソチオリンピックからいよいよ正式に始まるので、その前の実力国の様子がわかる一戦。
 シングル男子・シングル女子が各国二人、アイスダンス・ペアが各国一組が出場している。順位が点になり合計得点で競う。
 キスクラのまわりに6か国の席がしつらえてあり、自国の選手が出るとキスクラに詰めかけて応援が行われている。ある意味、お祭り気分でいいのだが、各選手これがISUの公式戦としての今シーズンの最後なので自分の出走順が近づくと裏では厳しい表情で駆け込んだりジャンプの確認をしたりする。
 ソチオリンピックでは国の威信をかけての団体戦になるのでかなり緊迫感が伴ってくるだろう。

 世界選手権での力がおおむねそのまま出ているが、同じようなところで失敗するものやずっとリラックスしてとてもいい演技をしたSPのアボット選手やジュベール選手やアモディオ選手の魅力もよく見えた前半戦だった。
日本選手SP 男子 1位高橋大輔94.00 2位P.チャン89.81 3位アボット86.98 ・・・・・・・小塚7位
         女子 1位コストナー69.48 2位鈴木明子67.51 3位村上佳菜子63.78
         ペア  1位高橋成美・マーヴィン・トラン64.92 
         ダンス1位メリル・ホワイト 2位   ・・・・・・・6位リード姉弟、と好調な日本として迎えたFP。
今シーズンのシメで高橋はほんとに素晴らしい演技で締めくくってくれた。SPの得点94.00はそれまでのP.チャンの93点台の点を越えての世界最高得点を記録した。本人は自分の演技がまだ、とくにステップがだめだったと言っているが、じゅうぶん見ごたえがあった。
 また、女子の鈴木明子・村上佳奈子ともこの一年間の練習の成果と伸びを示すとても良い演技で2・3位につけた。素晴らしい演技がいっぱい!
  

ふなばたを叩いて感じたり・・・国別選手権の高橋大輔*FP
◆FP演技の後で
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演技終了後キスクラに各国選手団は待ち受けていて応援しながら点数が出るのを待つのだが、高橋のときだけ自分たちの席から拍手を送るだけでは飽き足らす、キスクラの上の段にいた国の選手が集まってきて、こえをだし、テープを上から浴びせながらたたえ、キスクラのセットをダンダンと叩いて讃えまくっていた。
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 普通は、このようにそれぞれの国別ブースに座って応援していて、
自分の国の選手がキスクラに入ったときについていって応援するだけで
他の国の選手のところに讃えに行くなんてことはない。⇒






 左上には高橋が好きなアイスダンスのメリルも最初からこの位置に来て拍手し、また、キスクラの上を叩いて讃えてくれていた。( メリル&ホワイトも世界選手権で非常にいい演技をしながらも点数が出ないで2位に甘んじたダンスペアである。世界選手権のエキシビジョン中に互いにたたえあってハグする姿が一瞬見られた。)
 
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◆ここでは、日本の大いなる物語、平家物語の一節が思い出された。

『皆紅の扇の、夕日の輝くに、白波の上に漂ひ、浮きぬ沈みぬ揺られけるを、
       沖には平家、舷(ふなばた)を叩いて感じたり、
               陸には源氏、箙(えびら)を叩いてどよめきけり』


 これは、扇の的を射落とした那須与一を源平いずれもがたたえた一節であった。
これはただ上手であるから讃えたというのではわかりにくい。
家を重んじ誇りを大切にする武士道の文化である恥の文化を知ったうえで味わう一節だ。
 陸に源氏、海に平氏があって対峙したときに、波間の揺れ動く船の上でさらに大きく揺れる竿の先の日の丸模様の扇の的を射れるものなら射てみよという平家からの誘いかけがあった。さすがの武勇をならす源氏も自分からやってやろうじゃないかと出てくるものがいなかった。結果的に若き与一が出てうごめく小さな扇の的を射るのだが、示された的を射そこなったなら源氏全体の名折れになる。したがって、与一は自らの誇りと命を懸けて臨んだであろうし、周りで見守る敵も味方も家名と源氏の名を背負っての一矢であることを皆承知で見守るのである。

 そして、源平のいずれもが息をつめて見守る中、ひょうと射た矢が見事に扇の的に当たり、ひらひらとまいおち、波間に落ち込んでいったのだ。(この辺は覚えている印象で書いているので、言葉遣いは正確ではない)

