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2009年 10月 04日

メソポタミアのお手紙

 粘土の封筒

 博物館に行くと文字オタクなので必ず文字のあるところに吸い寄せられていく。
回転印章や石版が並ぶのを見つめていると、長年探していた答えが見つかった。

 メソポタミアの地域及び、その文明が波及した地域では、粘土板に楔形文字を書いた。
それは、まず交易商人の商売の記録につかわれ、収税の記録に使われ、もちろん王の布告を書いたりもした。ある国の王から別の国の王へ政略結婚の誘いもあったかもしれないし、宣戦布告もあったであろう。
 この粘土板をむき出しで、家臣に渡して届けさせれば、葉書を持たせるようなもの。

 しかし、挨拶状ぐらいならいいだろうが、中には相手方の王や大臣にだけしか読ませたくない文もある。
そうしたとき、私たちは封筒に入れ、厳重に糊付けし、時にはサインや書留のように判を押すこともある。
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                                     ↑ アンカラ考古学博物館(ヒッタイト象形文字か楔形文字)

 それが古代ではこれだ!

① 粘土板への手紙はいったん乾かす。必要に応じて焼くこともある。
② そのあと、別の粘土で全体を囲んで閉じてしまう。
③ そのまま送るとどうなるのか?この手紙を盗み読みしたいものがいたら、外側の粘土を壊して、読んでからもう一回粘土でとじてから、届け先にもっていくことが可能だ。
④ だから、それを防ぐために封印のための判が押してある。それがこのわずかに残っている部分に人物像のようにかろうじて見える。王達はこのような自分専用の印章をもっており、手紙のまわりり中にめぐらすことで、秘密裏に読むものがいないよう工夫したのだった。

       粘土の封筒
          材料が異なるだけで、昔も今も考えることは同じだった!!
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by miriyun | 2009-10-04 11:29 | Comments(6)
Commented by 谷間のゆり at 2009-10-04 13:21 x
日本の文字も書き手に似よって巧拙が有りますが、古代の文字にも巧拙があるのでしょうね。
でも残されて居る文字が、今の時代にも美しいと思えることが不思議です。
Commented by lunta at 2009-10-04 23:31 x
古代のはがきと封書!なるほど、とひざを打ちました。
古代の封書ははじめて見ましたが、こんな風にちゃんと残っているものがあるんですね。
しかし博物館にあってもこれに目をつける人はめったにいないのでは。
目の付け所がさすがmiriyunさんです。
Commented by miriyun at 2009-10-05 01:04
谷間のゆりさま、こうした古代文字は書記が書いていることが多くて、文字が洗練されていますね。
 読めない古代文字でも充分美しいと思えます。
Commented by miriyun at 2009-10-06 07:02
luntaさん、博物館のものって、それ自体が過去の生活を語りだしてくれるようで好きです。
とくに手紙だとどんな思いで、誰が書いたのか、これを見ようと躍起になったスパイがいたのでは?とか考えてしまいます。
 でもこういう粘土、ものって思ったよりよく残っているものですね。
Commented by mitra at 2009-10-17 18:43 x
粘土板の手紙とは違うのですが、私はシーリングワックスが好きなもので、こういう「ふにゃ~」っとした素材に文字や文様を彫ったものには弱いです(笑)。
しかし、封筒まで粘土で作るとなると、手紙や文書ひとつ書くのも、大変な作業ですよね。miriyunさんが書かれている行程を読むだけで、面倒くさがりの私は・・・(笑)古代の書記は、本当の技能職だなあ。
Commented by miriyun at 2009-10-18 08:28
mitraさん、素材の異なっても、古代から現代まで人は同じように考え、身近なもので工夫しているところがおもしろいですね。
 古代という言葉を私もよく使うのですが、こうしたものを見ていると、2000年前や5000年前なんていうのは、人類の進歩の中では現代とまったく変わらない頭脳が働いていたのだと痛感させられます。


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