高橋大輔と四大陸選手権2011

1.高橋大輔*フィギュアスケート4大陸選手権  

 タイペイで四大陸選手権の男子ショートプログラムが行われた。
久々に高橋大輔がパーフェクト演技ができ、世界選手権を来月に控えて上向いてきた勢いを感じた。
 
 トリプルアクセルをはじめ、コンビネーションジャンプ、単独のトリプルもきれいに飛んで「エル・マンボ」を氷上ではじけるように熱く踊った。 

  日本語版よりも画質はよくないし、中国語なので解説で言っている意味は分からない。
でも最初解説の女性がが適当に笑いながら何か言っていて、時折、ナイス!と言っているのだが、その声のトーンがかわってくるのだ。う~ん、これはこれはっ!という感じになってくる。
 言葉はわからなくともこんな雰囲気を感じ取るのが好きだ。 (でも、意味の分かる方がいらしたら教えてください)

 はじめて、ドーナツスピンも入れた。
 久しぶりにジャンプもステップも波に乗ってなめらかだった。いや、この人の場合、その言葉では表現が足りない。曲想ももちろんだが観客の心までもわしづかみにして、初めてこのひとらしさがでてくるのだ。

〈2/18男子ショートの結果〉 
1.高橋大輔        83.49
2.ジェフリー・アボット  76.73
3.羽生結弦        76.43     (小塚はジャンプの失敗で6位)


 高橋大輔が男子に初めてオリンピックの銅メダルをもたらしたのはちょうど1年前だった。さらに1か月ほど後にはトリノでの世界選手権で第100回世界選手権チャンピョンになっている。
 バンクーバー・トリノ、までは大けがの後で緊張感が続いたが次のシーズンになったとき、それだけのモチベーションを維持できなかったという。
 それが、日本選手権で変わった。

2.なんとハイレベルな日本選手権!・・・かってないほど、世界に誇る選手がたくさん!! 
 日本は活躍してきた国なので、男女とも3人までの世界選手権出場枠を獲得している。

 他の国からすればうらやむような3名という枠であるが、実は日本選手権に出る選手、男子で考えるなら、高橋の他、グランプリファイナル3位で日本選手権1位の小塚、グランプリファイナル2位の日本選手権2位の織田、新生ジュニアチャンピョン・羽生が元気がいいし、いい意味で気も強い。無良・町田・南里だってかなり4回転もしくはアクセルを飛ぶし、スケートのすべりや表現だってなかなかのものである。日本だから厳しいが、他の国にいたらば選手権代表を争えるであろう。

 世界選手権出場は日本選手権で3位まで入賞が原則(他にも要件はあるが・・・)だ。
日本選手権のショートで小塚・羽生・織田が3位までに入り、高橋は4位となったとき、つまり世界チャンピョンが出場できないかもしれないという事態になってはじめて高橋の気持ちに火がついて、フリーでは万雷の拍手が起こるような演技で日本選手権3位で滑り込んだ。

 日本選手がばらばらに出場する世界グランプリシリーズで勝つよりも、、日本選手権で勝つのが大変ということになる。女子についても復調した女王浅田真央、同じく安藤美姫、そして鈴木明子・庄司・石川・西野・、ジュニアからの村上佳菜子・今井など層は厚い。

 昔はテレビに映らないところはボロボロ転んで大したことはないという認識だった。今このように日本に世界をけん引する選手がたくさんいるような日本ではジュニアやその下にも優れた選手の層が厚く、テレビに出ていない選手たちもなかなかの技術を持っているのだ。先日の紅白戦で若い世代も出ていたが、12歳くらいの男の子も中学生くらいの女の子たちも高度な技を見せていた。基礎的な力を持ったうえであとは急成長の村上のように思い切りの良い、人を惹きつける演技をできるかであろう。

