2009年 03月 19日
ちょっとしたミスが元で、PCが止まっていた。 その間、仕事もメールもこのブログも気になるばかりで何もできなかった。 季節の変わり目にはとくに一日一日に変化が激しい。空も雲も、そして花も変わっていく。 そう思うと尚更、今だけ見ることができる花々が愛おしい。回線が復活したら、すぐに季節の輝きを見せるものを載せようと思っていた。 第995話 ◆サンシュユ 別名ハルコガネバナという名の通りに一つ一つは小さいながら、はじけんばかりの黄金色が空に映える。 学名Cornus officinalis。 Cornusは角(葉の細さから角【つの】という)、 officinalis(薬効がある)。 秋の初めには赤いグミのような実がなり、これに薬効があるのだ。 早春、梅やボケなどの赤系の花の咲く低木はあるものの、黄色系はほとんどないときに葉が出る前に咲きそろうため、思わず近寄ってみたくなるし、また日本を代表する木となっている。 本来中国から伝わったのであるが、享保年間に、かの徳川吉宗が目安箱の中の有益な提言に基づいて作らせた小石川の養生所の薬草園で始めて栽培された。 サンシュユ(山茱萸)の実は、糖類・リンゴ酸・酒石酸が含まれ、甘酸っぱい。一般にはそのまま煎じて、滋養強壮、腰痛、めまい、耳鳴りなどに用いる。漢方薬では、八味地黄丸などに使われるれっきとした薬効植物である。 日本でも早春の花として好まれ、、お茶席での早春の茶花としても季節をあらわす大事な役目を持っている。 ◆ さて、この花、中国原産は確かなようなものだが、東アジアだけなのだろうか。サンシュユという名前だけでは出てこないが、雨も降り、山もあり、草木の多いトルコだったらもしや、このような効果のある植物があるかもしれないと調べていった。 すると、やはり同種のものが西南アジアと南ヨーロッパに存在した。英文Wikipediaより。 European Cornel (Cornus mas) という。西洋サンシュユ、コーネル・チェリーとも呼ばれる。 花の形状は東のサンシュユとそっくりで、その実は熟すと赤黒い。ヨーロッパではドゥレンキといい、シロップやジャムにすることが一般的である。 トルコでは、クズルジュックと呼ばれ、やはりシロップ・ジャムのほかに夏のスナックとして塩をふって食べることもするそうだ(枝豆のような感覚?)。薬効については、一般的に腸によく、腹痛もこれでおさまるといわれている。 ◆ 同じ種の植物サンシュユが、春には洋の東西を明るくいろどり、秋には人にとってありがたい薬効のある実をつけるとわかったのだった。 ⇒ ⇒応援クリックお願いします。
by miriyun
| 2009-03-19 23:40
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Comments(4)
Cornus mas、ドイツの花屋さんでも見かけます。
実は食べたことがまだないのですが、 小さな花はキリスト教のイースターの時季に咲く花として ドイツの人達にも愛されていますよ。
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miriyun at 2009-03-20 15:41
わ~~ぉ、ゆむるたさん、ドイツにも咲いているんですね。
早速の情報をありがとうございます。 派手な花ではないのですが、なぜか愛される花ですよね。 やはり寒い冬を乗り切って明るくしてくれる花だからでしょうか。
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yokocan21 at 2009-03-20 17:07
クズルジュクのお花が、こんなに可愛いものだとは知りませんでした。名前の通りの真っ赤な実は食用なので、実ばかりに目がいってしまいます。お腹にいいのですねぇ。ちょっと苦手な味なんですけど、これのジュースなら飲めますので、この夏は飲んでみよう!
こちら、サクランボや桃、アンズもそうなんですけど、実のなる木の花には、あまり興味がなさそうです。日本のようにお花を愛でたりって、感覚はなさそうです。あくまでも、実、なんですよね。
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miriyun at 2009-03-21 07:19
クズルジュクはyokocanさんのところでは食品としてよく知られているのですね。お店に並ぶ様子やジャムなど見て味わってみたいものです。そうですね、シリアでも家の周りには実のなる木がびっしりと生えていて、花より実をならせ、ジャムにしようという感じでした。
でも、こういったところでのジャムは本当においしいですし、クズルジュクのジュースも試してみたいです。 |
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