2010年 11月 03日
きょうの夕陽はどんな色? イスラームの地を題材としていると、必ず狙いたくなるものがある。それは太陽だ。砂漠に昇る太陽、ぎらぎらと照りつける太陽、そしてもちろん夕方の大きな大きな夕陽は遺跡や砂漠の中で劇的な様相で沈んでいく。 もちろん、そのときに方向は見定めるために一瞬レンズを覗くのであるが、」直接じっと見たら私たちの黒目は虫眼鏡で照らした黒い紙実験のように眼を傷めてしまう。そして失明の危険がある。 ぎらぎらの太陽はアラビアのロレンスを撮ったデビッド・リーン監督がスタッフになんとしても本物の砂漠のぎらぎらの太陽を撮れと言ったが、撮影隊がどう工夫してもフィルムが焼け焦げてしまうために、昼間の太陽だけは撮れなかった。そのため、唯一真昼の太陽だけは合成の絵であるというエピソードがある。 それほど、昼間の太陽は無理だということなので、自分としてもそれはとっくにあきらめている。 しかし、朝と夕の太陽は撮る。そのためちらりと見て方向を決め、そして一定の位置を決めたなら肉眼で見つつ、シャッターを押す。光の弱い夕陽であってもまだ尚、目を傷める可能性が大きいからだ。 どこにも出かけられないので、ベランダがあかっぽく染まってきたのを見てカメラを持って外へでる。 家から1分のビューポイントへ向かう。なんだか、とってもいい色合いが住宅地の間の道路を染めていた。しかし、西の空は大きな雲が発生していたはずだ。 富士は見えるか? 期待しながら行ったがやはり雲が覆っていた。これはだめだとあきらめた。 ↑ Pentax K20 1/250 F19 ISO100 だが、あまりにも強い赤みに立ち止まってみた。 山の端に近づくほどに太陽は大きくくっきりとしてくる。雲よ、どいてと願うが、かろうじて見えているだけで一瞬あとには雲に隠れてしまうかもしれない。 迷う暇もなく、その大きな太陽を思いっきり絞って撮ってみた。 通りかかった年配の方がここはいいでしょ、すごい太陽撮れたかねと声をかけられた。 ええ、富士は隠れていて残念ですがとてもいい夕陽ですとちょっとした声の掛け合いも楽しみながら撮り終えた。 撮影後の補正はしていないので、カメラの設定でとらえたそのままの色である。 山頂にのった形の太陽はほんとうに大きい。 山が小さめなので尚更太陽が大きく感じるが、なんとか太陽を捉えることはできた。 このあと、太陽は右の稜線に沿って下がって沈んでいった。こういうのをコロコロ型というのだろうか。 思わず、太陽の動きと美しさに引き込まれつつ、通りがかりの人とも話ができた素敵な時間だった。 ⇒ ⇒応援クリックお願いします。
by miriyun
| 2010-11-03 18:52
|
Comments(6)
Commented
by
petapeta_adeliae at 2010-11-03 22:00
食事の用意をしていて、茹で待ちにPCを立ちあげ、最新記事のタイトルを見て、
偶然にもアラビアのロレンスの太陽が浮かびました。 そして太陽にカメラのレンズを向けてはいけないよと言われたことも。 深い赤ですね。子供の頃いつも見ていた夕日も歳とともに余裕がなくなった?! 感動が薄くなったのか、仕事中の時間ということもありますが。 当たり前の自然現象を見るのもいいものですね。 太陽が富士山の真上、すすきがあって、日本酒が欲しくなります。
0
夕焼け、中々見るチャンスがない所に住んで居るので、外出した時に、夕焼けに出会うと、太陽が沈みきるまで眺めて仕舞います。其れが電車の中だったりすると、沈む太陽が見える所まで、乗ったままで居たりします。東横線は、何十年も載って居るので、何処までは見えると言う事が判るからですが、最近は西に高い建物が多くなってざんねんです。
富士山越しに夕焼けが見えるなんて、羨ましいです。 今までに2回もし絵に描いても信じて貰えない様な、見事な夕焼けをみました。
Commented
by
miriyun at 2010-11-05 08:04
アデリーさん、秋となりその季節感にどっぷりはまっているこの頃です。草木一本にも、空の色にも季節を感じ、それが生活や食べるものにまでさりげなく入ってくる。それを楽しむゆとりを持ちたいと思っているのですが、そこまではなかなかという状態です。
せめて自然を見るのだけは楽しんで行こうと思います。
Commented
by
miriyun at 2010-11-05 22:17
谷間のゆりさん、夕焼け気になりますよね~。自然が作り出すアートです。
私もきょうは見えるかしら、どこで見れるかしらと気になって仕方がありません。 いい富士やいい夕焼けが見られるだけで素敵な気分になりますね!
