進化する高橋大輔の演技*動画

進化する高橋大輔の演技

1.「アメリ」の振付
   2010年春、高橋大輔がランビエールに振付けてもらったという「アメリ」を初めて見たとき、そこには高橋大輔の姿をしたステファン・ランビエールがいた。 ランビエールは魅力あるスケーターで個性が確立している。それだけに、その手の形やさばき、回転の仕方までランビエールがそこに一緒に滑っているかのような錯覚を覚えていた。
   ところが2回目にはもうランビエールが見えなくなり始め、シーズンが進むに連れて、もう最初から高橋大輔のならではのプログラムになっていた。(今年の町田樹君のFPの振り付けがやはりランビエールだったので、みたらやはり、町田君のカルメンのそこここにランビエールが見えていた。)
 つまり、高橋大輔という選手は、振付は尊重しつつ曲想に合わせて自分らしく音とりをして雰囲気を変えていくのだ。

2.「Blues for Klook」に思う  
  今年の「Blues for Klook」を最初に聞いた時は、ソチまで積み重ねの1年目とはいえ、勝負にならないだろうと思ったものだった。

   何しろ曲で盛り上がって追い込んで行くモロゾフの振り付けに慣れてしまっている。カメレンゴさんの振り付けも「道」では物語り、続いて「ブエノスアイレスの四季」では哀愁を漂わせながら、グイグイと盛り上がり、激しい動きでステップを刻んだ。
  そういうこれまでの曲と比べるとなんと平板な曲だろう、これでは最後のコレオ・ステップにはいる時の「やるぞ~!」という溜めやみえも入れようがないではないか。 世界中の高橋大輔ファンがいるにもかかわらず、拍手で盛り上げて応援することもできないではないか。そう思ったのだ。
しかも高橋自身、「これは賭けだ」と言っていた。カメレンゴさんに候補の曲を3つ示され、決められずにカメさんに選択を委ねたという。一番避けてきたブルースになって、委ねたからにはやるしかないと決めたという。
でも、本当にそれでいいのだろうか、いまからでも他の候補曲にするのは無理なのか・・とまで思ってしまった。

3.絶好調*NHK杯
 ところが、2回目にカナダ大会を見た時、おやっ、なんだか思ったよりは悪くないかもと思い始め、前回のグランプリシリーズNHK杯では、一挙に圧巻の演技に進化、これ以上ない曲ののり、そして弱点とされてきたスピンが極上にかわっている。( ここは、以前の記事に紹介)

これを見て思った。
カメレンゴさんごめんなさい――
   高橋大輔さん、ごめんなさい――

「Blues for Klook」これでは世界と戦えないだなんて、なんということを思ってしまったのか、
カメレンゴさんの振付の魔術師振りと、
高橋大輔の軽々としたジャンプ力とあなただけが持てる音楽との一貫性と魅惑のスケート。
これらをほんとにはわかっていなかったのか。
 
 パスクァーレ・カメレンゴさん、あなたの振り付け、高橋大輔が生きて最高に格好いい演技をしている。あなたはスケーターの持ち味を生かし切る。
 高橋選手のよどみない魅惑的なスケーティング。遅いリズムにはゆったりとしなりと溜めが効いた身のこなしに絶賛されたこれ以上ないというくらいのスケーティング・・・それがNHK杯だった。


4.グランプリ・ファイナルのFP
 先日カナダ・ケベック州で行われたグランプリ・ファイナル。ショートでは何やら曲に乗りきれないバランスの崩れがあり、絶対に入れることが義務付けられている連続技を入れられなかった。そのためになんと6人中の5位発信。これではもうファイナルでの金メダルどころかフリーによっては3位も難しいということで、本人はもう下がりようもないから思い切り滑るだけと言っていた。

 高橋大輔はこの春、目の前で「これからも山あり・谷ありのスケートだが、よろしく」と言っていたっけ。
NHK杯がよすぎてファイナルはやや谷に入ったのだろうかと危ぶんでみたり、期待したり、ドキドキ感いっぱいで日曜日の演技に見入った。
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① British Euro Sport(翻訳付き)
その演技、早速ニコニコ動画で翻訳版がでてきている。
upしてくれた方・翻訳してくれた方に感謝。


上が見えない人は下のリンクから。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm16404521


【ニコニコ動画】≪British Euro Sport(翻訳付き)≫高橋大輔 2011 GPF FS:Blues for Klook
高橋大輔こんなにも世界で評価されている!!

