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2012年 04月 14日

砂漠に宵闇が迫る!・・・・・・砂漠のフクロウ(2)

砂漠の暗闇にご用心!      

前々回の砂丘をあがりきったところで、夕陽の名残色を見た後、私たち(この時は娘と一緒)は、急いで元来た道に戻ることを決めた。宿泊している建物から決して遠いところへ二人だけで来たわけではない。
 
しかし、急がなければならない。都会で夕陽を見ているときはブルーモーメントも残照も楽しんだ後は星や月も楽しめばいい。しかし、この時は方位磁石も何の準備もなくフラッと見に行った砂丘を上ってしまい明かりはないもないし、建物の光が見えないところにいた。
 だから、これは危険だと判断した。手元には地震以来、いつもバッグに入れているLEDペンライトが一つだけ。ごく小さいものなので足元しか照らせないことはわかっている。

 砂漠は砂丘の一つでも目の前にあれば全く何も見えなくなることなのだ。空から見ればすぐ近くだよという距離でも水平に見れば何も目印がなく、方位がわからないことになるからだ。
 こっちから来たと思っていても、見えなかったらこっちという感覚に進行方向を正しくむけられるかというとそうはいかない。 昼間は何ということもない距離であっても進む向きにわずか10度の誤差があっただけでも自分のいる場所の感覚を失う。

何かがいる!?
 だから来た時の植物や動物の足跡に興じ、夕陽の名残りの残照を見たあと、暗闇が覆うまでの時間が少ないことを意識して、明かりが見えるところまで至急帰ろうと決めた。

 早足で砂丘の上を戻る。あと少しで人のいるところへ戻れるかなというところで娘が声をだした。

 「何かがいる!」

暗闇が迫りつつある砂の上にじっとこちらを見る目があった。
砂漠に宵闇が迫る!・・・・・・砂漠のフクロウ(2)_c0067690_10584682.jpg

フクロウがこちらを見据えていた。(分類学上はミミズクもフクロウもフクロウ科で英語での区別はない)
鳥目の鳥は夜見えづらくなるが、全ての鳥がそうであるわけでなく、夜のハンターであるフクロウは暗闇で狩をする。フクロウというと日本では森の中に住むフクロウのイメージだが、ここは砂漠。砂漠の穴に住むトビネズミなどを捕食する夜のハンター登場であった。

 
昼間向きの目しかないわれわれ人間は必至で家路に急ぐが
暗闇で狩をするフクロウにとってはこの時間は一日の始まりである。これから、暑さが去った砂上にありとあらゆる砂の中で暮らしている・・・トビネズミ・ヘビ・サソリなどの小動物たちが動き出す。

 このとき、フクロウの足元に獲物がすでにあったのかどうか・・・装備を整えてきていたならばじっくり生態観察ができたのであろうが、残念ながらフクロウであることを確認しただけで帰らざるを得なかった。

 車の通る道に降り立ち、後ろを振り返った。
フクロウなどの動物はもちろんもう砂丘も何も見えない暗闇が支配していた。

                                       
                                                    
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by miriyun | 2012-04-14 11:34 | Comments(8)
Commented by なな at 2012-04-14 16:26 x
か、かわいい!
狭い家のためペット用?のフクロウを飼う事ができないので家にはフクロウのぬいぐるみがいっぱいいます^^;
このフクロウ、箱根の寄木細工のような羽模様もいいしオレンジの眼がかわいい~
それにしてもペンライト1本・・・ご無事で何より。
Commented by chai at 2012-04-14 21:21 x
梟だったとは。うーん想像していませんでした。正面からのシルエットだとコロンとした形で梟だと分りますが・・・。梟も猛禽類ですよね。肉食だし。梟は森の住人と思っていましたが砂漠にもいるんですね。勉強になりました。
Commented by 霧のまち at 2012-04-14 22:49 x
砂漠にフクロウですか!  意外でした・・・。
闇は もはや私たちが普段経験し得ないものになりましたね。
景色の存在は解かっているのに なにも見えないと言うのは恐怖です。
人工の光から逃れて 砂漠や海、草原などに行ったら 真の闇なんですよね。
Commented by petapeta_adeliae at 2012-04-15 10:17
フクロウってヨーロッパの森にいると思い込んでいるので、
思いにもよらない答えでした。
ある企業から広告を頂いてそのモデルが目を閉じているので、
目を開けたらどんな顔なのかと想像力をかき立てられ、担当者にモデルの
名前を問い合わせているところです。分かったら画像検索してみるつもり。
人間だけじゃなくて動物でも目を閉じていると分からないものですね。

しかし、リアルヘンデルとグレーテルにならなくて良かったですね。
Commented by miriyun at 2012-04-15 15:56
ななさん、フクロウお好きだったのですね。
日本でのフクロウのキャラは可愛いです。でも、ハンターとして
とても優秀な機能を持っている鳥でもあるのでした。
砂漠の日暮れ後の暗くなりようは、激しいですね。
Commented by miriyun at 2012-04-15 15:58
chaiさん、日本ではまず木の上にいて狩をするので、砂漠は想像しにくいですね。
夜行性なのでおそらくハヤブサよりも獲物を探しやすいのではないかと思います。
Commented by miriyun at 2012-04-15 16:03
霧のまちさん、そうなんです。真の闇を体験していない人ばかりだったら
もう少しのんびり砂漠にいて、のんびり帰ろうと思ってしまうことでしょう。
というか、何があるかわからないから夕方出かけるときは人に言い、また装備をしていくことですよね。帰る決心が遅かったら野宿ものでした!
Commented by miriyun at 2012-04-15 16:06
ソーニャさん、目を閉じたフクロウ!
あまりないものなのでクイズ風にしてしまいました。
人でも動物でも目を閉じると印象が変わりますね~!!
その印象的なモデルさん、わかるといいですね。


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