SP世界最高得点*高橋大輔&2011日本選手権結果

フィギュアスケート全日本選手権で勝つということは・・
 全日本選手権は、これらの日本の選手が世界選手権や四大陸選手権に出場権がかかってくる試合である。国際大会ではないので、普通なら実力のある選手にとっては国際大会より楽なはずなのだが、どっこい日本は選手がハイレベルでひしめき合っているために出場枠(日本は実績があるから3名分ある)に入るのがむずかしい。
 昨年、怪我から不調であった高橋選手は、思いもよらないSP4位となり、その時、この不出来では3位までに入ることができなくて、それでももし現世界チャンピオンという実績から推薦されてもとても出る気にはなれないと考えていたという。しかし、久々に燃えた高橋選手は、FPで燃えるような演技をして会場中を高橋オーラにして、見事3位に入り、世界選手権出場枠を撮ったのはまだ記憶に新しい。
 力のある鈴木選手はこの3枠に入れず泣いた。

 2011年12月23日、大阪なみはやドームで行われた日本選手権。男女とも3枠を目指して熾烈な戦いが始まった。 
 だいたい、日本の選手の層の厚さはどうだ。
TV局は男子24名はいるはずの選手の一部しかうつさないが、その一部を見ても、これからの日本を担うかもしれない宇野選手、キレのある面白い忍者演技が楽しかった佐々木選手、そしてもちろん丁寧な演技で表情もピ来ている町田選手とか素晴らしい選手がたくさん、ひしめき合っている。織田選手は残念ながらケガで欠場しているので、普通なら4強ならぬ3強ですんなりと言いたいところだが・・・。

高橋大輔ショートで4-3連続ジャンプ
 高橋大輔はグランプリシリーズNHK杯で完璧とまで言われた演技を行った。出だしは3-3であったが、それで高得点が叩き出せるのであるからもう、ショートは4回転(クワド)はなしで戦ってもいいのではという考えも聞かれた。高橋自身もGPFでは4回転が失敗したこともあり、ほぼ3-3でいくようなことを言っていた。

 ところがいつものようにこのIn the Garden of Souls という曲の世界に入り込んだ顔になった高橋、なめらかに滑るうちに腕をぐっと背の方に持っていった、かとおもったらきれいな4回転、TVの前でわぁ~っと拍手、しかし終わってはいない。続きがあった、4回転に3回転を続けてコンビネーションに仕上げた。4回転だけがやっとだと思っていたのですごい。美しいジャンプが戻ってきた~!歌子先生も今日やるとは知らなかったそうだ。



 体力・気力を使う4-3をこなした後も美しい3A(トリプルアクセル)は健在だった。もう後は夢中で応援するばかり。いつも冷静でそれぞれの選手のここが回転不足とか、軸がずれたので、ダウングレードがあるかもと、技術面だけを冷製判断して解説している本田武史さんが、やると思わなかったようで何も言えないと興奮気味の口調で言っていた。

 NHK杯で3-3で演技してもバンクーバーオリンピックの得点を越えて、最高点を獲得し、世界歴代3位という高得点だった。それを今度は4-3を成功させたのだ。どんな特点になるのだろうとアナウンサーも解説者ももちろん会場の人々も見守る。
 SP
1位 高橋 96.05・・・このうち、技術点がとうとう大台にのって、50.70という点数。
                    演技構成点が45.35点
       パトリック・チャンのもっていたショート最高得点を3点以上も越えた(国際大会ではないので記録更新とはならないが)。

2位に小塚 85.60・・・彼もよかった。
3位に町田 74.64・・・ここの所、急成長し表情や動きに訴えるものがある町田君に注目していたが3位につけた。 
4位に羽生・・・・・・TVでは3位と言っていたが、スピンの得点訂正があり若干下がったため、4位に修正された。
   

===日本選手権・過去====
◎2009年
1位 高橋大輔 261.13
2位 織田信成 244.30
3位 小塚崇彦 236.13
4位 町田樹 215.02
5位 南里康晴 201.01
6位 羽生結弦 195.22

◎2010年
1位 小塚崇彦 251.93
2位 織田信成 237.48
3位 高橋大輔 236.79
4位 羽生結弦 220.06

◎2011年(もうすぐわかる)

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 今シーズンの高橋大輔・・・魅せてくれる。
これまでアーティストとしての面ばかり見てきたが、時々見せる不屈の魂もみてきた。(昨年の日本選手権、今でも時々見直している)。
世界選手権で靴のブレードが壊れる事故がた表情とさばさばとした話しっぷりに、期待感は持っていた。だが、早く取り戻し始めた技術、新しく取り入れた技術に、そして負けじ魂を出していく大ちゃんに、フィギュア史に残るアーティストであるばかりでなく、すごいアスリートなのだとあらためて感じている。

 今回も順位的には大丈夫だろうというところでとどまらずに自分の目指すところに向けてわざわざクワドを入れてくる。世界の名だたる指導者をしてアーティストと言わしめる繊細な表現者であり、ファイターである大ちゃんに今夜もまた、楽しませてもらおう!!