 そうしたときに、馬の背にいる源氏はもちろんたたえて、えびらを叩いて讃えた。
とうぜんだが、この時敵である船の上の平家方も武士としての与一の技もこの挑戦に挑んだ武士としての心を含めてふなばたを叩いて讃えたのである。

 この物語は、日本人の心を表す素晴らしい文で、情景と音をありありと脳裏に浮かばせることができる場面である。
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 これがすうっと思い出された。人は感極まると手近なものを叩きたくなる。拍手だけでは表せない気持ちをもっと大きく表現したくなるのかもしれない。それがここでみられた。

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なお、世界選手権のFPの素晴らしい演技で最後のジャンプが終わってステップに入るとき、感極まったパスクァーレ・カメレンゴ氏はバンバンと壁面のヘリを叩きと歌子コーチが一瞬であるが叩いていた。それほど喜びが大きかったのだ。実は自分もTVを実ながらであるのにテーブルをバンバンやりたい気分だったので、現地会場ならばなおさらだろう。

 ファンの方やカメレンゴさんが叩いていたのは、『箙(えびら)を叩いてどよめきけり』の方だったが、
今回のキスクラの上でフランス・イタリア・アメリカなどの選手が来てくれていたのは平氏の『ふなばたを叩いて感じたり』の讃えを思い出させるものだった。

 それにしても、素晴らしすぎて驚いた!
SPもFPも大きなミスなく、高橋大輔の世界を表し切った。最後の公式戦、見事だった。
FPについては世界選手権・国別対抗戦と2回続けての完璧な演技だった。



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by miriyun | 2012-04-21 13:32 | Comments(8)
Commented by ジョー at 2012-04-21 16:32 x

凄かったみたいですね。
適時的に開眼出来、実力を出し切ることができる集中力。
頼もしい存在ですね。
まさしく、スターですね^^。
Commented by えるだーおばば at 2012-04-21 22:22 x
こんばんわ、おばばです。
最高でしたねえ、気だるさも感じさせつつ、ジャンプをを成功させ、曲のイメージ、ブルースを表現してて素晴らしかった!
終わり良ければ、全て良しと言う言葉どうりでした。
そして、世界の選手達にも分かるんですね、彼の素晴らしさが。
選手だからこその彼のレベルの高さ、技術の凄さがわかるのかもしれません。
ほんと、愛されてますねえ、miriyunさん、大ちゃんは。
Commented by tsurukame_ko at 2012-04-21 22:30
ほんとうに、ほんとうに!!素晴らしかったですよね泣!!!
そして、あのキスクラ!!
高橋選手だからこそ!各国の選手が集まり、応援してくれたあのキスクラだったのだと思います。
見ていて本当にたのしかったし、いつもは見られない選手たちの仲良しップリもよかったー!感激

そして、ここで「平家物語」になぞらえるmiriyunさんのセンスに脱帽です。あしたも楽しみです。うふふ
Commented by なな at 2012-04-21 22:32 x
昨夜は眠れず!
あのどよめき祭りにカメラも集まってましたねー
キラキラテープを用意してあったんだ~
Commented by miriyun at 2012-04-22 10:56
ジョーさん、たまたま、ここのブログで知っていただきましたが、数あるスポーツの中で現在最も世界1ないしそれに近いのは体操とフィギュアスケート・女子サッカーなど数少ないです。日本の誇りとする選手がたくさん出ているフィギュア界、これからも紹介していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
Commented by miriyun at 2012-04-22 11:01
えるだーおばばさま、おどろきですよね!あれだけ完璧な演技をした世界選手権で観客には認められてもジャッジに認められなくて、それでも腐ったりせずに向上心を持ってさらに手直ししてきました。
また、彼は無意識のうちに世界選手権以上の演技をしたいと思ったようです。
認められなかった悔しさはより自分が納得できるよう向上させた演技を持って表現したわけです。
 感無量です!!
Commented by miriyun at 2012-04-22 11:04
tsurukame_koさん、あのキスクラは感激でした。
他の国の選手たちがあのように讃えてくれるなんて、なんて素敵なことでしょう。
まず高橋選手の演技そのものへの讃嘆、そして高橋選手の人柄、
そして、ほんのすこし、ジャッジそのものへの批判も含まれていたように思えました。
Commented by miriyun at 2012-04-22 11:05
ななさん、キスクラのあの心地よい華やぎの中へ、カメラは吸いつけられていましたよね。
それにしてもあの時讃えてくれた選手の名前をみんな書き出したいくらい嬉しいことでした。


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