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②イタリア語版日本語訳)
<>【ニコニコ動画】【イタリア版日本語訳】 2011 高橋大輔 GPファイナル FS:Blues for Klook<>

【ニコニコ動画】【イタリア版日本語訳】 2011 高橋大輔 GPファイナル FS:Blues for Klook

いや~、テンポが上がってからの、ズンチャッチャ、ズンチャッチャが心地よく体にリズムを刻む音がし始めたときにはますますスピードにのって、ジャンプ。軽々ジャンプ、助走なしジャンプ!!!
そして、見ましたか、最後のコレオ・ステップの中でNHK杯よりもエキサイティングに跳ねているのを!
 スピンや音とりの手の動きもその時により、進歩したり、その日ののりで演技が脈を打ち、伸び、跳ねていく。
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③ CBC 翻訳付き


④ ユニバーサル スポーツ

【ニコニコ動画】2011 GPF Daisuke Takahashi FS ユニバーサル スポーツ



◆高橋大輔の演技というのは、止まらないのだ。一般的には振付師がそれぞれの選手の力量の限界値近く前レベルを上げた振付をしてもらうと、それをこなすのが精いっぱいとなる。
 ところが高橋は、
・まずは振付を覚えるのが驚異的に早い(と、どの振付師も言う)。
・振付は難なく身に着け。
・練習と競技を重ねていくうちによりしっくりするように変化していく。
・自分のモノにして魅惑のスケート技となる。
・そして、曲へののりで毎回微妙に変化

まだまだ変化しながら、己の満足するスケートを目指すのだ。

 海外の解説者曰く、「高橋大輔はNHK杯で、単調で眠くなる曲に命を吹き込んだ。」

「こんなにすべてが揃っている選手は他にはいません」

・・・・そうでしょう!
   悦に入って、ファン冥利に尽きる一時を味わっている。

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by miriyun | 2011-12-13 07:11 | Comments(6)
Commented by yumiyane at 2011-12-13 14:29
待ってました、高橋くん。
miriyunさんがアップされるの待っていました。
このあいだのフリーの演技は素晴らしかった。うっとりして見ていましたよ。
ニコニコ動画翻訳付き、面白いですね。
Commented by tsurukame_ko at 2011-12-14 01:26
すばらしい解説!ありがとうございます。
わたしはただキャーキャー言うばかりで、こんなふうにことばにすることができませんでした。
高橋くん、ほんとうに!ほんとうにすばらしかったですね!!
あの気迫と集中力!そして「ニヤリ」がたまりません。だいすき!!!メロメロ!
こんなに夢中になったスケーターは、キャンデロロ以来です。
ヨーロッパでの彼の評価がこんなに高いとも知りませんでした。うれしーい!
はー、わたしもせめて英語がわかるようになりたいと切に願います。
勉強しなくちゃ!!!
Commented by miriyun at 2011-12-14 23:58
yumiyaneさん、本文が何もない時にもう見ていただいてのコメントをありがとうございました。加太題材を集めただけの資料をそのままアップしてしまって失礼しました。実は長い文がついています。
 どうやっても言い尽くせないほど、素敵なプログラムでした。
翻訳版、面白いですよね。ついいつも繰り返し見てしまいます。
Commented by miriyun at 2011-12-15 00:03
tsurukame_koさん、キャンデロロ、高橋大輔・・・同じ名前で
話が通じるお仲間がいることはうれしいものですね。
ここのところ、素晴らしいアートのように高橋選手のプログラムとスケーティングを味わっています。世界の中の逸材と言ってよいほど認められたる人物ですね
Commented by えるだーおばば at 2011-12-16 01:44 x
こんばんわ、おばばです。
良かったですねえ、グランプリのFRの演技。
前日のSPでの失敗にOH,NO!と叫びたくなるほどのショックでしたが、不安で先に結果を知りFRを観ました。
さすがです、彼は日本、いえ世界のフィギアー界の宝です。
彼のような選手は今の所、もう出て来ないでしょう。
4回転をポンポン飛ぶ選手は、いるでしょうけどね、それじゃあ、サーカスと一緒、彼のようなアーチスチックな滑りが出来る選手はいません。
大輔君の華麗なスケート術、モロゾフ氏のコーチの力が大きいと思ってましたが、違ってました。15歳の時のJr.世界選手権の動画を見ましたら、ばっちり、現在の大輔君の滑りでした。切れのある、ジャンプだし、ステップもほとんど今と変わりが無いですね。ただ、複雑な演技、振り付けでないだけ、びっくりしました。
地方の素朴な内気そうな少年の面差しが、おばばにはとてもいじらく感じられました。今は成熟した大人の面差しですが、でも、どこか、ゆーるい所があり、その辺のおにいちゃんと言う雰囲気の彼が、いざ、氷の上に乗るとガラリと変わり凛々しい男性に見えるのは不思議ですし、そこがまた、いいのよねえ。
Commented by miriyun at 2011-12-18 06:56
えるだーおばばさま、
少年のころからスケートの流れやキレに今の片りんは見えていましたね~!でも、顔つきはすごく優しくて気弱そうな感じでした。
そこにはやはりお前はすごいと言い続けてくれたモロゾフコーチとの出会いが必要あったのでしょう。
今は出だしで躓きがあっても、あるいは今回のSPのように後れを取っても精悍さあふれた動きをするのでしょう。
ソチまでやってくれるというのは、ほんとにうれしい限りです。



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