2009年 11月 03日
ゾロアスターは拝火教 ゾロアスターでは最高神アフラ・マズダが知恵の神であり光の神であるから火を神聖視する。だから神殿では絶えることなく聖なる火を焚き、神官がそれを守ってきた。それと共にゾロアスターの思想の中に古代からの火の神・水の神をしたがえ、また、アフラマズダは天と地、火・水・植物・動物・人間を創造した。 こうしたことから、ゾロアスター教では火・水・土を清浄に保つために、火葬・水葬・土葬をきらう。 そのため、沈黙の塔(ダフメ又はダクマ)とよばれる塔で葬送するようになった。 ヤズドの沈黙の塔。このような荒涼とした大地にある。山の上まで坂道が続き、山の上には塔のように円筒形の塀が見られる。ゾロアスター教徒の葬儀ではここに死者を運ぶ。 左の山だけでなく、右手に山すそがわずかに見えているがそこも沈黙の塔である。 一方の沈黙の塔から、もう一方の沈黙の塔を望む。 おそらく、ゾロアスター教徒が多かった頃は一つの沈黙の塔では葬送の場所が足りなかったのだろう。 沈黙の塔・・・鳥葬 塀の外から中を見ると円筒形に見えたのは石の塀であり、中は平らになっている。塀だけ見ると表面がならしてあって薄いものに見えるが、この入口を見ると幅が1mもありそうな頑丈な石垣状であることがわかる。おそらく風が強いであろうこの地でも何百年も持ちこたえられるように作られている。 葬送の儀は、ここに屍を安置することから始まる。 石が中央の穴から放射線状に置かれている。 穴のほうに足を向かせて安置すると、一週間ほどで鳥がついばみ骨となる。いわゆる鳥葬である。 残った骨を遺族が中央の穴に入れる。(現地ガイドによる) ◇Web上では、中央の穴について、次のように記述されていた。 ”あの世で再び誕生するため、創造と復活の舞台である井戸に投げ込まれるのである。” ↑(ゾロアスター教基礎知識鳥葬より引用) 鳥葬は、火も水も使わず、石畳にすることで土も使わず、鳥によって行なう葬送である。これによって汚さないという考え方と、もう一つは鳥の食料となることでこの世での最後の功徳になるということもあるのだった。 なお、イランの中ではヤズドなど若干の地域でゾロアスター教徒がいる。かって世界宗教的な影響力があり、ササン朝では国教でさえあった宗教だったが、イスラム教が入ってきてから衰えていった。1930年にはパフラヴィー朝のレザー・シャーによって鳥葬も禁止され、以後はゾロアスター教徒も土葬となっている。 それでも尚、ヤズドの人口30万人のうち約3万人はゾロアスター教徒であるといわれている。(参考:Wikipedia) ⇒ ⇒ご面倒でしょうがポチッと応援よろしく!勇気づけられます
by miriyun
| 2009-11-03 08:20
| イラン(ペルシア)
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Comments(4)
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yumiyane at 2009-11-06 23:32
ゾロアスターという言葉は聞いたことがありましたが、そんなに古い、紀元前の宗教だとは知りませんでした。
「ツァラトゥストラはかく語りき」を、2001年宇宙の旅 の音楽に使った、スタンリー・キューブリックの意図がなんとなく分かるような気がしました。
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chai
at 2009-11-07 00:20
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タジキスタンやウズベキスタンの博物館では、鳥葬後の骨を入れる骨壷のオスアリを見ることができます。イランから離れた地域でもこのような物が発見されたということで、古代にはゾロアスター教が広く信仰されていたことが分りますね。ウズベキスタンにも鳥葬を行う丘がありました。ヤズドの沈黙の塔は、上りはよいのですが下りは砂地なのでずるずると滑りそうになり、上るたびにヒヤヒヤです。
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miriyun at 2009-11-08 02:36
yumiyaneさん、ゾロアスターとツァラトゥストラ、このつながりが当初不思議に感じたものでした。えも思ったよりもイランとヨーロッパは近いものだと考え直しました。
2001年宇宙の旅、今度注意して聞いてみます。
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miriyun at 2009-11-08 02:50
chaiさん、鳥葬のための塔はもともとは数も多く広範囲にありました。chaiさんのおっしゃるとおり、ゾロアスターの広がりが葬送の方法によって明らかになっていますね。オスアリはソグト人の活躍した地域にたくさん見られます。また、チベットの鳥葬は宗教がもちろん異なるのですが、方法として影響がなかったのかどうか気になるところです。
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