 この中で勝つのは高橋でさえ、本気を目覚めさせなければできなかったほどだ。若い人たちにとってレベルの高い人たちがいることはものすごく刺激になっているはずである。
 また、これだけ常にしのぎを削り、順位をつけられ、メンタルな勝負であっても、国別対抗やアイスショーなどで見せるチームワークや応援ぶりは微笑ましい。
 他の国からいわせれば、これほどの厚い層がどうして育成できているのか、次々と強い選手が出てきているのか不思議で知りたいところだという。


3.フィギュアの表現力   

 今シーズンの世界の選手の様子は世界選手権で明らかになるのだが、グランプリ選手権などで見た感じではどこの国も表現力がとびっきりよくなってきている。きれいな曲に合わせて優雅に踊っているのが普通だったのが指先まで演技して何かを表す複雑な動きになってきた。
 これは、バンクーバーオリンピックで高橋の「 eye 」と「 道 」が絶賛されたこと、インターネットの世界で、繰り返しその良さを確認できるようになったことと決して無縁ではない。

 表現の可能性を探るならお手本を探すだろう。大昔の選手ではお手本にならない。地面の上の他の踊り(バレエ出会ったり、ベリーダンスであったり)も取り入れ、スケートとしての取りこむ。また、手指や首の動かし方までというと先例のないところは高橋が研究されることになる。その結果、明らかに体の手足はもちろん全身を激しく動かして踊っていく人が見られるようになった。
 4回転はプルシェンコをめざし、ステップは高橋のように表現を重視してくる。

 それもただ真似したら誰々のよう言われてしまうだけだ。やはりオリジナリティー、自分らしさの表現ができることが本物の名を残すことができるスケーターとなるのだろう。

 今夜、4大陸選手権の男子フリーがある。その少し前は女子ショートである。
その行方を見守ろう。
~~~~~~~~~~~~~~  
≪追記≫
(2/19女子ショート)
1.安藤美姫 66.58    2.浅田真央 63.41    3.レイチェル・フラット (鈴木は6位)
 安藤選手、曲に合わせて動くのではなく自分自身を曲の中に溶かし込んでいくような演技に静かな演技の中にも感じるものがあり、観客は安藤の表現する世界を壊さないように、さざ波がおこるがごとき拍手で称えていたのがとても印象的だった。
 浅田選手もフラット選手も情感豊かで、これからの方向性が見えてきていた。
(2/19女子フリー・総合)
1.安藤美姫     2.浅田真央  3.長洲未来
安藤選手・・・滑りこなしている。指先までこんなに表現できる人になったのかと・・・。
浅田選手・・・アクセルも完璧。プログラムを一部変えたのでまだ滑り込んでいないところもあるがジャンプは完璧。最後の方はあまりの美しさに絶句。
長洲選手・・・「私を選ばなかったのを後悔するくらいにいい演技を見せたい」・・と、世界選手権に出られない悔しさをばねに素晴らしい演技をして3位に入り、3人のアメリカ選手の中でトップになった。

(2/19男子フリー・総合得点)
1.高橋大輔        244.0
2.羽生結弦        228.1
3.J.アボット       225.71
c0067690_10352947.jpg

出だし、静かな瞳で始まる。最初の4回転に失敗するが・・・、この後のジャンプはお手本のような見事なジャンプをすべて決める。
c0067690_10353743.jpg

       思っても思ってもかなえられない望みを表す。
c0067690_10354549.jpg

          苦しい中からも情熱がしみだしてくるような演技が続く。

    後半の演技は、ジャンプや回る方向などに変更したところが多く、この時期へきての変更は大変だろうと思われる。
c0067690_11171123.jpg

c0067690_1036068.jpg

c0067690_1036257.jpg

             
気迫と貫禄、曲想の表現はいつも以上に魂が入ってすごかった。
c0067690_1036376.jpg

                                ↑ 写真はTVをそのまま撮影したもの
                    インタビュー時にはもういつもの普通の青年の顔に・・。
~~~~~~~2/20追記分終了~~~~~~~~~~~~~~~

