2009年 02月 23日
オスマン朝のスルタンの花押にあたるトゥーラの美しさに魅せられて写真を撮り集めたままになっている。時間がたつとなんと読んだのかさえ忘れてしまいそうなので少しづつ載せていくことにしよう。 ここはオスマンのスルタン、メフメット2世からドルマバフチェに移るまで使っていたトプカプ宮殿の儀礼の門の入口の上にあるトゥーラ。 マフムト・ハーン・ビン・アブドュルハミド・アル・ムザッファルダーイマと読む。 これは、マフムト2世をさす。 マフムト2世(Mahumd Ⅱ)とは ◆マフムト2世は1808~1839年在位のオスマン朝の30代スルタンで啓蒙的専制君主であった。 大宰相の権力削減やイエニチェリの全廃と西欧式軍隊の編成、教育・郵便・検疫制度の導入など一連の改革によって18世紀以来失われていたスルタンの中央集権的支配力を回復した。 しかし、バルカンの諸民族の蜂起とロシアの干渉に苦しみ、またその政策の強引さはアナトリアの民衆の不満を増大させた。 1838年にイギリスと結んだ通商条約はオスマン朝の関税自主権を失わせ、この後のオスマンの半植民地化への道となっていった。 *この辺の歴史は日本の幕末から明治への道と重なっていることが多く、政治を行なうリーダーにも庶民にも大変な時だったんだろうな~と、思わず気持ちが入ってしまう。 コーランの語句をいただき、その下に自らの花押をおいていた。 なお、このトゥーラの飾りの中の数字が一つ失われているように見える(あるいはこの頃の表現で省略する習慣があったかどうか?・・・)。230という数字が見られるが、実際は1230であろう。 イスラーム暦1230年は西暦では1814~1815にあたり、マフムト2世がこの門を修復したのがこの年だということができる。 ⇒ ⇒応援クリックお願いします。
by miriyun
| 2009-02-23 01:28
| トルコ
|
Comments(10)
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yokocan21 at 2009-02-23 05:04
きゃ~ん♪嬉しいです。トゥーラ特集!
スルタンも後期になってくると、くねくねが多て、凄く装飾的になってきますね。「ムザッファルダーイマ」とはまた、強気ですねぇ。というか、これ位強さを強調しないといけない時代だったのでしょうかね。激動の時代、マフムト2世はどのような気持ちで、このトゥーラを描いたんでしょうね。
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ぺいとん
at 2009-02-23 06:04
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わ~綺麗ですね~~~!
もうこれだけでりボンのかかった花束みたいです☆
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miriyun at 2009-02-23 07:02
yokocanさん、あちらこちら特集物をかじりかけでおいてあって、自分でもすっきりしないのですが、ずっとため込んだままのトゥーラを久しぶりに出してきました。
デザインは次々と洗練されていくのですが、とても似ているので判別するのに画像をじっと見つめることになりますマフムト2世、この時代にしては長い治世であったので、名前はあちらこちらによく残っているのですが、最後は病気で倒れてしまったそうです。
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miriyun at 2009-02-23 07:06
ぺいとんさん、デザインとバランスがいいのできれいですよね。最初はこれは何なのだろうというところから始まりました。でもこういうのって読みにくいです。
そういえば、いま戦国武将ブームということですが、戦国武将の花押はもっと読みにくかったと思います。花押ではアラビア文字も日本の文字も似たようなものに見えたりします。
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orientlibrary at 2009-02-23 09:38
いいですね〜!以前は「トゥーラ」っていう言葉も知らなかったんですが、miriさんやyokoさんのおかげで、こんなにきれいなものの存在を知りました。文字で何かを象徴する、しかもとことん美しさを表現する、その志向性に惹かれます。豪華で力強いけれど、華美すぎないところがいいなあ。威圧的ではないところも(私はそう感じます)、好きです。
旦那様と一緒になってから、よく目にするアラビア?ペルシャ?文字。
私は全然読めないので、綺麗なだなぁと眺めているだけですが、 どんなことが書いてあるのかは分からないことが多かったです。 やっぱりひとつの言葉を知ることは、更に多くの文化を知ることできるのですねd。 私もまずはトルコ語がんばってみます(^^)
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miriyun at 2009-02-24 06:26
orientさん、トゥーラは初期の頃はとてもデザインなんて考えてなくて、ざっとサインしたというものでした。でも36台も続くうちにとんでもなく洗練されていったものです。特に右下へと伸びる線がたまりません。
気に入っていただけてよかったです!
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miriyun at 2009-02-24 06:30
ゆむるたさん、イスラームでは圧倒的にアラビア文字を目にする機会が多いと思います。以前はトルコ語もアラビア文字で書いていたのですが、トルコ語表現のはわたしもわかりません。でも文字って実におもしろいものです。そう行ったところをここでも表現できたらと思っています。
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yumiyane at 2009-02-24 13:12
何という文字が書かれているのでしょうか。いえ、これが文字だと分かるようになったのはmiriyunさんのブログを拝見するようになってからなのですが。
イスラムの美意識は職人技にあるのですね。ヨーロッパの紋章はマークですが、イスラムのはもっと多岐多様です。おっしゃるように右下への線は流麗で、入口の両サイドにあるものなど、誰か坐しているように見えます。
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miriyun at 2009-02-28 10:35
yumiyaneさん、右下への線の洗練された線をわかっていただけてすごいです!いいモノはやはり伝わるんですね~~。
文字の意味は「アブドュルハミドの息子、永遠の勝利者スルタン・マフムト」という意味です。また、こんなアートもあると楽しんでいただけたらと思います。 |
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