時には違う視点から・・・

 どんな国・どんな場所でも、ちょっと視点をかえるとそれまでとは異なる印象・魅力が見えてくる。
例えば・・・

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 この建物を東から望む。松の新緑も美しい庭園と池とともにある。
回廊からさらに一段池に向かって下がった張り出し回廊があり、180度以上の視界が得られる。
池の上に吹いてくる風は、暑い夏も過ごしやすくしてくれるだろう。

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 南から見れば正面には仏像が置かれている。軸もかけられ、簡素であるが寝殿造りを踏襲している。張り出し回廊の土台に高さのある礎石が置かれている。

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 回廊を西に進めば漱清が張り出す。

 「漱清(そうせい)」とは、池に張り出した壁やドアのない小さな屋根つきパビリオンであると英文で解説があった。なぜか、日本語では解説がなかった。漱清だけで日本人には意味がわかるのであろうか・・・。
 これをわかりやすくいうなれば、寝殿造りの渡り廊下の先にある釣殿と同じと考えればよい。さらにこの北側には船着場がつくられているので舟遊びがすぐにできる。

こういった池につきものの島があり、そこを船は廻ったのであろう。

北側の山は庭園になっている。
小さな滝や四季折々の草木が散在し、ゆったりと散策しながら上っていく。
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 のぼりきるとそこには夕佳亭(せっかてい)と呼ばれる茶室がある。

 この夕佳亭の名の由来は、眼下に先ほどの建築物が夕日に映えてすばらしく佳い景色となり、それを見ながら茶をいただくことができる茶室という意味であるという。
 たしかに建物の北の庭園を東に向かって道は連なり、
たどり着いた茶室から見ると、その建築物は西にあたり、夕映えを背景にするのである。
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                              ↑ イメージ写真。(他の場所で撮影したもの)
ここで夕刻お茶を飲んでみたいものだ。
日本の庭園技術の粋が、言葉通りあじわえそうだ。

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さてさて、

あまりにも名高いものがあるとそこにだけ目を奪われがちなのだが、

そこに住まう人、あるいはまねかれた人として感じていただきたく、有名な部分をあえて省いて紹介した。

昔のことではあるが、張り出し回廊や「漱清」に案内されたダイアナ妃はいたくここからの景色が気に入られたようだった。

中に入ると実はその有名なところは見えず、

ここで紹介したような落ち着いたたたずまいだけを目にするのである。

どこなのか、最後に、池に写る姿を!

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 鹿苑寺金閣。足利義満将軍がつくらせた華麗ながら、1層部分は落ち着いたたたずまいのつくりである。
 2層3層が金で、池に写る姿も金であるため、1層の雰囲気まで見ることなく金色だったということでイメージが固まってしまいやすい建築であるが、実は将軍が愛した居住空間としても優れたつくりである。天井までびっしりと金箔を貼った2層・3層を将軍が使っていたかどうかは定かでない。

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by miriyun | 2009-06-14 18:29 | Comments(4)
Commented by cocoloe-azuki at 2009-06-15 00:36
こんな落ち着いた雰囲気になっているだなんて思いもよりませんでした。最後の写真で意標をつかれた気分@д@!?
今思えば私にとって中学の修学旅行は何の勉強にもなっていなかったんだな~という気がします。。。
Commented by miriyun at 2009-06-15 11:55
azukiさん、じっくりと見てくださってありがとうございます。
お一人でもこんな見方をしていただけると、書いた甲斐があるというものです。
日本にもいいものはたくさんあります。もっと自分も楽しまないと紹介できないなと思って見始めています。
 
Commented by yumiyane at 2009-06-18 00:07
金閣寺には紅葉の頃、アメリカ人のお友達を連れて行きました。赤い葉の向こうに金色の建物をとても喜んで見ていました。
こんな静かな佇まいもあったのですね。
睡蓮の花の写真は、テキスタイルのデザインのようです。人間は自然のなかからいろいろなデザインのヒントをもらっているのですね。
Commented by miriyun at 2009-06-18 23:39
yumiyaneさん、日本人としても一回は見ておきたいところですし、他の国の方にも喜んでいただける建物です。きらびやかだけれども、居住空間は落ち着いていたはずだと思ったのが、今回の見方でした。
 二層以上については別の機会に書いてみたいと思っています。


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