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≪追記≫FPを終えて
高橋大輔は、最初の4回転で転びすぐに体制を整えられなかったのが、この後の流れにも影響した。最高の演技の時とは違う。身体のキレと流れるようなて指から肩・首までの動きに、わずかながらしっくりこないものを感じ不安感がよぎった。そしてそのあともジャンプミスがあり、疲れも見えた。

 ブルース、難しい曲だであることは最初から分かっていたが、今回怖い曲だ・・とおもった。曲にのって観衆をすぽりとブルースの世界に引き込んでしまった時の魅力は絶大だ。しかし、ひとたび曲との同調性が乱れると戻れない。映画音楽やクラシックのように勇壮・壮大なイメージの曲は、失敗した後でもその曲の力が選手を助けて後押ししてくれたり、がらりと気持ちをいれ変えてくれたりもする。

 ところがこのブルースは違う。
NHK杯での高橋の演技を、外国の解説者は、「シャープでけだるい、ブルースを表し切っている」と絶賛した。
ところが、曲想にのれば大絶賛で忘れられない名プログラムである反面、高橋自身が以前に行っていたように「曲が助けてくれない、自分の表現だけで表し切らなければならない」という厳しさという面もあるのだ。

 だから、ひとたび乱れが出ると「曲が助けてくれない」プログラムであることを痛感させられた。

◎日本選手権結果(2011年12月)
1位 高橋大輔 254・60
2位 小塚崇彦 250・97
3位 羽生結弦  241・91
4位 町田樹
 
 SPの突出した得点で、FPでジャンプを失敗するも逃げ切り、日本選手権のNo.1に返り咲いた。だが、高橋はこの結果には満足していない。疲れが出てしまって調整の失敗とも言っていた。つくづくフィギュアは繊細で大胆で調整の難しいスポーツだ。上位3名もどこかしらで失敗するなど残念なところがあったが、その中では、FPでは羽生が気迫で勝っていて、FP1位をとった。
 無理せずともSPは安全に滑ればいいところをあえて4-3を入れた高橋の判断が結果的には優勝に逃げ切った得点に結びついた。
 あるいはSPで無理せず、FP中心の調整をすれば安定したかもしれない。しかし、それができないほど、実は羽入らの追い上げが厳しい。追われるものは常に厳しい。

 グランプリシリーズ・今大会・ISUの順位を参考に決められる出場権は以下のようになった。
     世界選手権の出場=高橋・小塚・羽生

■世界選手権2012(ニース3月開催)代表
<男子> 高橋大輔、小塚崇彦、羽生結弦
<女子> 浅田真央、鈴木明子、村上佳菜子
<ペア> 高橋成美/マーヴィン・トラン組
<アイスダンス> キャシー・リード/クリス・リード組  

■四大陸選手権1012(コロラドスプリングス2月開催)代表
<男子> 高橋大輔、町田樹、無良崇人
<女子> 浅田真央、村上佳菜子、今井遥
<ペア> 高橋成美/マーヴィン・トラン組
<アイスダンス> キャシー・リード/クリス・リード組



 日本選手権は日本の中での立ち位置も決定してくるし、世界選手権等への選考も兼ねているので、独特の雰囲気があると言われている。上位はさすがに3強が圧倒した結果になり、4位以下を大きく突き放された感がある。町田はSP3位になったせいか失敗しないようにと動きが固かった。世界で戦うための4回転を得意技とする人もいる。多彩な才能があり、もし、他の国だったら代表になれるのではといつも家族間で話題に上る。エキシビジョンでは町田の演技はのびのびしていてとても楽しめるいい演技だった。
 他の国ならあなたもトップスケーターだよとうめく。
 
 レベルの高い日本フィギュア・・・それだけに競争を勝ち残るのはとても厳しい。しかし、前向きに見るならばこれだけ世界の20位までの世界スタンディングを持つ選手が日本にたくさんいるのだ。先輩であったり、同じ練習場にいたり、競技会でみたり・・・、他の国の選手がうらやみそうなくらいお手本にできる選手が目の前にいるのだ。こういうことを生かしてさらに自分を磨いていってほしい。

 最後にそのレベルを思いっきり引き上げ続けている高橋大輔選手、勝つことはうれしいが、それを目指しているのではなくてあくまでも自分の理想とする演技を目指していることがインタビューのたびに伝わってくる。そのため、こちらもその気になってしまい、うっかりNHK杯などでも順位も書かないままの記事だった。

 順位など超越した彼の求める演技を、いつか目にすることができるよう願ってやまない・・・。

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by miriyun | 2011-12-24 12:56 | Comments(2)
Commented by なな at 2011-12-24 21:48 x
ちょうどさきほど外出からもどって今日のFPをみる前にここへ寄る時間があってよかった!
2011年もうすぐわかる ですね!
Commented by miriyun at 2011-12-25 12:29
ななさん、すぐにわかる・・・と期待感いっぱいでした。
優勝してくれてうれしいですが、あの曲の難しさは痛感しました。
早々いつもいつもいい状態ばかりを期待せずに
ソチまdの長い道のりをじっくり応援です!


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