太陽柱・・・光の技

 太陽柱(サン・ピラー)・・・数分間の光の技
 きょうは晴れるといいながら、雲は多い日だった。
10月も半ばを過ぎたのに蒸し暑い日だった。
穏やかな日かと思ったら、やたらと強くて重い空気の風が吹いていた。

 曇ってはいても青空も垣間見える。

◆こんな日は、もしかすると・・・
   空気の違いが、何か起こりそうだと注意を呼び起こす。
まさかと思いつつ、念のため一眼レフを持って、珍しく定時に仕事場を離れた。
やはり曇っていて暗いじゃないの。夕焼けは無理だね・・・と、思いかけたとき、
灰色がかった富士は淡いオレンジと黄色の衣に囲まれだした。
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 富士は薄紫に見えるだけでおぼろである。これはきょうの天候では当たり前で鮮明になるわけがない。しかし、厚みも種類も、水や黄砂の含み具合まで様々な雲が富士の周辺でぶつかり合っている。

だが、残念ながら、太陽が沈んだのはもっと南よりで富士から大きく外れている。
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その沈んだほうを見て、自分の目を疑った。
視力がよくないとはいえ、ここまでおかしく見えるとは・・。
しかし、何度見直しても柱状になっている。


明らかに柱になっている。しかも、おぼろげな富士山周辺の色とは異なって、太陽が沈んだあたりは、先日の嵐のあとと同じような鮮やかさになっている。

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 このような現象を『太陽柱(サン・ピラー)』という。
 寒い地域で氷点下で雪がしっかりした平板な結晶となって空気中に漂い、それに地平線からの太陽光があたって、目に入ってくる。この反射面に沿って、人の目やカメラレンズは光がそちらから来たと錯覚する。そのため日の入り・日の出の時に地平線近くにある太陽の上・又は下にまっすぐに光の柱が立っているように見える。その色は太陽と同じようであり、幅は太陽よりもやや広めである。時にさほど寒くない地域でもおこる。

 条件は寒くもなく雪も降っていないがそれの変わりに、様々な重い水滴と氷を含んだ雲がその役割を果たしたのだろう。形がまばらで途切れ途切れの雲の影響なので寒い地域の定規で引いたようなまっすぐさに比べて、こちらはゆがみや色が薄れたところもある。

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(写真により色が異なるのは、秒単位での空の色の変化と撮影位置の移動、露出・シャッタースピード・測光範囲などカメラの設定を変えながら撮影しているためです。)

この太陽の光のそばの雲をたどって上空をも仰いでみると、グワッと大きくうねった薄紫の雲となって連なっていた。
 空全体が不安定な、しかし美しい雲でいっぱいの状態、これが太陽柱という珍しい現象となって現れたのだった。



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by miriyun | 2009-10-20 23:00 | Comments(8)
Commented by orientlibrary at 2009-10-21 10:43
まず1枚目の写真に反応してしまいました。こんな写真というか、絵柄というか、光景というか、初めてです。感傷的すぎるかもしれませんが、涙が出そうな絵(写真)です。夕暮れの家の光がポツッと見えるのも何ともいえません。
最近、部族の赤い織物を集中して見ていたせいか、赤にも強く反応しました。夕陽の赤、、夕暮れのオレンジ、、この色です。黒っぽい赤ではないオレンジ系の色合いのときは、この色です。部族の女性たちの頭と身体に刻まれた色なのかもしれません。(とくに4枚目の写真)。
光柱というのも自然の美ですね。びっくりしました。
日本の場合、電線が残念。でも自然に電線を除いて見るという「技」というか、適応が自然にできています。
赤い写真での、いいひとときでした。ありがとうございました。
Commented by 谷間のゆり at 2009-10-22 23:59 x
一枚目の画像が目には行った時、画面が揺れたようにみえました。影絵の様な富士でしたね。
サンピラーが見れたとは、何と幸運なと羨ましく思います。
一昨日は久し振りに、夕焼けを見る事が出来ましたが、空が狭くて、不満ばかりが残ります。
Commented by cocoloe-azuki at 2009-10-23 19:51
何とも言えないほど美しい夕焼け。富士山のうすい影が神秘的です。息をのんでため息をつくの繰り返しです。miriyunさん素敵すぎです~☆*
最後の一枚は作品のように完璧☆飾っていつも見たい写真です><
Commented by miriyun at 2009-10-23 22:29
orientさん、部族の赤・・・そうですね。植物からとったはずの色もどうしてこんなに明るく鮮やかに色味を出せるかと不思議に思う色です。こんな大自然がみせる夕景の色を求めていった色かも知れませんね。
 こういった自然の現象に遭遇すると、カメラへの気持ちが揺さぶられます。とくにサンピラーは見る機会はないだろうと思っていたので、まさかと思いつつ、移動しながらシャッターを押し続けました。
 気づいてからたった10分ほどの太陽光の技でした。
Commented by miriyun at 2009-10-23 22:52
谷間のゆりさん、ほんとに幸運だとおもいました。富士の周辺に何層もの雲が雲が存在するために、なんとも幻想的なところがでてきました。そして夕景は太陽からの贈りものと思っています。
 きょうは出会うだろうかというのも、楽しみのひとつになるんです。
Commented by miriyun at 2009-10-23 23:08
azukiさん、夕景を楽しんでいただきとってもうれしいです。
朝焼け・夕焼けの微妙な変化の時を、一人でじっくりと見るのがとてもすきなんです。見る時間は短くとも変化は大きいです。ちなみにこのときも10分ほどの時間でした。

 
Commented by asiax at 2009-10-24 07:54
こんな真っ赤な空の中で、富士山が裾野までしっかり見えていて、これだけのシチュエーションはそうそうないのではないでしょうか。
まるで葛飾北斎の絵を見ているようです。
Commented by miriyun at 2009-10-25 10:16
asiaxさん、自然の造形は素晴らしいですね。
美しいものが多すぎて、空を見て、道端を見て、心がふるえることが多くて・・・、レンズを通して見つめ続けていきたいと思っています。


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