Commented
by
yumiyane at 2010-11-10 22:58
Commented
by
miriyun at 2010-11-11 13:55
|
アバウト
カレンダー
記事ランキング
タグ
高橋大輔・フィギュアスケート(345)
季節の風物・日本の光景(317) ★アラビア書道(153) ◆イスタンブル歴史紀行(142) UAE(ドバイ・アブダビ・シャルジャーなど)(139) シリア(86) イエメン(85) ◆料理とお菓子と(85) 本田孝一氏Web作品展(63) トルコ(63) ◆時の話題(62) Fuad Kouichi Honda(58) チュニジア(51) ◆ラクダ(50) マレーシア(49) ◆砂漠・砂漠化・砂・蜃気楼(47) イラン(ペルシア)(44) ヨルダン(43) サハラの情景(43) アラビア語のカリグラフィー(38) ペトラ遺跡(37) ◆各地のモスク・廟・メドレセ(35) 港ものがたり(34) 文様の話(植物文様・動物文様・組紐文様など)(34) 鳥(クジャク・ハト・カモメ・シラサギ・ダチョウなど)(32) ◆子どもたち(32) アラブ・チャリティー・バザー(30) イスラームの工芸(エブル・テズヒーブ・金彩・装丁)(29) オスマン帝国外伝(29) ◆砂漠の植物・その他の植物(28) ◆衣生活*民族衣装(27) ★ライオン紀行(27) 植物の話(葦・ザクロ・綿花・桑・オリーブ・ひまわりなど)(26) モザイク紀行(26) サラディン(26) 王ヶ頭ホテル・美ヶ原(25) ◆世界の家のつくり・材料(25) アル・マハ・デザート・リゾート(25) ◆人々と暮らし(24) 日食・月食・星・虹・幻日・ブロッケン現象・サンピラー(24) アブダビ(23) 絨毯・キリム(23) ウズベキスタン(サマルカンド・ブハラ・タシケントなど)(23) ◆国際協力(JICA・青年海外協力隊・NGO)(23) ◆象嵌(貴石・大理石・貝・金属など)(22) ◆ペトラ特集(22) クローズアップ人物(22) レバノン(21) ◆古代エジプト(21) タイル(21) ◆馬・牛・ロバ・ヘビ・家禽(21) 東京ジャーミー(モスク)(21) 桜(21) オリンピック開会式・他(20) ◆光の技・朝景・夕景(19) シェイク・ザーイド・モスク(19) ナツメヤシの話(19) 映画と史実・撮影地・エピソード(18) ◆ワディ・ラム特集(18) クイズ(18) ローマ帝国(17) 世界のフルーツの話(17) 水生植物(睡蓮・蓮など)(16) ◆レイクパレス(16) イマーム・モスク(16) 猛禽類(鷹・ハヤブサ・梟・鷲)・鷹狩(15) 東日本大震災(15) エジプト(14) ◆ミニアチュール(14) 航空写真(14) ◆飲み物(お茶・コーヒーなど)(14) カンボジア(14) デーツ(13) ミマール・スィナン(シナン)(13) サウジアラビア(12) アヤ・ソフィア(12) ◆ウマイヤドモスク特集(12) ◆トプカプ宮殿(11) トゥーラ・トゥグラー(11) アラビアン・オリックス(11) ブルジュ・ハリファ(11) 佐竹史料館(10) ペトロナスツインタワー(10) ◆結婚式・割礼式など(10) ◆古代文字(ヒエログリフ・楔形文字・ローマ・ナバテア文字他)(10) ◆水の話・水道橋・貯水池(10) ★刺繍・布・織りの世界(10) アラビア書道の年賀状・カード(10) ダマスカス(9) 熱気球の旅(9) 浴場・風呂の話・テルマエ・ハンマーム(9) ◆暦・古天文・科学(9) パピルスの話(9) ◆日本との関連(9) モスクのつくり(ドーム・天井・ミフラーブ・ミンバル・絨毯他)(8) プロカメラマンの話&写真展(8) ◆オアシスとその周辺(8) ミナレット(マナーラ)(8) 武士の文化(8) ◆タージ・マハルとアグラ城(8) 最新のコメント
お気に入りブログ
ヒンズー語ではありません。 中東イベント情報 アフガニスタン/パキスタ... イスラムアート紀行 はなももの別館 部族の絨毯と布 caff... Over the Blue アジアⅩのブログ 旅と絨毯とアフガニスタン トルコ~スパイシーライフ♪ にっと&かふぇ ギャラリーもっこ堂 アートなD1sk 前田画楽堂本舗 森の釣り人 アトリエサフラン トルコ... ツルカメ DAYS ソーニャの食べればご機嫌 - イスタンブル発 - ... わんわんぶー *********
