2012年 02月 18日
細い葉と丸い葉とを持つ植物 松葉のように細い葉。 もともとはイタリアンパセリのような葉がでているのだが、じゅうぶんに育つとこの細い葉の花茎がぐいぐいと伸びてくる。 その上にちょっとだけ広がり始めた蕾がでて、そのあと、順次外側から開き始める。 そして、この花が咲きだすともう丸みのある葉は伸びることなく枯れるだけ。 花が散り実がなるまで持ちこたえて一年草としての生を終える。 東地中海沿岸原産、世界に広がった しばし花を見て考えた。 これが、あの匂いの葉を持つ花とは思えない これはコリアンダーの花 白い花びら(たぶんガクの変形)。 その内側に15ほどのつぼみがあり、それがくるりとひっくり返るように花びらを広げる。その色が薄いピンクで白いおしべがぐ~っと背を伸ばし先端の花粉のところは薄紫。めしべはやや濃いめのピンクでその下には黄緑がわずかに見える。 自然はなんと繊細な造形をこの花に与えたのだろう。 この花のところに丸い実がなる。それはレモンのような柑橘系の香りがするという。 原産はイスラーム地域でもある地中海東部といわれる。各地で古くから食用とされてきた。高さ25cm程度。 丸みのある葉や茎に独特の香りがある。 タイ料理での名前が一番知られているだろう。 パクチーだ。トムヤムクンや麺類他いろいろなものにつきものだ。自分がはじめてパクチーに出会った時、とてもにおいが苦手で嫌いだった。 中国では、香菜(シァンツァイ)といって、これもよくつかわれている。 日本では日本料理にあまり使う習慣がないので、このにおいになれない人が多い。 そのためか強烈な葉のにおいから連想したのかカメムシソウともいう。このカメムシソウという名は先に聞いてしまうとカメムシを知っている人は過剰反応してしまいそうだが・・。 この苦手な香りの葉を食べられるようになったのは、イスタンブルでおいしいラフマジュンに出会ったことによる。アツアツの焼きたての生地と野菜たち、そこにコリアンダーの葉、おいしい~っと思った瞬間で、これ以後、タイ料理のパクチーも食べられるようになった。ピーマン嫌いだった子どものころ、ある日突然ピーマンの肉詰めのおいしさに目覚めてしまった時のようだった。 ヨーロッパやインドではコリアンダーシードがすりつぶすとよい香りがするので香辛料として使ってきている。勿論インドではカレーの香辛料の一つだ。 日本以外ではけっこう一般的に使われるハーブ系植物で、しかも可愛い花を咲かせることを知ったのは最近のことだった。 エスニック料理を中心に日本国内でも目にすることが多くなり、野菜売り場でも置かれている。そういえばパセリもセロリやトマトも日本に初めて入ったころはにおいで敬遠する人が多かったと聞いているが、いつの間にか日本全体に普及した。香りのあるものってそういう経路をたどるのかもしれない。 ↑ 一日一回、ポチッと応援していただけると励みにもなります
by miriyun
| 2012-02-18 22:19
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Comments(12)
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霧のまち
at 2012-02-19 10:20
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カメムシソウは頂けませんね~。 ますます遠ざかりそうですね。
日本料理には こう言う強い香りが邪魔なのか なぜか大きく 広がりません。 たまに売ってはいますが 香りがイマイチ。 私は何年も前から 鉢植えで育てていますよ。 可愛いうすピンクの花もお馴染みです。 エスニックには欠かせませんネ♪
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なな
at 2012-02-19 15:00
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大好きなパクチー!いつもレストランでは「多めにしてね」と頼みます
暖かいところでしか育たないから日本で普及しないのかと思っていたのですが、売っている種を発見し、昨年植えてみました。が・・・夏に水切れで焼身しました 今年はリベンジしてこのようなきれいなお花を見たいです! (もちろん食べるのが目的ですが)
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petapeta_adeliae at 2012-02-19 15:44
コリアンダー、シァンツァイ、パクチーとこれだけ名前があるって
こと自体広範囲にあるかってことですよね。でもこんなに可憐な花だと 思いませんでした。経堂にコリアンダーハウスというコリアンダー専門の レストランがあります。 ピーマンのひき肉詰めは日本で一番浸透したトルコ料理ですよね。 真夜中にBSでアル・マハ・デザート・リゾート&スパが放送されて いました。miriyunさんの記事ですでに下地が出来ていたので ゆったりした気持ちでまるで自分が行ったかの様に拝見^^
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ateliercinicini at 2012-02-19 18:24
ラフマージュンにコリアンダー、美味しいですよね!
大好きな組み合わせです。 食い気ばっかりで、コリアンダーの花の可愛らしさを知りませんでした。 丸みを持った葉が開いて、あのイタリアンパセリのような葉になるのかしら?
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miriyun at 2012-02-20 05:35
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miriyun at 2012-02-20 05:38
ななさん、東地中海原産だと、水が少なくても育つかと思いましたが
そうはいきませんでしたか。あのあたりとは別の暑さが最近の日本には ありますね。 葉を十分食べつくしたころに花の咲く茎が伸びてきます。
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miriyun at 2012-02-20 05:42
ソーニャさん、中南米やベトナムなどでも異なる名でよばれ、またサルサや春巻きやいろいろな料理に使われているということです。ほんとに広範囲ですよね。
アル・マハ・・BSでありましたか。伝統工芸・動植物と砂漠に興味のあるかただったらおすすめのところです。
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miriyun at 2012-02-20 05:45
atelierciniciniさん、ラフマージュン、好きなので軽食として、この辺でもやってくれないかなと思ってしまいます。思ったよりもずっとかわいい花で私も驚きました。大雑把に葉のことを書いてしまいましたが、イタリアンパセリのような葉そのものです。
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霧のまち
at 2012-02-20 10:31
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シソやセリなど 本当に海外ではどう思うのか 気になりますね。
聞いた所によりますと、フランスでそれらを作っても 微妙な香りが イマイチ出ないとか・・・。 土質か気候か分かりませんが。 逆の事が日本にも言えるそうです。 エシャロットなどは 日本で 作ると 別の感じになるそうです。 息子がフレンチのシェフで フレンスに何年かいた時 実感したそうですが・・・。
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miriyun at 2012-02-21 19:40
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asiax at 2012-02-21 20:51
私も子供の頃は香りの強いもの、しその葉とか全然だめだったんですけど、今はパクチーさえも、タイ料理を食べる時に必要不可欠な存在になってます。
miriyun さんはピーマン、苦手だったんですか。ちょっと意外でした(笑)。
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miriyun at 2012-02-22 20:16
asiaxさん、子どものときと大人とではやはり味覚が変わっていくのでしょうね。
子どもの頃、玄関のドアを開けてだけでピーマンが今夜の食卓に出ることを察知して、顔をしかめたものです。 今はパクチーも大丈夫ですし、遊牧民チーズも大丈夫になりました。 |
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