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2009年 10月 08日

印章の使い方

 メソポタミア文明についての資料を見ていると、必ず粘土板と印章がでてくる。
では印章とはどんなものなのか?

 円筒形印章の使い方
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 印章はこのような円筒形をしている。
黒いほうは、博物館で購入した実際のもののレプリカである。白いのは焼き粘土に自分で花を一つ彫りこんでみたものだ。

 多くは円筒形の中心部が空いていて筒状になっている。例外的に筒でないものもあるが。
 では何故、手間をかけて穴を開けているのだろうか。古代も現代もこのように小さなものはなくしやすい。私感であるが、保存及び装飾としてもひもを通したのではないだろうかと考えている。実際、ひもを通すだけで首にかけたりして確実にみにつけることができる。

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 これは以前に粘土板に自分で楔形文字を描いてみたもの。
こうして書いた書類なり、手紙なりを別の粘土で周りを囲んで封書にしたことのだった。

◆そして、封印はどうやったのか?
その円筒形の回転印章を粘土の上で転がせばいい。
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 黒いほうの文様は、生命の木にライオンを押さえつけている英雄の像であり、それが左右対称になっている。いかにもメソポタミアらしい、そして支配者が好みそうな文様である。
 白いのはただの花だが、回転することでおもしろみは出てくる。
 油粘土なのでいい色をしていないが、文様はこのようになる。回転することで途切れることのない連続文様になるのだ。この方法は土器に文様をつけることにも応用できる。
 これによって、手紙や貴重な壷(金やラピスラズリなどを入れたかもしれない)などを粘土で塞ぎ、そこに回転印章でぐるりと文様を入れ、たとえ人に託しても安心できるようにしたのだった。
 支配者層はもちろん、旅に出ることの多い商人もこのしくみは大いに使ったことだろう。

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by miriyun | 2009-10-08 01:45 | Comments(10)
Commented by yumiyane at 2009-10-08 18:46
ヨーロッパの、蝋を流して紋章を押す、というのも素敵ですが、この粘土でふさいで型を付ける、というのは手がこんでいますね。
これだけ封印されると、開けてみよう!という気もそがれますね。しかし、きれいにはがれたんでしょうか。
封書を開けるときのわくわく感はどんなものだったのでしょうね。
Commented by 谷間のゆり at 2009-10-09 10:08 x
筒型の印章、アクセサリーになりますね。
此の印章を見て思い出しましたが、金唐皮を摸した、金唐紙を作るのに、
此の方法を拡大した木彫りの筒を作って居るようです。
同じ考えなんですね。
Commented by なな at 2009-10-10 00:06 x
ローラーを転がして連続模様を作るって最初に考え付いた人すごい!って思っていましたが やはりメソポタミアだったのですね
指輪を半回転して印をつけるのを見たことがありましたが
これなら模様を端から端までもれなく、そして連続できるのがいいですよね。

これがあったからアラベスク模様も限りなく連続させることができたのでしょうか?

もののない時代のほうが頭をよくつかっていたのかもしれませんね
Commented by miriyun at 2009-10-10 09:24
yumiyaneさん、ヨーロッパンの封蝋も回転はさせませんが同じ考え方ですよね。
 粘土板の手紙とそれを包む周りの粘土は残っているので、まあまあきれいに剥がれたようです。でも、おもしろいのは途中まで剥して文を読み終わると、下のほうの分がないところについてはそのまま剥さず放置してあるので、やはり剥すのは面倒だったのかと思います。
Commented by miriyun at 2009-10-10 09:29
谷間のゆりさん、金唐革紙・・・そういえば、これに和紙をまきつけて叩いて文様を浮き彫りにさせていますよね。大きいので巻きつけますが、原理はこのハンコと同じです。よくこの小さな印章から金唐革紙を連想してくださいました。なるほど~!
Commented by miriyun at 2009-10-10 09:36
ななさん、指輪もそういえば印鑑として使われていますね~。
 地元にある材料から道具が生まれ、その道具に適した文字が生まれるというのが、自分の持論なのですが、こここそはそれがはっきりと現れていると思うのです。
 
また、アラベスクに着眼されたように、連続文様をつける文化は、この地で唐草文様などを発達させる重要な要因になったのではないかと感じています。
Commented at 2010-04-17 04:03 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by miriyun at 2010-04-17 07:17
鍵コメ様、ようこそ!
現地の子どものための算数ブログ見させていただきました。
この「印章の使い方」の記事の2番目の楔形文字を粘土板に書いている写真について、算数ブログに載せるということですね。
画像の出典(「写真でイスラーム」またはURL)を明記の上で、どうぞお使いください。
Commented at 2012-07-27 20:14 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by miriyun at 2012-07-30 01:47
鍵コメさま、ようこそ。
メールをさしあげましたので、そちらにご返信ください。


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