・・・・・・・・・・
イスラームの自然や文化の写真はすべて自分の撮影したものです。ご利用になりたい方は非公開コメントにしてコメント欄に連絡用メアド等記入してください。 ▼△▼Ranking▼△▼ *応援ありがとうございます ◆It is prohibited to use the photograph, the image, and the illustration published in this blog without permission. ▼リンク集(エキサイト以外)▼ ◆こよみのページ ◆茉莉千日香 luntaの大きい旅小さい旅 いち子ばーばのお針箱Ⅱ 旅のミラクル 風と花を紡いで Kの庭 CROKO NOTE 地球散歩 エジプト大好きAnnyのひとりごと エジプト旅行カバン 中東ぶらぶら回想記 Asian Memories ETHNOMANIA 優しい世界の作り方。 のぶヒろぐ~漆喰について日々考える~ シンガポール熱帯植物だより+あるふぁ 実りのとき The Japanese Dubai ************* ☆日本アラビア書道協会(JACA) ☆アラビア書道とその周辺 ▼▼▼▼▼▼ ▲自己紹介▲ ☆写真・・・カメラを通すと新しい視点が与えられます。 ・TV番組や書籍に採用されています。(使用をご希望の方はコメント欄にご記入ください。) ☆文字・・・ヒエログリフ・楔形文字・マヤ数字・トンパなどにはじまった文字への思いは、アラビア書道に昇華しています。 ・アラビア書道 IRCICA国際競書大会 第4回・第5回・第6回いずれも Incentive Prizes 入選 ☆自然・・・イスラーム地域や日本の自然のささやきをひろってきます。ただし、最近はアジア・ヨーロッパなども含めて幅広く書いています。 ☆文化・・・いろいろな地域の文化比較や相互の関連を見ていきます。 ★これらが一つに重なって大きなライフワークになっています。 ☆また、スポーツの世界で稀有の芸術性を体現するフィギュアスケーター高橋大輔選手の魂の演技を見つめ応援しています。 ◆アクセス数(2006年5月ネームカード導入後のカウントで表記) 2017年 700万アクセスとなりました。 ご訪問ありがとうございます! ◆Welcome!! (2009.03.28より設置) ☆最新の来訪国等 ようこそ!(^_^)/ 183か国目マン島 182か国目セントルシア 181か国目マリ 180か国目バヌアツ 179か国目トンガ 178か国目バルバドス 177か国目キュラソー(オランダ領) 176か国目ジブラルタル 175か国目モーリタニア 174か国目ジャージー 173か国目セイシェル ▼▼▼▼▼▼ ◆こちらは自然と文化を一個人が自由に語るブログです。内容に関係のないコメントおよび販売を目的としたコメント、各種中傷、政治的発言等はこちらで削除させていただきますので、ご理解のほど、よろしくお願いします。 ブログパーツ
カテゴリ
全体 自然(砂漠・ラクダ・蜃気楼) アラビア書道 カリグラフィーを読もう サラディン紀行 Fuad Kouichi Honda ヨルダン イスラームの工芸 トルコ 絨毯・キリム シリア 東京ジャーミー(工芸) イラン(ペルシア) 日本の中のイスラーム 食べ物・飲み物 中東について レバノン イスラーム全般 写真館 中央アジア 数字・文字 チュニジア エジプト その他 インド U.A.E. 文様の伝播 マレーシア サウジアラビア 日本 動植物 カンボジア 空・太陽・月・星・雲 未分類 以前の記事
2023年 10月 2023年 09月 2023年 04月 2023年 03月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 08月 2022年 06月 2022年 05月 more... 検索
外部リンク
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||