2011年 01月 12日
日本製! ドバイで乗った車のドライバーが日本の車はいいよ・・・とトヨタのハンドルをポンとたたきながら言った。壊れないよという。どこの国に行ってもよく聞かされる言葉であった。昨年TOYOTAはリコール問題にたたかれていたが、4WD関係での中東での信頼は今もなお厚い。 さらに、ドライバーは続ける。「ドバイにメトロが通ったのは知っているかい。あれも日本が作ったんだよ」と言っていた。あれはいい、すごく便利だという。 どこが発注したのか? バニヤス通りとクリークの間に巨大な看板が建っていた。 ドバイのアミールにして、U.A.E.の副大統領と首相をも兼務するムハンマド・ビン=ラーシド・アール=マクトゥームの肖像だ。眉の濃い、精悍で理知的なこの首長の顔は毎日の新聞はもとより町中でもよく見る。 ところが、看板はそれだけを描いてはいなかった。よくよく見てみると、メトロがくっきりと描かれていたのだ。 ドバイは前首長ラシード殿下の時から急成長を遂げ、人口も車の数も急激に増え、ドバイは恒常的な渋滞にみまわれるようになった。そのため、ドバイは中東で初めての都市交通を整備することにしたのだ。 上の看板の右下にも同じDubai Municipalityとある。 つまり、メトロの発注元は(ドバイ市庁)である。 では受注先はどこなのであろうか。 この分野で参入を図ったが、世界の中で技術は高度でありながら、世界での事業参入におくれを取っていた三菱グループが落札した。 すなわち三菱商事、三菱重工業、大林組、鹿島建設、トルコのYapi Merkezi社の計5企業である。当初の計画での総予算は3750億円であった。Red LineはRashidiya~Jebel Aliを60分で走る。Green LineはDubai Airport Free Zone~Dubai Healthcare Cityを25分で結ぶ。 現在はレッドラインだけが開通しているので、デイラ地区からシーサイドの大建築群に行くには便利だ。 すでに既存のバスと鉄道、ウォータータクシーに1枚の切符で乗換えが可能なシステムを導入されている。ゴールドカードによるファーストクラスとシルバーカードによるエコノミークラスに分かれている。グリーン車と普通車のような違いがある。女性・子供専用車両も設置され、運行間隔は10分、駅と駅の間は3分l程度のところが多い。 初期の三菱の出した案では駅舎の屋根は透明もしくは白っぽい屋根だったが、それはドバイの希望で金色に変わった。このようにそれぞれのデザインや、駅の増設。線路の延長などによって建設費用は倍額にもなり、そこに2009年のドバイ危機がやってきた。 その後、ドバイ首長国政府が発注した無人運転鉄道システム「ドバイ・メトロ」をめぐり、工事代金の回収に向けて、日本企業連合が一致団結してドバイ政府と交渉を始め、これ以上の損失拡大は回避できるのではないかとの報道もあった。 世界1の全自動無人鉄道 メトロの先端に影が見えるが、これは乗客の影で、運転手はいない。 車両は近畿車両がつくっている。5両編成と少ない編成だが、これが一定間隔で次々とはしるために500両以上の車両が日本から運ばれてきている。 全長約52.1km(地下区間4.7km)、全29駅 ジュベル・アリ・ポート駅(ジュベル・アリ・フリーゾーン)からドバイ国際空港ターミナル1駅、ドバイ国際空港ターミナル3駅を経由してアル・ラシディヤ駅まで結ぶドバイメトロ*レッドラインは、中東アラビア半島地域で初めての都市交通機関であるとともに、世界一長い無人鉄道となった。 そしてまぎれもなく日本の技術によるもので、カードもSUICAのようだと感じたのは当然で、無人改札の仕組みも含めて、鉄道運営のノウハウが日本からきているのだった。 ドバイメトロの利用客数と今後の開発 ドバイメトロのレッドラインは2010年に約38888000人の乗客の移動に使われた。 メトロの一日平均乗客数は現在、149000人に達している。この数値は、今年2011年にレッドライン上の残りの駅の完成とともにさらに増えることがわかっている。また、デイラ地区を縦断するグリーンラインが8月に予定通り開業されれば、ますますこのドバイ公共機関は使い勝手がよくなる。 これに従来のアブラ・水上タクシー・タクシー・バスなどを効率よく使いこなせるようになる。昨年から電話で呼び寄せるタイプだが水上タクシーもクリークだけでなく、シーサイドの観光地をつなぐ。 住んでいる人はもちろん、観光や仕事で訪れる者にとっても非常に動きやすいことは確かだ。
by miriyun
| 2011-01-12 22:32
| U.A.E.
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Comments(6)
鉄道もそうだったんですね。 ドバイの臨海地域の開発には
私の親族の勤務する会社も関わって来ました。 またアルジェの高速道路建設にも 関わっていますが これが 企画通りに進まなくて どんどん赤字が嵩んでいるそうです。 これ以上はお手上げで 前原さんが出向いて 国×国の体制で 今後は進めていくようです。 とても 1企業では対処出来ないと。 働かない、「期限」の心得が無い、万が一の危機感が無い、 何事もインシャアッラー。(笑) いくら金があって、近代設備を誇っても 所詮それは絵に描いた ナンとやら。中身がスカスカの空洞みたいだと 親族の者が 言っていました。
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miriyun at 2011-01-13 23:22
霧のまちさん、インシャアッラーの世界はビジネスの世界では直接、契約の不履行・予算の変更など
様々な問題点が出てきて大変なことが想像されます。 かといって技術力を売りとする日本が新プロジェクトの請負を他国に任せておくわけにもいきません。 やはり、おっしゃるとおり、企業対応のほかに国も自国の企業がないがしろにされることがないように しっかりとフォローして官民一体となって中東のプロジェクトが順調に推し進められるようにしないといけないと思います。 国が動くことで動かざるヤマが動くことがあります。
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碧
at 2011-01-14 10:47
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明日からヨルダンエジプト、そして帰りはドバイ経由で戻ってきます。
予習出来てうれしいです! ノルカードはシルバーかなあ、と思っていたのでやっぱり!とうなずいたり(笑) エジプトから行ったら、浦島太郎になりそう!
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miriyun at 2011-01-14 20:51
碧さん、ヨルダンからエジプトは船ですか。いいルートですね。
どうぞお気をつけて。いってらっしゃい!(^。^) そしてステキな旅のお話をきかせてください。 ちょうどエジプトもドバイもいい気候です。メトロも便利でした。
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chai
at 2011-01-16 13:53
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ドバイのメトロ凄いですね。近未来都市の絵に描かれていたような光景ですね。ドバイ経由で中東に行くといつも帰りにドバイの街を歩くと「田舎のねずみ都会のねずみ」の田舎のねずみ状態になってしまいます。
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miriyun at 2011-01-18 23:37
chaiさん、その感覚同じです。(; ̄O ̄)
とても場違いだなと思ったり、異次元に入ってしまったようであったりーーーでも、一度見てしまうとこんなものかなと人は慣れるのもはやいものですね! |
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