4.世界選手権の出場枠&ワールドスタンディング
※なお、世界選手権の出場枠にはもう一つの規制がある。
  それは予選と決戦があるということで、ダイレクト・エントリー枠予選から戦わなければならない出場枠というものがある。いずれもメダルの狙える実力者ぞろいの日本はすべて決戦からかといえばそうではない。
 女子は実績の積み重ねがあるので3名ともダイレクト・エントリー、つまり決戦からの出場である。
 だが、男子は違う!
    2名が決戦にダイレクト・エントリー、
    1名は予選からの出場が余儀なくされるのだ。

 だから、日本男子シングル代表3名(小塚崇彦、織田信成、髙橋大輔)は、1名のみ予選から出場することになる。
出場選手については2月19日の四大陸選手権が終了した後の
ワールドスタンディングWorld Standings(世界ランキング)<男子(3シーズンの試合での結果によって決定される(今シーズン・先シーズンは100%、先々シーズンは70%換算)。
    
 つまり、2月19日、今夜の競技の結果を含めて世界順位が決まり、3人の中で最も低いものは予選参加となるのだ。

 ◆ちなみに、2011.02.14現在の男子ワールドスタンディングを見ると、
1.エヴァン・ライサチェク  2.パトリック・チャン  3.織田信成    4.トマシュ   5.高橋大輔
6.S.コンテスティ  7.M.ブレジナ   8.J.アボット     9.B.ジュベール   10.小塚崇彦
となっている。ただし、これは進行中の評価であり、シーズンが終わらないと最終的に比べることはできない。

≪2/20追記≫     
2011.02.20現在のワールドスタンディング(3年間の実績による順位)が先ほど発表になった。

1.高橋大輔        日本    4158点
2.エヴァン・ライサチェク アメリカ   3694点
3.パトリック・チャン   カナダ     3684点
4.織田信成        日本      3635点
5.トマス・ヴェルネル  チェコ       3617点
6.J.アボット       アメリカ       3370点
7.S.コンテスティ    イタリア        3131点
8.M.ブレジナ      チェコ          3103点
9.小塚崇彦        日本           3098点
10.B.ジュベール     フランス         2992点

☆さらに3月の世界選手権での実績が加算されて最終的な順位になる。
   高橋が群を抜いていることがわかる。
   しかし、3年間の成績からなる点数なのだが、先々年は高橋は十字靱帯断裂の大けがでまったく出場していないので0点、ライサチェクも今シーズンは休養して何も出場しないときなので0点、つまり、1・2位の二人は2年分の成績でこれだけなのでやはり他を圧倒していることがわかる。
 (もっとこのような点を見て喜んでいるのはコーチとファンであって、当の高橋は次のことを始めるともう前のことは点数も含めて忘れてしまっているようだ。)

 なお、これらの表を見るときは表の最下部に何日現在の統計であるかがきちんと記載されているので、それを見て新しい順位かどうかご判断を!3月下旬に出る結果が最終的なワールドスタンディングになる。
 今回の数字が直接関係するのは、日本の3人の男子シングル選手がどういう出場の仕方になるかであった。出場予定選手のうち、上位2名、すなわち
1位 高橋・・・ダイレクト・エントリー
4位 織田・・・ダイレクト・エントリー
9位 小塚・・・予選からの出場となる。

         実力者なので予選は楽勝だろうから問題はないが、つくづく日本ならではのハイレベルな枠取りであった。

 *かなり、自分自身の趣味分野のまとめ記事になってしまったが、フィギュアスケート界が、世界がうらやむほど充実してきていることをお知らせしていきたいと思っている。

                                    応援クリックお願いします。
                                                        人気ブログランキングへ




                          
by miriyun | 2011-02-19 15:36 | Comments(2)
Commented at 2011-02-27 01:53 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by miriyun at 2011-02-27 09:51
鍵コメさん、以前にも観客席からの別のアングルの動画情報をいただきましたね。情報提供ありがとうございます。演奏をと申し入れると聞いていたので確認しないままそう思い込んでいました。あまりにも前回の印象が強かったので、なんだか前の感じと違うなと思っていたのですが、そもそも違っていたのですね。さっそく消しておきました。


<< 中央アジアのフィギュアスケート スパイススークの香り >>